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A君の戦争における豪屋大介の挑発と挑戦について

1 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:02
 やってやる。こいつに教え込んでやる。
 ──僕が感じてきた痛みと同じものを。

 小野寺剛士、17歳。天抜高校二年生。彼は突然、
 異世界に救世主として召喚されてしまった。しかも、
 人族の迫害に苦しむ魔族たちの支配者、「魔王」として。

A君(17)の戦争 1 まもるべきもの        ISBN 4-8291-1381-2
A君(17)の戦争 2 かえらざるとき        ISBN 4-8291-1430-4
A君(17)の戦争 3 たたかいのさだめ      ISBN 4-8291-1442-8
A君(17)の戦争 4 かがやけるまぼろし     ISBN 4-8291-1478-9
A君(17)の戦争 5 すすむべきみち        ISBN 4-8291-1516-5
A君(17)の戦争 6 すべてはふるさとのために ISBN 4-8291-1547-5
富士見おファンタジア文庫にて発売中

2 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:03
A君の戦争は一味違う。

普通、ファンタジー小説において作家はあの手この手をを尽くして
その世界がまるで本当にあるのだと読者が錯覚するように世界の構築に気を使う。
登場人物も含め異世界の中だけで話が進むハイファンタジーにしろ
地球の人間が異世界に転移する形式のファンタジーにしろ共通するのがそれだ。

古くは指輪物語がそうだ。トールキン教授は一生をかけて中つ国を練り上げた。
ゴーメンガーストも。ウロボロスも。微に入り細に穿って世界を築き上げた。
最近だと時の車輪やジョージ・R・R・マーティンの氷と炎の歌がそうだ。

A君の戦争も当初の三冊はそのように進む。この時点で特筆すべきことがある。
この作品を構成するガジェットの殆どが手垢のついたもので構成されているのだ。
異世界に転移する主人公、エルフ、魔法、騎士、かつて日本でも大いに流行り、
そしてゴミのように消費されたヤングアダルト小説での定番の多くがA君の戦争で使われているのだ。
まるで駄目押しをするように作品中でそれらの使い古された要素は「おファンタジア」と呼ばれる。

こんなありきたりな世界にどうやって現実を感じろというのか、と思う者も多いだろう。
それがこの作家、結構頑張っている。定番だけではなく、自分で持ち込んだ要素を活用して
そこかしこで捻りを入れてあるのだ。おかげで三巻を読み終わるころには読者はノリノリになる。


3 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:04
ところが、である。
先ほども説明したように、通常ファンタジー小説とは
ゼロから初めて世界をプラスに、そしてまたプラスに、と積み上げていくのだが、
この作品は四巻から突如として逆の道を行く。
作為的に三巻までの舞台とはまた別の別世界を途中で登場させ、
そしてその(かなり心地よく築かれた)新世界をわずか1冊で消し去ることによって、
三巻までの舞台であった、読者が感情移入する世界さえも
砂上の楼閣なのではないか、と読者にゆさぶりをかけてくるのだ。
三冊かけて築いたプラスを四巻で一気にゼロどころかマイナスまで引き下げているのだ。
それは確かにあったのだと思いかけたところを奪われるのだから、
マイナスから始めるより更に強烈である。
永遠なる幻想のプラスのみを求める読者の中には四巻で耐えられずに読むのをやめる人も多いだろう。
それですめばまだいい。やもすれば蛇蠍の様に嫌われる憎悪の対象にすらなりかねない。


4 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:05
だが勿論それで終わるわけではない。
最初からあるとされる、その存在自体には決して疑いは持たれない世界を緻密に描くのではなく、
それが実在するのかどうかすらあやふやな状態から
世界が確立する過程を描き出し、読者に共に歩ませる。
豪屋大介のやっていることは砂場に城を築くようなものではない。世界の確信にゆさぶりを
かけることによって緻密な世界を構築するのと同等かそれ以上の効果を得ている。
ルイスがナルニアで用いた力技と比較しても豪屋大介はより用意周到なのだ。

つまり、A君の「戦争」とは用意された世界の国境線を書き換える戦争などではなく
あるのかどうかすらわからない世界を確固たるものにするための戦争なのである。

それは一巻の題名ですでに示されている。まもるべきもの、と。

そう、小野寺剛士はいずれ本当に世界を救うだろう。
しかも伝説の勇者ではなく魔王として、おファンタジアな化け物どもを率いて、である。
これが痛快でなくてなんだと言うのだ。

冒頭の文章は一部訂正する。違うのは一味どころではない。


5 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:08
追加。

これはかなり恐ろしい小説である。
早い話がファンタジー小説を読んでいる読者に向かって
「ぜんぶ嘘なんだから」と告白しているのだ。
幻想とはあくまでも幻想であり虚構であり作為なのだ、と主張しているのだ。
余計な御世話もここに極まれり、である。
一旦これに気づいてしまうと以前のように物語を楽しめなくなってしまうかもしれない。

そして、おそらく、この作者はその先にあるものを見極めようとしているのだ。

私はそれほど数を読んでいるわけではないので同じ手法を用いたファンタジー小説は他にしらない。

エンデの果てしない物語が似ているだろうか。ファンタジエンは一度崩れ去り、再建される。
信ぜざる者コブナントも似ているかもしれない。あの主人公は最後まで
自分が異世界にいるとは信じようとせずにここは自分の夢だ幻だ妄想だと唱え続けた。

ともあれ、A君の戦争には注目である。
現在リアルタイムで進行しているファンタジー小説で唯一読む価値があると断言する。

今回長文を書いたのはこの作品が注目されにくいからだ。なにしろ作品全体の見かけが悪すぎる。
ファンタジーの中でも最下層とされる類のガジェットを全面に打ち出しているからである。

そして、その中で進行しているのがめったにない企てだというのがこれまた痛快なのである。
馬鹿にされ続けた、見かけの悪いものの中から新しいものを作り出そうとしているのだ。
これは強烈なカウンターアタックにしてストライクバックなのだ。

6 :名無しは無慈悲な夜の女王:04/02/11 22:09
A君(17)の戦争 4 かがやけるまぼろし 感想リンク

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