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ドラえもんの最終回を捏造するスレ

1 :名無し物書き@推敲中?:03/12/22 09:26
良作はコピペして広めてみましょ。

2 :名無し物書き@推敲中?:03/12/22 09:27
>>1がいなくなってから、なんだかスレががら〜んとしちゃったよ。

3 :名無し物書き@推敲中?:03/12/22 09:51
捏造イクナイ!

だから、このスレはやめとうこう、な?

4 :名無し物書き@推敲中?:03/12/22 11:32
最近、石原タンを見ないな……。

5 :名無し物書き@推敲中?:03/12/24 12:37
 

6 :名無し物書き@推敲中?:03/12/24 12:58
「ドラえもん、どうしたんだい、急に話があるなんて」
のび太はさっきまで読んでいたマンガを手にしたまま尋ねた。
ドラえもんは彼に背を向けて腕を組んで座っていた。彼がこういうポーズを取る時は、大抵のび太に説教を垂れる時だ。しかし、今回に限ってはのび太に心当たりはない。
「その様子じゃ、知らないようだね」
「何を?」
のび太は相変わらずアメリカのマンガのような間抜けな返事を返す。
「のび太くん・・・実は・・・」
その時、玄関の方面からいきなり大きな音がした。それと同時に、のび太のとってもっとも聞きたくない男の声がした。
「のび太!!いるか!!」
のび太はメガネまで真っ青になった。
「あわわわわわ、ジャ、ジャイアンだ!!ど、ど、どうしよう!!きっとまたなんか怒ってるんだ、ねえ、ドラえもん、助けてよ〜」
しかし、ジャイアンが来た理由を知っているドラえもんは何も言わなかった。
階段を力士が駆け上がるような音が響いて、そしてのび太の部屋のふすまが開いた。
いつもと違う顔のいじめっ子がそこにはいた。
「・・・ジャイアン?」
「のび太・・・出来杉が・・・死んだ」


7 :名無し物書き@推敲中?:03/12/24 13:17
「交通事故・・・か・・・」
スネ夫が空を見て言った。
いつもの空き地。永久に使われることの無い工事用の部品に腰掛けて、のび太たちは、虚無感に浮かんでいた。
「・・・あんまりだわ・・・急に、こんなこと・・・」
しずかが涙に震えて言った。みんな、悲しみに沈んでいた。そのなかで、もっとも動転しているように見えたのは・・・
「おい、のび太、大丈夫か?」
ジャイアンがのび太の肩を叩いた。のび太は死人のような顔でうなずいた。ひどい顔だった。もてる限りの絶望を背負ったような、これから泣く泣く人を殺しにいくような、そんな顔だった。
「しっかりしろよ!!おまえが・・・おまえがそんなんだと・・・俺たちは何を見て安心したらいいんだよ!!」
涙を溢れさせながら、ジャイアンが理不尽極まりないことを言う。
「たけしさん、そんな言い方・・・」
しずかはいつものくせで止めに入ったが、そこから先がどうしても言えなかった。
「のび太、本当に大丈夫か?」
スネ夫が言った。のび太の耳にまでは届かなかった。そこに響いていたのは、ついさっきのドラえもんからの一言だった。


「そんな・・・出来杉が・・・出来杉・・・」
床の上に大粒の涙を落とすのび太を目の前にして、ドラえもんはそのことを話すべきかどうか悩んでいた。しかし、言うなら今しかなかった。
「出来杉くんは・・・将来、外国の大学に入って・・・すごく勉強して・・・もっと大きくなったら、日本に帰ってくるはずだったんだ」


8 :名無し物書き@推敲中?:03/12/24 13:35
「なんだよそんなこと!!もう出来杉は死んじゃったんだぞ!!そんな未来はもう来ないんだ!!もう・・・もう・・・」
のび太が叫んだ。ドラえもんは何事も無いかのように続けた。
「出来杉くんは・・・工学部に進むはずだったんだ。そして・・・ロボットの研究をして・・・34歳のときに、画期的な・・・」
「ドラえもん!!いい加減にしろよ!!」
怒りに震えるのび太の前に、ドラえもんは一冊の雑誌のあるページを見せた。
「今から四十五年後に発売になる科学雑誌だよ。ごらん」
のび太は涙を拭き、そのページに載っている写真と説明文を見た。
「世界初の人間と同じ知能を持つ人間型ロボット 制作したのは月見ヶ丘工業大のロボット製作班、中心的役割を果たしたのは学長の出来杉・・・」
ずべしっ。
放り投げた。
「いい加減にしろよドラえもん!!出来杉は死んだんだ!!このロボットだって作られないよ!!」
その時、のび太は自分がたった今言ったことの意味に少し気付いた。
「ロボットが・・・作られない・・・?」
みるみるうちにのび太の顔は赤から青く変わっていった。
「ま・・・まさか・・・」
察したか。ドラえもんは大きく息を吸って言った。
「この出来杉くんの作ったロボットは、未来の歴史の教科書にも載ってる。このロボットによって、ロボットの研究は500年分一気に進んだんだ。出来杉くんの作ったロボットが、ね」
「じゃあ・・・」
「今、歴史が変わった。出来杉くんは未来から消えた。だからこのロボットは作れない。だからロボットの研究は進まない。そして・・・」
「・・・ドラえもんも・・・」
「ああ。生まれることはない」
夢から覚めたような顔をしているのび太に背を向けて、ドラえもんは言った。
「今すぐって事はないかもしれない。でも、近いうちに、僕も消える」

9 :名無し物書き@推敲中?:03/12/24 14:56
21えもんになるから無問題。

10 :魄鸚:03/12/24 22:52
「そんな・・・そんなことさせないぞ!皆行こう!」
「行こうって、何処へだよのび太。」
ジャイアンが力なく聞き返す。
「なに言っているんだよ!出来杉君を助けに行くんじゃないか!」
「そうか!そういう手があった。」
「今なら、まだ間に合うかもしれない。タイムマシンに乗って助けに
行くんだ!」
「そうね、のび太さんの言うとおりだわ。」
「こんな所でのんびりしている暇はないよ。早く僕んちに行こう!」
「よし!行くぞスネオ!」
こうして、のび太の家に着いた5人はタイムマシンに乗り込んだ。

11 :魄鸚:03/12/24 23:03
タイムマシンに乗り込んですぐにドラえもんの体に異変が始まった。
「すぐに引き返すんだのび太君!」
「どうして?ドラえもん?」
「僕の体が透けてきているんだ・・・」
「ドラちゃん・・・」
「でも、出来杉君を助ければ元に戻るんだろ!?」
「でも、僕が消えたら、このタイムマシンも消えちゃうんだ。」
「どうしてだよ。ドラえもん。」
「そうか!」
スネオが、真っ青な顔で叫んだ
「だって、ドラえもんが消えちゃうって事は、ドラえもんが持ってきた
このタイムマシンも僕らの手にない事になっちゃうんだよ。」
「ということはドラえもんが消えた時点でタイムマシンも消えちゃうのか!」
5人の乗ったタイムマシンは、まだ時空の狭間にいる。
「今すぐ元の時代に戻らないと、皆別の時間に取り残されちゃうんだ。」
ドラえもんの体はますます透けてきている。

12 :魄鸚:03/12/24 23:10
・・・・・・・・・・・・
「のび太ーご飯よー」
下から母親の呼ぶ声がする。
部屋の机の引き出しは、だだの引き出しに戻り
半分開かれていた。





13 :コングラッチレーション:03/12/24 23:28
エンディングの種類:ドラヤキUFO

貸してもらった道具の数:172 Items
アクションレベル:Hard
トリックレベル:Easy
殴られた回数:156
叱られた回数:32
泣いた回数:400
走った距離:74.8 km

しずかの入浴撮影:不成功

クリアタイム:4h 33m

スペシャル道具:使用

ランク:E

14 :スペシャルアイテム取得:03/12/24 23:33
無限タケコプター

15 :名無し物書き@推敲中?:03/12/25 00:21
>>6-12
すごくイイ!

16 :名無し物書き@推敲中?:03/12/25 04:06
>>6-8はよかったけど>>10-12で台無しにしてる

17 :名無し物書き@推敲中?:03/12/26 10:30
「おい、のび太はもう眠ったか?」
のび太の父、のび三は妻のたま子に小声で尋ねた。
「ええ」
たま子は微笑んで付け足した。
「大丈夫ですよ。危ないことに首を突っ込んでくる子じゃありません」
「そうか・・・では・・・よろしくお願いします、先生」
野比家の居間にのび太の両親と向かい合って座っていたのは、のび太たちの担任の教師だった。
「野比さん・・・では、今夜決行しますか?」
「ええ。時間が無い」
のび三の目を見据え、先生は息を抜くようにため息を鳴らした。時計は、深夜11時27分。
「危険が伴います」
わかり切ったことを、先生は事務的に言った。
「これ以上・・・」
のび三は二階に上がる階段の方をちらりと見て言った。
「これ以上あの子を騙すようなことは出来ません。今回のことで清算したいのです。親として」
「あなた・・・」
たま子が柔らかい声でそっと言った。先生は二人の顔を交互に見てから、持ってきた鞄の口を開けた。
「では、早速ですが参りましょう。私と、野比君のお父さん、お母さんの三人がいれば・・・」
「それと、僕」
いきなり居間のふすまが開いて、一人の少年が割って入ってきた。

18 :名無し物書き@推敲中?:03/12/26 10:46
「スネ夫くん・・・」
「骨川・・・」
乱入してきた人物をみて、大人たちは唖然とした。
「皆さん、水臭いじゃないですか。僕たちに黙ってこんなことを」
「しかし、スネ夫くん・・・危険すぎる」
「まあまあちょっと待ってくださいよ、のび太のお父さん。今回の行動にはさ、ある程度頭のいいメンバーも必要でしょ。僕は適役だと思うんですよ」
スネ夫はいつものようにナルシスト気味に前髪を掻き揚げて言った。
「あなたも、行くというの?」
たま子が不安げな声で言った。
「もちろん。僕にだってまあ使命感というか、責任があるんですよ」
スネ夫の言い分を苦々しい顔で聞いていた先生は、コホン、と咳払いをしてから、教師らしい厳格な声で言った。
「君の御両親には?」
「友達の家に泊まりに行くって言ってきました」
「そんな・・・こんな大事を・・・」
「いえ、いいんです。もうですね、覚悟なんかは出来てしまってるんですよ。気持ちの整理は、今日一日でつけました。後悔はするでしょうね。でもそれは今じゃないんです」
スネ夫はいつものチャラけた雰囲気を気取りながら、しっかりと言った。
大人たちは、しばらく黙り込んだ。
「・・・他の者はどうすると?」
先生が尋ねた。
「あとの二人は残るそうです。出来杉はジャイアンを、しずかちゃんはのび太を守るためにね」
「君は、残らなくていいのかね」
「僕には守るべきものなどありません。ただ一つ守りたいのは・・・あの青いネコ型ロボットだけです。だから、行きます」


19 :名無し物書き@推敲中?:03/12/26 11:01
「そうか」
先生は鞄から大きなライターを取り出した。
「先生!!」
のび三が慌てていった。
「彼にも来てもらいましょう。頭数が多い方がいい」
「しかし・・・これは我々の責任です。こんな子供を巻き込むなど・・・」
「ええ、そうです。我々は我々だけで行かなくてはいけないんです。そして、彼も行くんです」
スネ夫の顔を見ながら先生が言った。
「・・・そうね。そうと決まれば、早く出発しましょう。ドラちゃんが、待ってますから」
たま子が言った。
「ああ。急ごう」
のび三が賛同の意を示したことをみて、先生は鞄から出したライターに火をつけた。
「久しぶりだなあ。先生の四次元ライターを拝見するのは」
先生は腹式呼吸で息を吸い込むと、
「タイムマシーン!!」
と、ほんのすこしドラえもんの物まねをしながら叫んだ。するとライターの炎がゆらゆらと揺れ、巨大なかげろうが現れた。
そのかげろうは少しずつ形を変え、数瞬後、一人の少女の形となった。

20 :名無し物書き@推敲中?:03/12/26 11:24
「お呼びか、執事」
幼い外見とはあまりに不釣り合いな口調で、その少女が言った。
「行き先は、ドラえもんのいる時代、場所だ」
先生が命じると、少女は
「承知した」
と答えて、両手を胸の前で合わせて何事かを唱えた。すると、少女の腹部にブラックホールのようなあなが空いた。まるで、世界のすべての場所へと繋がっていて、しかもその行き先はいつも悲劇に溢れているような気にさせる、深くて黒い穴だった。
「僕が、先に行きます」
スネ夫はそういって真っ先にその穴へと身を投じていった。
「よし、行こう」
のび三はたま子の手を引いて立ち上がった。
「待ちくたびれてるだろうな、ドラえもん」
少女型タイムマシーンの前に立った時、のび三はふと思い出したように振り向いていった。
「なあ、僕たちはやっぱりあの子を騙してきたのかな?」
「さあ、どうでしょう」
たま子は軽く笑って言った。
「あの子ならきっと許してくれる・・・そう思ってたんじゃないですか?あなたも、わたしも・・・」
夫婦が時空トンネルに消えた後、先生はまだしばらく居間にたたずんでいた。
自分の生徒の名前と顔をひとりひとり、噛み締めるように思い出した。そして、最後にひとりの生徒を思い出した。
「野比・・・お前の結婚式、見たかったな・・・」
掌で自分の両頬を叩いてから、もう一言つぶやいた。
「もし自分が無事に帰ってこれて・・・そのときお前も、お前の将来の結婚相手も無事だったら・・・ちゃんと呼んでくれよ?」
「執事。お早く」
タイムマシーンにせかされて、先生は前へと足を踏み出した。



21 :名無し物書き@推敲中?:03/12/28 13:45


22 :名無し物書き@推敲中?:03/12/28 16:38
ttp://shibuya.cool.ne.jp/r62x/nobita.html
ttp://members.jcom.home.ne.jp/2116789401/giant.htm

それぞれ別の、ドラ小説。

23 :20の続き:03/12/29 13:44
「気は熟した、かな…」
ドラえもんの頭上に青い月が出ていた。
そこは荒原だった。自然界のものではなく、人間臭い荒原だった。コンクリートの破片の下で、なにか柔らかいものが潰れていた。
「のび太くん…」
こんな時でも月を見て思い出すのは零点の答案だった。まあ、もうおそらく見ることはないだろう。そんな事を思っていると、
「お兄ちゃん、ここにいたの?」
壊れたビルの後ろからドラミが顔を出した。
「こんなところにいつまでもいないで、部屋に戻りましょう」
秘密道具で地下に作った即席の空間が二人の現在の家だった。
「…戻りたいのなら、今からでも遅くないわ」
「いや、いい」
せめて、最後の別れぐらいはしたかったけど、と心の中で付け足して、ドラえもんは振り返って歩きだした。
準備は整った。後は彼らが来るのを待てばいい。大事な人の無事を祈りながら。


24 :20の続き:03/12/29 13:46
連れ立って壊れた町を歩いていた二人の前に、唐突に少女が一人現れた。
「お久しく」
少女は一言そう言った。
「やあ、タイムマシーン。みんな、もう来たんだね」
「いかにも。いまお目にかける」
そう言った途端、少女の腹部に白い光が溢れた。その光の中から真っ先に飛び出したのは…
「ス、スネ夫くん!!」
ドラえもんとドラミは目を丸くした。当の本人は何食わぬ顔で、
「なんだい、そんなに驚いて失礼だなあ。僕だって一応ね…」
そして続いて出てきたのは野火夫妻だった。
「ドラえもん…」
「のび太くんのパパ、ママ…すみません」
「いいのよ、ドラちゃん。私たちも、覚悟はしてきたんだから」
最後に先生が到着した。


25 :20の続き:03/12/29 13:47
「これで、駒は揃いました」
先生は冗談めかして言った。
「まあ、この駒で勝ちを取れるようなプレーヤーは、あまり多くはいないでしょうね」
「大丈夫ですよ、先生。この僕の頭脳があれば…」
「って、スネ夫くん、君まで、一体どうして!?」
ドラえもんがスネ夫に迫るようにして言った。
「まったくしつこいなあ、ドラえもんも。僕もちゃんと決心してきたんだよ。迷惑にはならないからさ」
「でも…」
「ま、そういうことだからさ。諦めてよ。いまさら戻れもないだろう?」
スネ夫は結局ドラえもんを強引に納得させた。
「執事、ご用は以上か」
タイムマシンが先生に尋ねた。
「ああ。ご苦労だった」
先生はポケットから四次元ライターを取り出すと、点火した。タイムマシンは徐々に少女の姿からかげろうへと消化していき、炎の中へ消えていった。


26 :20の続き:03/12/29 13:49
「スネ夫さん、大丈夫かしら…」
学校へ向かう途中、ランドセルを背負ったしずかが言った。
「心配しても始まらないよ。彼は彼の役目を果たしたいんだ」
しずかと並んで歩いていた出来杉が言った。
「でも、もうこれでドラちゃんだけじゃなくて、のび太さんのパパとママも、スネ夫さんも、先生もいなくなってしまったのね」
しずかは死人に話しかけるように言った。
「元気だしなよ。まだ何も始まっていないんだ。忘れないで、僕らがここに残った理由」
出来杉も眠れぬ夜を過ごしたことに変わりはないが、少し虚勢を張って言った。
「ええ、そうね。みんなにお願いされたものね。たけしさんに、ドラちゃんのガールフレンドのミーちゃんに、スネ夫さんのパパとママ、そして…のび太さん。みんなを守らなくちゃ」
「ああ。そうさ」
「しずかちゃーん!!」
背後からいつもの声がした。のび太はランドセルのふたも止めずにメガネを斜めにかけて走ってくるところだった。



27 :20の続き:03/12/29 13:51
「しずかちゃん、出来杉と一緒に学校にいくなんて〜」
のび太は偶然しずかに会えた嬉しさと、出来杉への嫉妬が入り交じった赤い顔をしていた。
「おはよう、のび太さん」
「のび太くん、今日は結構早いんだね」
「そうそう、二人とも聞いてよ。今朝目覚し時計が鳴って起こされてさ、こんな時計どうしてあるんだろうって思ってその時計の下にある紙を見たら、
パパとママが二人で旅行に行ってきますって書いてあるんだよ!!昨日までは何も言ってなかったのにさ、ひどいよ。
ドラえもんもちょっと未来に変えるって言ったきり戻ってこないし、全くみんな嫌になっちゃうよ」
のび太の愚痴に、しずかと出来杉は声を合わせて笑った。そして出来杉は、なんとかしずかと出来杉の間に割り込もうとしていたのび太に場所を譲った。
楽しそうに話しながら歩く二人の後ろ姿を見ながら、出来杉は心の中でしずかに呟いた。
「しずかちゃん、君たちは結婚する運命なんだよね。だから…最期の時まで、のび太くんのそばにいてあげてくれ」



28 :20の続き:03/12/31 17:46
「珍しいね、スネ夫が学校休みなんて」
「おまけに先生まで急な出張なんてね。俺、宿題してなかったけど助かったよ」
教室はそのような会話で溢れていた。しかし、いつもならその輪の中心になっている男子は、今日は机に座って思い悩むように外を眺めている。
(・・・おかしい・・・どう考えても・・・)
そんなことを思っている彼に最初に声をかけたのはしずかだった。
「たけしさん、なんだか元気無いみたいよ」
ジャイアンは彼女の方を振り向いた。
「なあ、しずかちゃん・・・変だと思わないかい?」
「なにが?たけしさん」
「だって・・・ドラえもんが急に未来に帰るって言っていなくなってから、もう五日目だぜ。しかも、何の連絡も無いし。おまけに、のび太のパパとママや先生まで何も言わずにいなくなっちゃったし。こりゃひょっとして、何か・・・」
「考え過ぎよ、たけしさん」
「やっぱり、そうかな?」
「ええ。心配しなくても大丈夫よ」
・・・おかしい。去りゆくしずかの後ろ姿を見ながら、ジャイアンは新たな不安要素を抱え込んでいた。あのしずかの反応にしては、あまりにそっけなくはないだろうか?ドラえもんのことなど、真っ先に心配しそうなのに・・・
重傷だ。しずかまでが何かを隠しているような気になってしまう。そうだ、のび太と話してみよう。何かわかるかもしれない。

29 :20の続き:04/01/16 10:17
ジャイアンが席を立った。その時だった。
凄まじいジェット音のようなものが聞こえた。教室中の目が窓の外を向いた。そこには、真っ直ぐに確かにこの学校の方へと飛んでくる、一機の円盤があった。
地獄のような騒ぎが起きた。他の生徒に比べるとジャイアンはまだ冷静に思考できた。なにしろ彼やのび太にとっては、あのようなものを見ることはそれほど珍しいことでもないのだ。
しかし、やはり、これは大変な状況ではないのだろうか、とジャイアンは考えた。今まで宇宙や異世界であんなものを見ることは飽きるほどあったが、こんな日常の中で、教室にUFOが現れたことなど始めてだ。
UFOは確実に近づいてくる。このままでは教室に激突することは間違い無いだろう。すでに多くの生徒が逃げ出した教室の中で、ジャイアンも出口へと向かった。
その目の端に飛び込んできたのは、逃げようとしてつまずいて転び、そのまま恐怖で立つことも出来なくなっている一人の生徒だった。
のび太だった。
まったく世話が焼ける。ジャイアンがのび太に手を貸そうと、彼のもとに走り寄った時だった。
強烈な、鼓膜を切り裂かれるような爆怪音が空気を揺らした。
窓の方を振り返ると、視界のほとんどを円盤が占めていた。

30 :20の続き:04/01/16 10:28
その時まだ教室にいた者の中には、しずかと出来杉の姿もあった。
「しずかちゃん、君はみんなと逃げて」
「だめよ!!出来杉さん一人で戦うなんて」
「大丈夫だよ。敵はおそらく今日は偵察のつもりだろう。僕一人でも十分面倒見れる」
「でも・・・」
「そして君はいかなくちゃいけない。僕がここで戦っている間に、みんなの安全を確保できるのは君だけなんだ。そして、なにより、」
出来杉はランドセルを開きながら言った。
「君はのび太君を守らないといけない」
「・・・」
「君は自分の未来を守らないといけない。たとえそれを見る望みが絶たれても」
「出来杉さん・・・」
「あいにく僕は、自分の未来が好きじゃなくてね」
出来杉はランドセルの中から、一本のフライ返しを取り出した。
「勝てるさ」
しずかと自分にそう言い聞かせて、出来杉は今まさに校舎の壁に突っ込もうとしている円盤の方を向いた。
一秒後。宇宙が壊れたかのような破滅的な音と衝撃波と振動と瓦礫片が小さな教室を包み込んだ。


31 :20の続き:04/01/16 10:39
視界が、光が、世界が、遮られた。
出来杉は半分壊れた教室の淵で、フライ返しを構えてなんとか立ちこらえていた。
さすがに耳はしばらく使い物にならない。しかしそれは前以って予測できたことだ。
薄暗く、深い闇の奥を出来杉はじっと目を凝らして見据えた。
動いた、だろうか?いや、違う。あれはただの瓦礫だ。
特攻した直後に不意打ちを食らわせてくるかと思ったが、案外フェアな敵らしい。
空気がある程度澄んできたので、出来杉は深呼吸をした。
「しずかちゃん・・・もう、のび太くんとジャイアンを連れて逃げてるよな?」
出来杉は呟くと、一秒前に視界の奥で動いた人影に向かって飛び掛かって言った。
フライ返しの先が、硬いものに当たった。
瞬時に身を引く。跳び降りた床がいやな感じにきしんだ。
一頭身ほどの間合いの先で剣を構えていたのは、出来杉の半分ぐらいの身長の、二歩足でたった、犬だった。

32 :20の続き:04/01/16 10:53
犬は、開いているのか閉じているかわからないような目で、出来杉を見据えていた。
辺りに仲間が潜んでいる気配はない。口をあけて何か言ったような気がしたが、聴覚の麻痺している出来杉には聞こえなかった。
数間隙後。さっきのお返しとばかりに、犬が出来杉に飛び掛かってきた。
速い。速すぎる。寝ぼけた老犬のような外見からそのスピードを予測することは、人間心理的に不可能だろう。
出来杉はフライ返しを翻して攻撃を逸らせるので精一杯だった。そして反撃に転じようとした時、剣の刃先がありえない方向から向かってきた。
野郎、いつのまに、そんなところに。
そう思った時には、すでに出来杉の左肩から血しぶきが上がっていた。
相手の動きをなんとか目で捕捉し、その影にフライ返しを振り下ろす。届かなかった。
敵は瓦礫の山の向こうへと姿を消した。余裕など見せず、堅実に様子を見ようと考えたらしい。
「・・・」
出来杉は、自分の舌打ちを聞いた。
なんてこった。誤算だった。ただの偵察だろうなんて甘すぎる考えだった。
奴等は、そんな無駄なことはせず、早くも、直接潰しに来やがった。

33 :名無し物書き@推敲中?:04/02/26 15:45
age

34 :名無し物書き@推敲中?:04/02/26 19:10
実は以前からブックマークして毎日チェックしていたりする。
作者さん帰って来てー。

35 :名無し物書き@推敲中?:04/02/27 05:00
どらえもんの性格全くちがうやんw
口調が変わりすぎだぞ。
男らしいどらえもんってかんじだよね

36 :よし、続きだ:04/03/08 14:50
「ねえしずかちゃん、いくらなんでももう大丈夫じゃない?」
息を切らせたのび太が、途切れ途切れながらもそのような意味の事を言った。
「駄目よ。いいから私についてきて。もっと遠く・・・私の家まで逃げましょう」
「ええ!!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよしずかちゃん、いくらなんでもそれは逃げすぎじゃないか?」
のび太の手を引いて走るしずかの後を走ってついてきたジャイアンは、驚いて言った。
三人は、今、学校を飛び出して街中を走っている。路行く人が、小学生が平日の昼間から何をしているのかという目でじろじろと三人を見ている。
「学校飛び出しちゃったのだってまずいしさ・・・」
「そうだよ、みんな、校庭に集まってるんだしさ」
しずかは、のび太の顔を振り向きもしないで言った。
「だめよ。あなた達二人は、あそこにいては駄目」
「・・・しずかちゃん、一体どうしちゃったの?」
「そうだぜ。なんだか様子がおかしいぜ」
のび太とジャイアンの驚きが、不信へと変わっていった。

37 :よし、続きだ:04/03/08 15:01
「いいから!今は私と一緒に逃げて!話はあとよ!」
しずかは、今までのび太が知らなかった声で言った。
「し・・・ずか・・・ちゃん」
のび太の中に、恐怖という感情すらもくすぶり始めた。
「少しは説明してくれないかよ、しずかちゃん」
ジャイアンすらも息を切らしかけている。
「だから、あとで」
しずかは答えながらも、全くペースを落とさずに走り続ける。のび太の体力は限界点をとっくに超えていて、しずかの手に人形のようにぶら下がって引っ張られるだけになっている。
「ド・・・ラえ・・・も・・・ん」
朦朧としてきた意識の中で、のび太は、ほとんどうわ言のように友の名を口にした。
突如、それを聞いたしずかが、急ブレーキをかけて路の真ん中に止まった。
のび太は地面につんのめり、今まで奇跡的に落ちなかった眼鏡をアスファルトに落として割った。
ジャイアンも急には止まれず、盛大に転ぶ羽目になった。
「どうしたんだよ、急に」
口も利けないのび太に代わり、ジャイアンが抗議した。
「ねえ、二人とも、まだ、ドラちゃんが帰ってくるって思ってるの?」
しずかはうつむいてそう言った。

38 :よし、続きだ:04/03/08 15:10
「・・・それはどういう・・・」
「どういう意味なの、それは!!」
ジャイアンの声を遮って、のび太が叫んだ。
さっきまでほとんど気絶したようになっていたのび太は、傷だらけの顔を上げ、しずかを、
睨み付けた。
しずかはのび太を見下ろす。二人の視線は、殺伐と交わった。
「・・・いいわ。ここで説明するわ」
しずかはのび太から目をそらせて言った。その時だった。
「まだ説明していなかったのかい、そんな大事な事を」
突然、ジャイアンのものでもない、第三者の声がした。それはしずかの背後からだった。
しずかは咄嗟にふりむく。一人の男が立っていた。
シルクハットにタキシード、そして白手袋にステッキという、冗談のような格好で。
「なんですか?」
しずかは男と対峙した。敵であることには間違いなさそうだった。


39 :よし、続きだ:04/03/08 15:19
「あなたは・・・」
しずかの声は遮られた。
「おじさん!!おじさんは知ってるの、ドラえもんの事?だったら教えてよ!!ドラえもんは帰ってくるの?」
のび太は地面に這いつくばったまま、男に向かって叫んだ。その姿は、吠え盛る犬のようにしか見えなかった。
「のび太さん・・・」
「ねえ、おじさんは知ってるんでしょう!!ドラえもんが今どこにいるのか!!なんで急にいなくなったのか!!だったら教えてよ!!僕に教えてよ!!」
男はその様子を、さも滑稽なように見ていた。シルクハットの下に見えるその顔は、まさに英国紳士のような立派な口髭をたくわえていた。が、外人の顔ではなかった。
「よろしい。教えてやろう」
男はステッキを振り上げた。
「ただし、あの世でな」
「やめて!!」
しずかは叫ぶと、男の前に割って入り、のび太の前に立ちはだかった。
男は振り上げたステッキを、
黙ってそのまま下ろした。
「冗談だよ」

40 :よし、続きだ:04/03/08 15:28
男は笑った。
「彼は一番後回しでもいいくらいなんだ。むしろ先に君を始末したい」
しずかは深呼吸した。
「まあ、そうでしょうね」
「しかし、私は仕事は楽なものから済ませるのがモットーでね。君はできるだけ後にしたい」
男は言った。
「どういうことですか?」
「ターゲットの中には、のび太君よりもさらに楽に仕留められる奴もいるからね。例えば・・・」
男はそういうと、側の家の赤い屋根の上に目をやった。
「まさか・・・」
「ああ。人よりは猫の方が殺しやすいからね」
「そんなこと・・・」
しずかは男に向かっていった。男はステッキを、しずかの足元に振り下ろした。
「ああう・・・!!」
しずかは悲鳴を上げて転倒した。

41 :よし、続きだ:04/03/08 15:39
「しずかちゃん!!」
のび太とジャイアンが同時に叫んだ。
背中を強く打ち、顔をしかめるしずかを男は笑って見下ろした。
「さっき言ったように、君は最後にとっておく。しかしほかのターゲットを消している間に、君に邪魔に入られたんでは困る。そこで、君には自由に動けないようになってもらう」
「おい、しずかちゃん、大丈夫か?」
ジャイアンがしずかに駆け寄った。しずかの足首は両足とも砕かれていた。
男はジャイアンに向かって言った。
「おい、ブタゴリラ」
「なにい!!」
ジャイアンは怒りに震え立ち上がった。
「彼女を病院に運んでやれ。退院するまでには、あらかたの仕事を済ませておく」
「てめえなにわけわかんねえこと・・・」
「じゃあな」
怒れるジャイアンを無視し、男は身を翻して跳び上がった。あっという間に塀の上に、そしてそこから民家の屋根の上に。
「・・・ちょっと」
しずかが口を開いた。
「ここにいる二人に手を出したら、本当に許さないわよ。一生病院から出られなくしてやるわ」
「ふん」
男は屋根の上を走って消えていった。

42 :よし、続きだ:04/03/08 15:49
「二人とも、ごめんなさい・・・」
しずかは空を見ながら言った。
「油断しちゃった」
誤算だった。偵察なんかじゃなかったんだ。
「なあ、しずかちゃん・・・俺にはさあ、なにがなんだかさっぱりわからないんだけど・・・なあ、のび太」
ジャイアンがそう言った時、のび太はどこかに向かって歩き出そうとしていた。
「ちょっと待てって!!」
ジャイアンは慌てて彼を止めた。
「どこへ行く気だ!!」
「あのおじさん・・・」
のび太は言う。
「ドラえもんのこと、知ってたんだ・・・今あいつが何をしているのか・・・」
「聞きにいこうってのか?バカ!!何考えてんだよ!!」
のび太は叫んだ。
「でも知りたいんだ!!どうしても!!・・・何があっても、教えてもらう」
「でも、のび太、お前さあ・・・眼鏡壊れたら、前見えないじゃん」
のび太は唇を噛んだ。路上には眼鏡の残骸が潰れている。
「じゃあさ・・・」
のび太はジャイアンに頭突きして言った。
「ジャイアンが僕の目になってよ!!ジャイアンが僕を連れて行ってよ!!」


43 :よし、続きだ:04/03/08 15:55
「あのなあ、何で俺が・・・」
ジャイアンはそこでふと、ある事を思い出した。
「なあ、しずかちゃん」
道路に仰向けに倒れているしずかに話しかけた。
「さっきの変なやつ、なんかこれから誰かを殺しに行くみたいなこといってたけど・・・」
しずかは淡々と答えた。
「ええ、そうよ」
「誰だよ。一体誰が殺されるんだよ」
ジャイアンは問い詰めた。
「ミーちゃん」
「へ?」
ジャイアンは素っ頓狂な声を出した。
「ミーちゃんって・・・」
「ああ、あの子だ」
のび太が口を開いた。
「ドラえもんのガールフレンドの、猫のミーちゃん」


44 :よし、続きだ:04/03/08 16:04
「あのおっさん、タキシード着て、ステッキで猫を殺しに行ったのかよ・・・」
それはもう犯罪者というより変質者の部類ではないだろうか。
「・・・僕が助ける」
突然、のび太が言った。
「のび太さん、助けるって・・・」
しずかが不安そうに言った。
「ドラえもんのガールフレンドのミーちゃんを死なせたりしたら、ドラえもんに怒られちゃうよ。助けに行く」
「ちょっと待てよ!!助けるって、あのおっさんと戦うってことじゃねえか!!」
「ああ。あいつをやっつける」
「のび太さん!!」
今度はしずかが叫んだ。
「無茶よ、止めて!!私は今、あなたを守ることだけを考えているの、それで精一杯なのよ!!自分から怪我しに行くような事しないで!!」
「しずかちゃん・・・僕には君が何を言ってんだかさっぱりわかんないけど・・・」
のび太は小さな声で言った。
「実は僕、今、アレを持ってるんだ」

45 :よし、続きだ:04/03/09 20:00
もし読んでる人いたら感想教えて。

46 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 22:08
昨日初めてみたけど、なかなか面白い。
しずかちゃんカコ(・∀・)イイ!
続ききぼん。楽しみにしてるよ。

47 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 22:47
密かに楽しみにしてました。面白いっす。
もちろんマイペースでいいので、続き出来たらまた読ませておくれぃ。

48 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/11 02:16
よし、続きださん待つ間に乱入してもOK?

49 :よし、続きだ:04/03/11 08:02
自分一人でこのスレ続けるのもなんなんで、他の人も話とか思いついたら書いて。
それはそうと、そろそろちゃんとしたハンドルつけないとなw

50 :名無し物書き@推敲中?:04/03/11 21:41
>>48
おぉ、良いぞ。
楽しみだな。


51 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:14
>>49>>50
サンキュです。ではお言葉に甘えて。

52 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:16
子供の頃、僕の隣りにはいつも青いロボットがいた。名前はドラえもん。
ドラ焼きが好きで、ネズミが嫌いで、耳がない、つるつる頭のネコ型ロボット。
ある日突然未来からやってきて、「君の未来を変えるために来た」なんて言う、むちゃくちゃな奴だった。
それから、僕の生活は一変した。
毎日が刺激に満ち溢れた宝物のような日々。
まるでおもちゃ箱をひっくりかえしたみたいな毎日。
あの時の僕は、このまま一生お祭騒ぎが続くと思っていた。
いつか僕が大人になってしまっても、それでも僕の横にはドラえもんがいて、
ジャイアンに泣かされて、スネ夫の自慢に悔しい思いをして、しずかちゃんに憧れて……。
永遠のものなど、この世にある訳はない。そんな事も分からない程、あの頃の僕はまだ子供だった。

53 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:16
ディスプレイに映し出された新聞記事を見て、ドラミは思わず声を漏らした。
「ウソ…どうして!?」
もう一度、マジマジと画面を見つめる。年月日、場所、名前、間違いはない。
最初に見た時と全く同じものがそこには記されていた。
「大変! 早くお兄ちゃんに知らせなくっちゃ!」
ドラミは真っ青になると、大急ぎでのび太の子孫にあたるセワシに連絡をとった。

54 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:17
その日、僕は自分の部屋で仰向けに寝転び、ダラダラと漫画を読んでいた。
ドラえもんが隣りで何か小言を言っていたけど、僕にとってはそれさえも日常だった。
「ちょっとのび太君、僕の話聞いてる?」
「はいはい、聞いてますよー。宿題なら後でちゃんとするから」
「だから、もー、全然聞いてないじゃないか。僕は今宿題の話をしてるんじゃなくて」
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい」
と、ママの返事が一階から聞こえる。
ガタガタとふすまが開き、廊下を歩く足音が僕の部屋まで響いてくる。
僕は何の気なしに、漫画に目をやりながら、一階の物音に耳を傾けていた。
ドラえもんの小言に重なって、ママと訪問者のくぐもったやりとりが僅かに聞こえてくる。
宅急便にしては随分長いので、誰か近所の人でも訪ねて来たのだろうと、意識をそらした瞬間、
「いないって言ってるでしょ! どうぞお引き取りください!!」
突然、ママの怒鳴り声が聞こえてきた。
僕とドラえもんは驚いて、顔を見合わせる。

55 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:18
「出てって! そんなモノ家にはいません!!」
僕達は、恐る恐る部屋のふすまを開くと、階下を覗き込んだ。
「どうしたの? ママ? 大丈夫?」
瞬間、どたどたと慌しい足音が廊下を踏み鳴らした。
「おい!いたぞ!こっちだ!」
ママの金切り声がそれに重なる。
呆気にとられ固まっている僕達の目に、白い服の大人達が写った。
僕達はえも言えぬ恐怖を感じ、部屋の中に引っ込む。
彼らは派手な音を立て階段を駆け上ってくると、何の遠慮もなく僕の部屋に入ってきた。
「ぼうや、もう大丈夫だ。安心していい」
安心?一体何の事だ?
訳もわからず、うろたえている僕を庇うように、ドラえもんは一歩前へ出る。
「ちょ、ちょっと、一体何なんですか? 一体誰なんですか? あなた達は」
その瞬間、大人達の口から、驚きと好奇心がどっと溢れ出した。
「マジかよ」
「これがロボット?」
「まるで生きてるみたいだ」
それを聞いて、ますます僕達は混乱した。何を言っているんだこの人達は?
と、一番最初に僕に話しかけた男が、ドラえもんを指差すと静かに言った。
「連れて行け」
「え!?」
僕とドラえもんはほとんど同時に叫んだ。

56 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:35
男の背後から更に何人もの大人達が現れ、ドラえもんを抱きかかえ、連れ去ろうとする。
「わ! な、何するんだ! きみ達は! の、のび太くん助けて!」
「ドラえもん!」
思わずドラえもんに手を伸ばそうとするが、僕自身羽交い絞めにされているせいで身動きがとれない。
「放せ! このやろ! ドラえもんをどこに連れてくつもりだ!」
無茶苦茶に暴れるが、僕とドラえもんとの距離はどんどん離れるばかり。
「やめろ! そんなトコさわるな! 何するんだ! のび太くーん!!」
「ドラえもーん!!」
伸ばした手は、結局届かなかった。
僕もドラえもんも突然降って湧いた驚きと恐怖で混乱していた。顔も、鼻水と涙でぐちゃぐちゃだった。
僕達は抱えられ、無理やり玄関まで連れて行かれた。
「何だよ! 一体何なんだよ!」
「ノビちゃん!」
僕はそこで解放され、泣いているママに抱き締められた。
ドラえもんは、玄関の外に光る無神経なフラッシュに晒されながら、大きな黒い車に押し込められた。

57 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:39
僕達は一階の居間にいた。
その日の夕方のニュースには、全て僕の家が映し出され、
どのチャンネルにあわせても、どこの局に変えても、見慣れた我が家の外観ばかりだった。
たまに、車に運び込まれるドラえもんの映像が映るくらい。
テロップには「宇宙人?ロボット?謎の生物捕獲!」と書かれている。
「おい、のび太! 一体どういう事だよ! 説明しろよ!」
「そうだぞ、のび太!」
「お願い、のび太さん黙ってちゃ分からないわ」
今日の騒ぎを聞きつけた、ジャイアンとスネ夫としずかちゃんが僕の家に訪れたのは、
ドラえもんを乗せた車が走り去って、すぐの事だった。パパもそのすぐ後に家に飛んで帰ってきた。
「僕にも、全然わかんないんだよ……」
抱えた膝に顔を伏せたまま応えた。
「わかんないじゃねーだろ!」
ジャイアンが僕の胸ぐらを掴み、拳を振り上げる。その時、手にお盆を持ったママが居間に入って来た。
パパは、帰ってきてからずっと電話の相手をしている。
「みんな、ごめんね。ドラちゃんがこんな事になって」
と、お菓子とジュースを机に並べる。が、その途中でママの手が止まった。
見ると、四人しか居ないのに、お盆の上には五人分用意があった。
皆、一斉に下を向く。
「やだ、私ったら。つい……。の、のびちゃん、ママお台所にいるから用があったら呼んでちょうだい」
そう言ったママの声は涙声だった。ママも辛いんだ。
誰もが意気消沈していた。重苦しい空気が部屋を占拠している。
「なあ、のび太。落ち込んでてもしょうがない。皆でドラえもん助けようぜ!」
ジャイアンが、拳を振り上げ立ち上がる。


58 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:40
「でも、どうやって?」
スネ夫が暗い顔で言うと、ジャイアンはその頭をボカリッと殴った。
「イッタ〜!」
「馬鹿やろう! だからそれを今から皆で考えるんじゃねーか!」
「何も殴る事ないだろ、ジャイアン!」
「でも、助けるって言っても、ドラちゃんを連れて行った人達って偉い人達なんでしょ?」
ドラえもんが連れ去られた後、ママは僕に言った。
あの人達は、政府の偉い人の命令で、ドラえもんを連れに来たんだと。
ドラえもんは重要な研究材料で、ドラえもんを調べる事により、今後の科学は飛躍的に進歩するのだと。
そして僕達はそれに協力する義務があると……。
「けっ、なーにが偉いだ! 殿様だろうが酋長だろうが、俺がけちょんけちょんにやっつけてやるよ!」
「……だよ」
「え?」
顔を伏せていたから聞こえなかっただろう。僕はもう一度繰り返した。
「そんなの無理だよ。ドラえもん連れてったのって、科学者とか軍隊とか、そういう凄い人達なんだよ」
「ふんッ! 科学者だろうが軍隊だろうが俺にかかればイチコロよ!」
「そんなの出来るわけないじゃないか!」
僕は怒鳴った。ジャイアンが悪い訳じゃないけど、猛烈に腹が立っていた。
「僕のこと捕まえた人すっごい強そうだった! ドラえもんだって軽々抱えるんだ!
それに、肝心のドラえもんがいないんだよ! 道具だってない! それなのにどうやって助けられるって言うのさ!
ただの小学生の僕達に一体何が出来るっていうのさ!!」
自分が許せなかった。その場にいたのに、ドラえもんを助けられなかった自分が。
悔しくて悲しくて、泣けた。
「……のび太さん」
また部屋に沈黙が訪れた。

59 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 01:57
眠いので、続きは明日(゚∀゚)

60 :名無し物書き@推敲中?:04/03/12 03:17
おもろかった。
続き楽しみにしてるよ(・∀・)

61 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 22:54
コツ、コツ、コツ。
不意に、居間の窓が叩かれた。
コツ、コツ、コツ。
もう一度。僕達四人の視線が一点に集まる。
マスコミの人が庭にまで入ってきているのか? ふざけるな! ここは僕達の家なんだぞ!
僕は、怒りにまかせカーテンを引っ張った。
「やっ! お久し振り」
「き、君は!」
窓の外に立っていたのは、なんと僕にドラえもんを与えてくれた、僕の玄孫、セワシだった。
「ここ、開けてもらってもいい?」
「も、もちろん!」
急いで窓の鍵を開けると、セワシが窓枠を乗り越えて入って来た。
「よいしょっと」
セワシが入るのを確認すると、僕は窓の鍵を締め再びカーテンを引いた。
「にしても、大変な事になっちゃったね。ここの外もマスコミで一杯だったよ」
「マスコミでいっぱいって! それじゃあ、君も写真とか」
「大丈夫。僕はこう見えてもおじいちゃんの子孫なんだよ」
そう言うと、セワシは懐からタンマウオッチと、なんと四次元ポケットを取り出し、ニッコリ微笑んだ。
袖を引っ張られ振り返ると、しずかちゃんが僕の袖を掴んでいた。他の二人も不思議そうにセワシを見ている。
「のび太さん、この子一体?」
それを聞き、セワシはぴょこんと立ち上がった。
「やーやー、改めまして。僕はのび太さんの子孫のセワシです。出身は22世紀」
「22世紀!?」
三人は顔を見合わせる。
「それじゃ、ドラえもんは君が?」とスネ夫。

62 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 22:56
「そ、僕が、おじいちゃんに貸したのさ。ね?」
セワシが小首を傾げ、同意を求める。
「なんだよ。なんでのび太なんだよ。のび太なんかより俺に貸してくれた方が、ずーっと」
「そんな事より!」
僕はジャイアンの言葉を遮り、セワシの肩を掴んだ。
今は自己紹介なんかしてる場合じゃない。それよりももっと大事な事がある。
「そのドラえもんが、捕まっちゃったんだ。このままじゃドラえもんバラバラにされちゃうよ!」
セワシは肩におかれた僕の手に、自分の手を重ねると、
「大丈夫。僕はその為に来たんだよ」
ニッコリ笑った。
「その為って……、じゃあ、セワシさんは、今日、ドラちゃんが連れて行かれちゃうって事を、あらかじめ知ってたの?」
しずかちゃんの質問に、セワシは首をふる。
「いや、僕だって今日の今日まで知らなかったんだ。
ドラミちゃんが図書館でこの事件の記事を見つけて、それで僕に連絡をくれて初めて知ったんだ」
「ってことは」
「何かのきっかけで、時間軸がずれてたのかもしれない。
僕がおじいちゃんにドラえもんを貸した時点では、こんな事件は起こらないはずだった。
つまり、僕がドラえもんを20世紀に連れてきて以降、この時代に対して、何か別の接触が未来から行なわれたみたいなんだ」
「一体、それは?」とスネ夫。
「それは僕にも分からない。ただ少なくとも、その僕達以外の誰かがこの時代に関わったせいで、
僕が知っていたはずの過去が変わってしまったんだ。これじゃタイムパトロールが黙っていないぞ」

63 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 22:57
「おい、のび太」
ジャイアンが、小声で僕を呼ぶ。
「何?」
「お前、こいつの言ってる意味分かるか?」
「うーん……」
正直、セワシの言っている内容はちんぷんかんぷんだった。
ジャイアンは一息吐くと、「つまりあれだ」と言った。
「何にせよ、とにかく、さっさとドラえもん助けなきゃヤベェって事だろ?」
「ジャイアンってホント、ば……いやいや能天気だね」
「あんだとコラー? それは俺が馬鹿だって事か? スネ夫!」
「人がせっかく言い換えてやったってのに、なんでわざわざ自分で言うの?」
「聞こえたぞ! こいつ…後でギッタンギッタンのメッタンメッタンにしてやるからな!」
「んもう、二人共、やめてよ。今はドラちゃんの事でそれどころじゃないでしょ」
セワシが来た事で、僕達はじゃれ合える程まで余裕が出来ていた。
僕もその光景を見て笑った。自分達だけでは無力だが、セワシが来てくれたお陰で百人力だ。
道具もある。大丈夫、ドラえもんは絶対に助けられる。
そう思った時、ふいにセワシが寄って来た。
「おじいちゃん、さっき僕が言った事なんだけど意味わかった?」
「うーん、それが……全然」
「全然………」
セワシの顔が少し翳ったような気がした。僕は慌てて続けた。
「でも、ドラえもんを早く助けないといけないのは分かったよ。
早く助けないとセワシが知ってる過去がもっと変わるかもしれないんでしょ?」
するとセワシは急に真顔になり、「それだけじゃないんだよ」と言った。
そして、僕の目を真っ直ぐ見つめ、
「それを阻止する為に、僕は皆の記憶を消して、ドラえもんを連れて22世紀へ帰らなきゃいけない」

64 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 22:58
セワシが言うには、規則なんだそうだ。
タイムトラベルによって、未来の科学が個人の枠を越えて世間に広まってしまった場合、
その時代への干渉は一切なかった事にしなければならないらしい。
そして、タイムパトロールの調査を受けるため、その時空間を一定期間閉じてしまう。
もちろん、当時の僕には何がなんだか分からない説明ではあったが、
少なくとも、ドラえもんと離れなければいけない事だけは理解出来た。
そして、それは僕にも、ドラえもんにもどうすることも出来ないのだと言う事も……。

65 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:04
ドラえもんの救出は、拍子抜けする程簡単だった。
セワシは持参して四次元ポケットに手を突っ込むと、どこでもドアを取り出した。
そして、ドアを開けると、もうそこにはドラえもんがいた。
身動き一つなく転がされているドラえもんは、あまりに痛々しかった。
しずかちゃんが息をのむ。
「ど、ドラえもん、死んでるの?」
スネ夫がくだらない事を言う。
「大丈夫だよ。ドラえもんの機能は僕が止めたんだ」とセワシ。
「この時代の人に、22世紀のオーバーテクノロジーを解明されると、それこそ大変な事になっちゃうからね。
そんな事より、急ごう!」
僕達はスーパー手袋をはめ、ドラえもんを家の中に運んだ。後はどこでもドアをしまい完了。
なんとも、あっけない。これが22世紀と20世紀の差なのか。
「おい、のび太。ドラえもん動かしてやれよ」
ジャイアンは嬉しそうに、ドラえもんの顔を見ていた。
「そうだぞ、おばさん達にも早く知らせてあげないと」
「さ、のび太さん」
他の二人も嬉々としていた。皆の視線が僕に集まる。僕はセワシを見る。
今頃、ドラえもんが捕らえられていた研究所は大騒ぎだろう。
どこでもドアで助け出したシーンは、監視カメラによって、全てビデオに残されているはずだ。
ドラえもんを取り返しに、すぐにでも研究所の人々がここにやってくるだろう。
僕は意を決して、ドラえもんの尻尾を引っ張った。
1、2、3、4、5、6、7、8、9………。待ってる時間が永遠にも感じた。
「ふわぁぁぁぁ、よく寝た」
それがドラえもんの第一声だった。僕達は一斉にドラえもんに飛びついた。

66 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:07
「わっわわわ、危ない」
「ドラえもーん!」
「の、のび太君!」
「よかった、無事で」
「心配かけやがって」
「スネ夫、ジャイアン……」
「よかったわ、ドラちゃん」
「しずかちゃんまで」
皆、泣いていた。ドラえもんも、自分がどうなったのか思い出したようで、
「ぼ、僕、助かったんだね。よかった。本当に皆とまた会えてよかった」
と、泣いた。そして、
「ドラえもん」
聞きなれない声に呼ばれ、ドラえもんは顔を上げた。
「セワシ君!?」
そこにいるはずのない人物を見て、ドラえもんは目をむいた。
「久し振りだね」
「どうしたの? 急に!!」
「ドラミちゃんがね、今日の事件の記事を見つけてくれて、代わりに助けにきたんだよ」
「代わりに?」
「だって、もしドラミちゃんが来て、奴らに見つかったら、もっとややこしい事になっちゃうからね」
すると、ドラえもんは、
「そっか、そうだね。ありがとうセワシ君。ドラミにもまた今度ありがとうって言っとかないと」
と、セワシの手を取り何度も頷いた。しかし、セワシの口から意外な言葉が漏れる。
「その必要はないよ」
その時、遠くからパトカーのサイレンが聞こえた。それも、何台も。皆の体が敏感に反応する。

67 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:10
「必要ない? それってどう言うこと?」
「ドラえもんはこれから僕と帰るんだ。22世紀に」
ドラえもんは呆然と立ち尽くす。他の三人も一瞬沈黙したが、すぐに口々に批難を述べた。僕はただ黙っていた。
「なんでだよ! いきなり何、訳わかんねー事言ってんだよ!」
「そうよ、分かるように説明して。セワシさん!」
「は、ははッ、さすがのび太の子孫だね。冗談にもセンスってもんがないや」
セワシは何も言わなかったが、
「ねえ、セワシ君? ウソ、嘘だよね?」
「嘘……じゃないよ」と、ドラえもんの問にだけポツリと呟いた。
ドラえもんの顔が見る見る真っ赤になる。
「い、嫌だ! そんなの嫌だよ! 僕は帰らないぞ! 僕はまだここにいるんだ!
のび太君たちとまだ一緒にいたいんだ! だって君が望んだんだろ! そんなの勝手だ! 横暴だよ!」
僕は、なんだか遠い世界の話を聞いてるみたいな感じだった。
あれだけ迷惑かけたのに、どうしてドラえもんは僕と一緒にいたいと思ってくれるんだろう。
むしろ僕の方が、ずっとずっと−−。えも知れぬ感情が込み上げる。
「ばかやろう!!」
気が付くと、僕はドラえもんの頬を叩いていた。コンクリートの壁を叩いた時と同じ硬さだった。
ジンジンする手は痛かったが、それより、心臓の辺りのがもっと痛かった。
「僕だって嫌だよ! ドラえもんと離れるなんて絶対に嫌だよ!
でも、ここにいたって、ドラえもんは今までみたいな普通の生活はできないんだよ!
僕はそんなの嫌だ! 僕にとってドラえもんはロボットなんかじゃない! 友達なんだよ! 家族なんだよ!!」
何時の間にかみんな泣いていた。気付いたら僕も泣いていた。
「のび太君……」
部屋には、サイレンの音だけが響いていた。

68 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:12
「さ、もう時間がない」呟くとセワシ君は、四次元ポケットからもしもボックスを取り出した。
サイレンの音はもう、家の近くの曲がり角まで来ていた。
「待って、セワシ。それは……僕がかけるよ」
家の前で車が止まった。乱暴に開閉されるドア。チャイム。
僕はセワシの顔を見つめていた。
「わかった、これはおじいちゃんにまかせるよ。もしもボックスはドラえもんがいなくなると同時に勝手に消えるから」
玄関から廊下へと、乱雑な足音が近付く。と同時に、机の引出しが開き、ドラミちゃんが顔をだした。
「セワシさん、お兄ちゃん早く!」
「ドラミ!」
セワシに手を引かれたドラえもんが、僕を見る。
「のび太君……」
「ドラえもん、今までありがとう。大丈夫。僕だって男なんだ。これからは一人で大丈夫だよ。だから心配しないで」
僕は笑った。一人でも大丈夫。最後くらい僕に君を守らせてよ。
大人達が一斉に階段を上ってくる音が聞こえた。
「よーし、ここはいっちょ任しとけ! 行くぞスネ夫!」
そう言うと、ジャイアンはスネ夫の首根っこをひっつかまえ、廊下へと踊り出た。
「ちょ、ちょっと! そんな! まだ心の準備が!」
そして、階段を上ってくる大人目掛けてジャンプ。派手な音が家中にこだまする。
「今よ、急いで!」
しずかちゃんの声にせかされるように、僕はもしもボックスの受話器を手に取った。
セワシとドラえもん、ドラミちゃんはタイムマシンに乗り込んだ。
引き出しが閉まる直前、ドラえもんは引出しから首を目一杯伸ばし、叫んだ。

69 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:13
「絶対忘れないから! 僕、のび太君の事絶対!」
それを聞き、僕は親指を立てた。振り向くとまた泣いてしまう。きっと「行かないで!」と泣きついてしまう。
「のび太さん!」
見ると、大人達はすでにふすまの所まで来ていた。
しずかちゃんが机の引出しを庇うように立つ。
「どけ! ここか!」
しずかちゃんを押しのけ、男が引き出しに手をかけた。
「しずちゃん!」
「私のことはいいから、のび太さん早く!」
わかった。僕は受話器に向かった。そしてありったけの声で叫んだ。

「もしも、僕とドラえもんが出合っていなかったら!」

あたりが光に包まれる。
次の瞬間、僕の周りの何もかもが消えていた。
家に詰め掛けた大人達は勿論、僕の家を放送するニュースも、取り囲んでいたマスコミも、
カメラも照明も車も、全てが一瞬の内になくなった。
ジャイアンもスネ夫もしずかちゃんも、全員が最初から自分の家にいた事になっていた。
もちろん、もしもボックスも綺麗さっぱり消えた。机の引出しからはタイムマシンが消えていた。
ただの日常だけが、僕の周りに残された。
がらりとフスマが開き、ママが顔を見せた。
「あらのび太、まだ寝てなかったの? いい加減寝なさい。また遅刻するわよ?」

70 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:14
その日を境に、僕の生活からドラえもんが消えた。
僕以外の誰もが、ドラえもんという存在を忘れていた。
パパもママも、しずかちゃんも、ジャイアンもスネ夫も。
ただ、僕だけが、ドラえもんの事を覚えていた。
そして僕は、誰とも共有できない過去を今も持っている。ドラえもんと言う名の宝物を独り抱え続けている……。

71 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:18
それにしても、今日は晴れてよかった。
僕は空を見上げ、一つ伸びをした。ドラえもんの色と同じ空。
「だめじゃない。今日の主役が急に消えたりしちゃ。皆探してたわよ?」
突然後ろから腕を組まれ、僕は驚いて振り返る。
そこには、純白のウエディングドレスをまとったしずかちゃんが立っていた。
「あ、いや、その……ゴメン。ちょっと外に出たくなって」
「また、あの青いロボットの事考えてたの?」
青いロボット……か。僕は首を振った。
「違うよ。まさかこの僕がしずかちゃんと結婚できるなんてって考えてたんだ」
セワシの願い通りに。
それを聞くと、しずかちゃんはクスクス笑い「あら、私じゃ不満?」と冗談めかしていった。
「不満なんて滅相もない。嬉しすぎて鼻からスパゲッティだって食べれちゃうよ」
僕もおどけて言う。
「そう言えば、剛さんとスネ夫さん今日は来てくれるって?」
「うん。遅れるけど披露宴には絶対顔だすってさ。『のび太のくせに俺より先に結婚だなんて生意気だ』って」
「うふふ、剛さんらしいわ」
僕は時計に目を落す。
「そろそろ時間だな。いい加減戻らないと」
しずかちゃんも頷く。僕達は二人並んで、式場に足を向けた。その時、
「のーびーたー君」
懐かしい声が聞こえた。僕は驚いて振り向く。そこに立っていたのは、
「うふふふ。お久し振り。ずいぶんと大きくなったね」
「ドラえもん!」
あの、青いロボットがいた。ドラ焼きが好きで、ネズミが嫌いで、耳がない、つるつる頭のネコ型ロボット。
「ちゃんと覚えててくれたんだね。感心感心」

72 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:18
服が汚れるのも構わず、僕はドラえもんの前に駆け寄り、膝を折ってその丸い頭に抱きついた。
「忘れる訳ないだろう!ドラえもーん!」
僕は声をあげて泣いた。ドラえもんと別れて以来泣く事などなかった。
「まったく、君はいくつになっても泣き虫だなあ。体ばっかり大きくなって。
なぐさめる方の身にもなって欲しいよ。ね?しずかちゃん」
そう言うと、ドラえもんは立ち尽くしているしずかちゃんに向い、ウィンクをした。振り向くと、
しずかちゃんは口元を両手で抑え、目には涙を浮かべている。
「ドラ………ちゃん?」
え?
「しずかちゃん? ドラえもんの事知ってるの?」
しずかちゃんは両手で顔を抑えたまま、何度も頭を動かす。
「ど……どうして?」
呆然と顔を見つめる僕に向い、ドラえもんはニッコリ笑った。
「タイムパトロールのお陰で、ちゃんとした時間軸に戻ったんだよ。
僕達は定められた通りにちゃんと出合って別れたんだ」
「それじゃあ」
「みんな僕の事知ってるよ。君の頭にも今二つの思い出があるだろ?」
僕は頷いた。奇妙な感覚だった。
僕の頭の中には、あの事件によりドラえもんと理不尽に別れさせられた記憶と、もう一つ別の記憶が残されていた。
その中で、僕はドラえもんと約束をしていた。結婚式には必ず来てくると。
「だから今日は来たんだ」
そう言うと、ドラえもんは僕としずかちゃんの手を取った。
「結婚おめでとう」
「ドラえもん……」
僕達は顔を見合わせ笑った。
さ、式場に行こう。ドラえもんが来たんだ。皆懐かしがるぞ。
僕達三人は並んで式場に向い歩き始めた。

73 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:21
以上で終わりです。

>>では、続き氏
長々とすいませんでした。
では、続き頑張って下さい。楽しみに待ってまーすヽ(・∀・)ノ

74 :乱入スマソ(´Д`;):04/03/12 23:23
って名前間違ってんじゃん(´Д`;)
「では、続きだ」じゃなくて「よし、続きだ」さんだった…。ゴメソ

75 :よし、続きだ:04/03/13 20:18
>>74
上手いですね!!感動しました。
自分も見習いたい・・・

76 :よし、続きだ:04/03/13 21:16
44の続きいきますね。


「ひどいものだな」
「ええ」
先生のつぶやきに、タケコプターが答えた。
のび太たちの先生は、タケコプターを使って破壊された街の上空を飛んでいた。
先生の四次元ライターから出てきたタケコプターは、背中に羽がついた少女の形をしていた。先生はそのタケコプターに抱き上げられて空を飛んでいた。
二人の眼下には荒廃を極めた瓦礫の山がどこまでも飽きもせずに続いていた。
やがて二人の進む先に、天高くそびえる一つの塔が見えてきた。
「行き先はあそこでよかったでしょうか」
「ああ。ふもとに下ろしてくれ」
タケコプターに答えて、先生は改めて眼下を見下ろした。



77 :よし、続きだ:04/03/13 21:22
「すごいものだな。これが月とは」
先生はつぶやいた。
「二十三世紀ですからね」
タケコプターが言った。
「それにしても、これだけのものがなあ・・・」
「月に植民が開始されてから、もう百年近く経っていますから」
「いや、違うよ」
先生はタケコプターの言葉を遮った。
「これだけ大きな街が、ここまで壊されてしまうって事の方が驚きだ」

78 :よし、続きだ:04/03/13 21:33


「それでのび太、本当に勝ち目はあるんだろうな」
ジャイアンはのび太を背負って走っていた。眼鏡を失ったのび太の、目と足となる事を承諾したのだった。
「それは・・・わからないけど・・・」
「しっかりしやがれ!!」
「でも、がんばる。やるだけやってみる」
「おう、付き合いきれねえけど付き合ってやらあ!!」
ジャイアンが向かっていたのは、いつもジャイアンやのび太たちがたむろしている公園だった。
ミーちゃんがよくいる場所といえばまずはそこだと、のび太が言ったからだった。
「おい、今のうちに武器を用意しとけ」
ジャイアンは息を切らせながら、のび太に指示した。
「うん」
と、のび太はポケットに手を入れ、そこから白いものを取り出した。
スペアポケットを。

79 :よし、続きだ:04/03/13 21:47
「んー、んー・・・ああ、駄目だ。見つからない」
「ったくよお、目が見えないんじゃ仕方ないか・・・」
ジャイアンは、さすがに疲労の色を隠しきれなくなっていた。顔は見るも恐ろしい形相で、足取りは重々しくなり、足音よりも吐く息の音の方が大きくなっていた。
「だいたい、復元光線で眼鏡を直せばよかったじゃねえかよ」
「それが見つかれば、そうしたかったんだけど・・・」
のび太はスペアポケットに手を突っ込んで探っていたが、欲するものは見つけられなかった。
「のび太、空き地に着くぞ」
のび太を背負ったジャイアンはラストスパートをかけ、いつもの角を曲がってなじみの場所へと駆け込んだ。
「ああ!!」
ジャイアンは叫んだ。そこにミーちゃんはいなかった。そのかわりに、もっと厄介な者がいた。
「おお」
彼は二人の姿を見て驚いたように笑った。
いつものように、空き地の一角に積まれた三つの土管、その上に彼は立っていた。
シルクハット、タキシード、白手袋、ステッキ。


80 :よし、続きだ:04/03/13 21:54


「ところで、執事」
目的地を目前にして、タケコプターがのび太たちの先生に話しかけた。
「どうした」
「行き先が決まっているのなら、私を使わなくても、どこでもドアを使えばよかったのではないですか?」
タケコプターは当然の疑問を口にした。
「そうできるなら、そうするさ」
先生は答えた。
「そうできなかった、ということですか?」
「ああ」
「なぜですか」
会話を続けながら、タケコプターは高度を下げ始めた。
先生は眼鏡を指で直しながら言った。
「ひみつ道具の使用には制約がある」

81 :よし、続きだ:04/03/13 22:07


「おい、のび太!!あいつだ、あいつだぞ!!しずかちゃんを襲った奴だ!!」
ジャイアンは大声を上げた。しかしその後すぐに地面にへたりこんだ。体力の限界のようだった。
「本当?ジャイアン」
「本当だよ」
男は土管の上から飛び降りた。
「驚いたな。後をつけたのか?君たちは無傷のままでもたいした障害にはならないと判断したから、手を出さなかったんだがな」
男はのび太が手にしている四次元ポケットに目を止めた。
「それで俺の邪魔をしようというのか?眼鏡もなくして、目も見えないんじゃないのか?」
のび太は声のする方に目を向けようとした。
「せっかくしずかちゃんが君を助けようとしたのにね?そんなんなら、ここで殺してやってもいいんだぞ?」
男はシルクハットを頭からとった。

82 :よし、続きだ:04/03/13 22:39


「ひみつ道具の中には、互いに全く同じ効果を持つものも多いし、それ一つさえあれば他の複数の道具が全く不要になるようなものも多くある。
つまり単純にすべての道具を並べて比較した時に、実に無駄が多いように見えるわけだ」
「はい、存じております」
先生とタケコプターは、目指していた塔のふもとに無事着陸していた。二人はアスファルトが無残に剥がれて地面がむき出しになった場所に立っていた。先生はそこで先刻のタケコプターの疑問に対して詳しく説明していた。
「しかしもちろんそれにはちゃんとした理由がある。私にしろドラえもんにしろ、ひみつ道具を出せる四次元グッズを持っている者たちは、好きな時に好きなものを取り出せるといったわけではないのだ」
「なぜですか」
「それが制約だ。極端に言えば、もしもボックスさえあれば他のすべての道具は不用になる。だが持ち主が自由気ままにそれを使ってしまえば、世界が大混乱になることは言うまでもない。
それもたとえば『自分がアメリカに転校する事になった世界』といった程度のマイナーチェンジならわりと気軽に使えるが、世界の法則性そのものを変えるようなことを望んでしまえば、
数えきれないほどのパラレルワールドが生まれる事になる」
「そこで、使用に関して制約があるわけですね」
「制約といっても明文化されたものではない。ひみつ道具には、あるひみつ道具Aを使用した後は別のひみつ道具Bをしばらく使えなくなるといったような規則がある。
同じような効果を持ついくつかの道具のうち、別の道具A、B、Cを順番に使用した後で使えるのは一種類だけ、といったようにな」

83 :名無し物書き@推敲中?:04/03/18 11:46
良スレ

84 :名無し物書き@推敲中?:04/03/23 15:48

オナニーしたい時にはバスルームにこもる。

窓が広くて西を向いているから、午後から夕方にかけては強烈な西陽に照らさ
れて、浴室はクラクラするほど刺激的だ。
ぬるくしたお湯。でないとあんまり長く入っているとノボセてしまうから。
ラジカセを持ちこんで、なんでもいいから音楽でも流して。

窓は開けておく。

木立ごしの景色が見えて気分が良いし、見らてもかまわない。

おかあさまは食事のしたくをしている。今夜は東京からおとうさん来
るっていうんでバーベキューするみたい。あんなに派手に浮気していながら、今
日はパパが来るからごちそうよ……なんて、いい気なもんね。

壁に鏡。それも全身が映る大きなのがあって、しずかの姿を映している。
わざわざその前に行って、裸の自分を見る。
ちょっぴり生意気そうな顔をしている。こまっしゃくれていて、挑戦的な眼を
している。

ちょっと腰をひねったりして、ポーズをつくってみる。うん、なかなか。
おんなのカラダって、正面から見ると三ヶ所のポイントがある。ふたつの乳首
と、一ヶ所の亀裂と。しずかのポイントはあんまり目立たない。
薄い桃色のシミみたいな乳暈。胸の両側、左右対称にポッチリ張りついている。
ふくらみは真正面からだとよくわからない。

少しからだをひねって横向きの角度にすると、微妙にカーブした、思春期の乳
房のふくらみが確認できる。

85 :よし、続きだ:04/03/23 15:50
イギリスの高級車の多くは今でも手で作られているという。しずかは父親からそ
んな自動車の塗装仕上げのことを聞いたことがあった。
塗料を吹きつけ、そのあとで丁寧に磨く。

最終的な確認はまず眼で見て、凹凸のないように。さらにそのあとがある。指
の腹でこすって調べるのだ。眼よりも指のほうが細かいニュアンスを伝えてくれ
るんだっていう。眼で見ただけでは平らに見えても、指でこすってみると、やっ
ぱり細かい凹凸があるものなんだっていう。
しずかもまたそんな、自動車を塗装するイギリスの職人みたいな気分で自分の乳
房をそっと撫でてみた。

午後の陽差しがバスルームをまばゆいばかりのクリーム色の光で染めあげてい
る。しずかの手足は甘く火照った色に陽焼けして、小麦色と生白い色の部分とのコ
ントラストが胴体と四肢とを描きわけている。
なだらかにアールを描いているふくらみ。
薄い色の乳首はまだ子供っぽく没落した状態。

まだまだ発育途上。
けれど若い皮膚はスベスベとした感触が心地よく、きめこまかい。あんまり無
神経に大きすぎるよりも、むしろこれくらいのほうがいいもんね。
どちらかというとまだ細っこいしずかのからだには、皮下脂肪は少ない。だから
あんまり女っぽいグラマーには見えないのだけれど、太りすぎを気にしてケーキ
も食べられない同級生の女の子よりはずうっとマシだと思う。
皮下脂肪が少ないと、どうしたって寒がりなのだけが欠点だ。もっとも暑いの
には強くて、しずかは真夏でもほとんど汗をかかない。
スレンダーな脚のつけ根。もやって煙った恥毛に周辺をおおわれて、陰裂が透
ける。


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