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黒い百合

89 :名無し物書き@推敲中?:03/12/19 13:43
>>85の続き

十月 前編 第一話「薄倖の転校生」

「藤宮咲妃です。みなさんよろしくお願いします」
 教壇の前で挨拶をする転校生をみて、菫は激しく興味を惹かれた。
 転校生と言えば、普通は少し緊張しているか、早く馴染もうと勤めて明るく振る舞うかのどちらかだ。
 しかし、藤宮咲妃と名乗るこの少女にはまったくそんな意気込みを感じない。
 それどころか、一種の諦観のようなものさえ漂っている。
 額になにやら傷があるが、手当てを試みた様子もない。
 一体どんな不幸によってこの少女はここまで人生に絶望したのだろう……。
 こんな雰囲気を身に纏っていれば、遅からずクラスでも孤立して、もしかしたら陰湿なイジメが始まるかもしれない。
 菫は自分が委員長として統率するクラスでそのような不祥事が起きる可能性を想像して、激しく身震いした。
(私が藤宮さんを守ってあげないと、私のクラスは崩壊しまう)
 完璧でなくてはならない。菫にとって完璧な人生だけが生きる価値のある人生なのだ。
 菫は家族も友人も成績も容姿も、なにもかもが完璧になるように慎重に気を配って生きてきた。
 転校生によって自分のクラスが醜く堕ちて行くのを黙視することはできない。
 菫は席を立つと、完璧な微笑みを浮かべて発言した。
「よろしくね、藤宮さん。クラスの全員があなたを歓迎し暖かくお迎えすること約束します。先生、藤宮さんは私の隣の席にお招きしてもよろしいですか、ぜひとも友人になりたいものですから」
 シスターが頷くと、何人かの生徒が素早く立ち上がって転校生の席を用意した。
 これこそ菫が作り上げてきた、完璧な友人、理想のクラスだ。
 こんなすばらしい芸術品を失うなんて、菫にはとても考えられない。


こんな感じでいいのかな。
それともサブタイトルはない方がよかった?
続きをお願いします。

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