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黒い百合

324 :201:04/01/07 20:25
 ダイニングに出ると 咲妃は『意識して』床を見ないようにし、変わりに食卓を見た。
 姉さまのお食事と、その向かい側に 咲妃の『食事』。もう、餌じゃない。
 そんな当然の事が未だに嬉しいなんて・・・咲妃はそこにこそ溜息をついてしまう。
 案外、咲妃は奥底の部分で『奴隷』色に染まってしまっていたのかもしれない。
・・・でも、がんばって治していけばいいよね?
 そう、 ゆっくり、 ゆっくり行こう。
 きっと まだまだ時間があってくれるはずだから。
「あ・・・」
 席に着いたその時  そういえば、と、咲妃はふと ある事に気が付く。
 これって結構重要な事かもしれない。・・・特に、奴隷としては。
 お食事・・・作っているのは姉さまなんだ。
それを・・・奴隷の咲妃がただ食べるだけ・・・、って、これは構造的に絶対在っちゃいけない状況だ。
「どうしたの?咲妃。 嫌いな物でも入っていたのかしら?」
「い、いえ・・・、その・・・」
 話の機在った所で、咲妃は今思っていた事を姉さまに話した。
 すると 何故か姉さまはお笑いになる。
「え・・?あの・・・」
 混乱し始める咲妃に 姉さまは「良いのよ、その辺は」とおっしゃる。
「どうして・・・でしょうか?」
 奴隷の手の触れた物なんて口にしたくは無いもの。分をわきまえなさい、出しゃばれば良いというものでもないのよ。
 なんて、・・・少し前なら平然とこんな言葉が返ってきただろう為に、一瞬、咲妃はそう言われたような気がした。
 けど、実際は かなりのギャップ付きのお答えが返ってきたのだ。
「・・・趣味なのよ。 料理」
「ふえっ?」
 照れ隠しか、敢えてつまらなそうに答えた姉さまに 咲妃はただただ間抜けな返しをするばかり。
姉さまは「やっぱり・・・」とでも言いたげに短く溜息をつくと、「ほら、変な顔しないの」と咲妃を咎めて
再び食事の手を動かし始めた。

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