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黒い百合

213 :201:03/12/25 18:06
……つまり、香住には学園の方針など知った事では無いのだ。
 教員の内で、望月と藤宮を淘汰するように言われていようとも、彼女を動かすのは
常に彼女の価値基準のみであった。
 人 誰しもがそうであるように、美しいものが好きで 醜いものは嫌い。
特に香住は常人よりも徹底して醜いものが嫌いであった。
 そして、美しいと感じるものは とことんに好く。
 それは 彼女が女子校である此処に居る理由の一つでもある。
 では そこで、つい今し方の話になる。
 机を蹴り飛ばし、その上 か弱い少女を相手に罵倒を浴びせている 肥えた教員と
 いきなり 暴力に訴えて力を示されたにもかかわらず、実は震える足を必死に堪えて 賞賛無き相手に
立ち向かう二人の可愛らしい少女。……しかも、その手は互いを勇気づけるようにして、密かに、
でも固く、繋がれている。 そのどちらに 愛でるべくは在るのか。 愚問だ。
「だいじょうぶ?」
 香住はにこりと優しく笑むと、藤宮ちゃんと望月ちゃん 二人の頭を『先生』の位置から撫でた。
「あ……っ」
 返事を返そうとして、その美しい顔を前に言葉を詰まらせてしまった藤宮ちゃん。
「大丈夫です。 有難うございました」
 代わりに望月ちゃんがしっかりと二人分の返事をくれる。
 その顔は、こちらに対する好感ととっても良いだろう。
 その横で 藤宮ちゃんが必死にコクコクと頷いている。 
……うん。どうやら、私は良い拾いものをしたらしい。
葉山教員には嘲笑を以て感謝するとしよう。
「さあ、それでは授業を始めましょう。
 望月ちゃん、藤宮ちゃん、席についてね」
 

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