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「禁断のサザエさん…」

1 :名無し物書き@推敲中?:03/08/06 15:20
サザエさん一家のパロディ、なんでもいいから書いてくれ〜

2 :名無し物書き@推敲中?:03/08/06 15:37
山崎(^^)しか来ないスレがまた立った。

3 :名無し物書き@推敲中?:03/08/06 15:42
>>1
お前タマだろ?

4 :■■■■■■■■■■■■■■_終_了_■■■■■■■■■■■■■■:03/08/09 17:37
 

5 :七等星:03/08/10 17:08
( ´D`) このスレは我々が乗っ取りますた。他人が使っちゃだめれす。

( ´ Д `) んあ

6 :七等星:03/08/10 17:25
設定。
愛とあさ美は妖精の国に住んでいる。
二人を含め町の人の多くは光などしか扱えない。
攻撃的なものを扱える者は特別扱いされ、日々訓練される代わりに高水準の暮らしを保障される。
ツンクは炎の妖精。最近町を○○から救った勇者だが、急に町の破壊を始めた。
愛は視力は7.0。

ストーリー
ある日町を歩いてくだらない話をしていた愛とあさ美。
突然火の玉のかけらがあさ美を吹き飛ばした。
愛はびびって家に帰ろうとするが、そこにもうすでに家はなかった。
それをみて愛は怒り、つんくのところへ突っ込んでいく。
(中略)
愛は死を感じ、親友や家族を殺された悔しさから涙を流した。
つんくの体の炎が消え、つんくは死んだ。
(そのままつんくを倒したことに浮かれて、気づいたら町中みんな死んでてあさ美も自殺ってのもありかなぁ…
 悪趣味すぎるかw)

7 :七等星:03/08/10 17:31
彼女の羽はもはや普段の半分も機能していなかった。
羽だけではない。体中のあちこちに傷を作っていた。
それでも彼女は立ち上がった。
家族のため、親友のため、そして全ての妖精たちのため。


そいつが現れた時、愛は親友であるあさ美と、憧れの男性についての話で盛り上がっていた。
やれガクトだ反町だキムタクだとやたらと名前を並べるあさ美に、愛はつっこもうとしていた。
それは叶わなかった。
愛が口を開きかけた瞬間、空から降ってきた火の玉があさ美を飲み込んだのだ。
状況が飲み込めず、上を仰ぐと、指先に炎の塊を作った人間と目が合った。
とっさに愛は地面を蹴って左に転がる。
次の瞬間、愛のいたところに火の玉がぶつかり、地面を揺らした。
あたりに砂煙が舞い視界が奪われた。
愛は混乱しながら、猛スピードで羽ばたき、そこから逃げ出し自宅へ向かった。
が、そこにもう街はなかった。あちこち地面が凹んでいて、さっきのヤツの仕業だとわかる。
愛の中で何かが一気に膨らみ、さっきいた所に踵返しした。

ヤツのことについては大体見当がついている。
大昔、度々世界を救った勇者だが、ある日突然、今のように凶行を繰り返すようになり、
泣く泣くみんなでどこかに封印したのだと言う。
その封印がそろそろ解けるのではと噂しているのを愛も聞いたことがある。
たしか名前はツンクだったか。

愛の目がツンクを捉えた。
堂々とした態度で廃墟と化した街を闊歩している。
愛は、彼には無い視力8.0の目でツンクを観察した。
髪は金色で、逆立っている。
サングラスをかけ、細い眉に、はっきりとした輪郭が、特徴と言えば特徴だった。
赤っぽいTシャツに色のあせたジーパンを穿いている。


8 :七等星:03/08/10 17:32
怒りに身を任せ、ありったけのスピードでツンクに体当たりを試みた。
しかしあっけなくツンクにかわされる。
そもそも愛は光の妖精だ。
相手にダメージを与える技など知らない。
ツンクはこの世界で数少ない火を操れる人間だ。

愛はそのまま上昇した。
羽の無いツンクは飛ぶことは出来ない。
愛は体からまばゆい光を発した。
その状態のまま、ツンクに急降下し、
顔に思い切り頭突きを食らわせた。
ツンクが吹っ飛んでよろけている隙に、落ちている石を拾って思い切り投げつけた。
顔を抑えていた手に命中した。
愛が喜んだのもつかの間、壊れたサングラスを投げ捨て、スイカほどの火の玉を投げつけてくる。
スピードが早く、愛は肩に火傷を負った。
体勢を立て直して見渡すと、ツンクの姿が無かった。
次の瞬間、背中に思いっきり蹴りを食らう。
倒れこんだところに馬乗りになられ、何度も顔を殴られた。
指先の炎で、体中に根性焼きのような火傷を作られた。

愛は、飛んでくる拳に向かって、逆に額を思い切りぶつけた。
少しめまいを感じながら見ると、ダメージは僅かしか与えられなかったようだ。
と、次の瞬間、ずっともがいていた愛の手が抜けて自由になった。
殴ろうにも振りかぶれず、ツンクの服の襟をつかんで引き寄せた。
彼はあっけなく愛の横に倒れこむ。

9 :S:03/08/10 17:32
自殺の方向でひとつ(*´д`*)ハァハァ

10 :山崎 渉:03/08/15 12:25
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

11 :S:03/08/21 17:20
七等星おったら返事しる

12 :七等星:03/08/21 19:25
なーにー?

13 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 20:36
サザエさん書くぞな。

14 :S:03/08/21 20:57
続きはー?
てかほかのネタはー?
てか連絡しるー?
>>13
サザエさん書くの?

15 :13:03/08/21 21:06
>>14
そうでつ。
だめぽ?

16 :S:03/08/21 21:25
僕にはなんとも…
やい!七等星返事しる!

17 :13:03/08/21 21:37
んじゃ、邪魔にならない程度にお邪魔しまつ。

18 :七等星:03/08/22 00:02
なんで漏れなんだよー。漏れに拒否する権利なんてないから
かまわずがんがん書いて下さいー。

19 :七等星:03/08/22 00:04
今からちょっと短編のネタ考えてみよう…

20 :七等星:03/08/22 00:37
設定 リアル・藤本一人称

ストーリー
藤本が一人の仕事の帰り道、石川から携帯に電話がかかってくる。
とると震える声で「人を殺した」と言う(台詞から始まるのがイイかも)。
藤本は急いで石川の言った神社へ行く。
見覚えのある石川の元彼氏が死んで倒れている。
ふたりとも車の免許もなく、死体は動かせない。
ふたりでホームセンターへ行き、スコップを買う。
帰り道雨がふり出し、傘をコンビニで買う。
で、神社の中でもひときわ大きな桜の木の下に死体を埋める。
終わり。

21 :七等星:03/08/22 03:45
リアル 五期主人公

主人公の父親が誰かに暴行したとして? 逮捕される。
主人公、マスコミにおっかけまわされる。
学校にまでマスコミがくる。
思わずカメラに暴言を吐く。
いっせいにバッシングされる。

うーん…これはダメぽ…。マスコミの取材にキレる娘。が書きたかったんだけどね。
てーか漏れらは別のスレに移動しるか。

22 :七等星:03/08/22 03:49
http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1060672778/

Sはここに移動しる。
13さん邪魔してゴメンナサイ。そしてがんがってください。

23 :13:03/08/23 00:47
うにょ?
いなくなっちゃた・・・
邪魔なんて全然おもってないのに〜
むしろ寂しいじゃんかよ・・・。

24 :七等星:03/08/26 06:16
コソーリ。
サザエさんまだー チンチン

25 :13:03/08/26 19:28
はい、今から書かせていただきまつ。
明日にはupしますが、ここのスレタイ通りに、ものごっつい暗くてくどいサザエさん。
読むの嫌んなる内容なので、お目汚しになります・・・。
ただ、なにげに書いてみたかったんだけど、小説って書いたこともなかったりたり。

26 :名無し物書き@推敲中?:03/09/06 18:09
期待アゲ

27 :名無し物書き@推敲中?:03/09/11 22:12
          ∧∧
        ⊂(・∀・)つ-、  <期待してるよ。
      ///   /_/:::::/   
      |:::|/⊂ヽノ|:::| /」
    / ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
  /______/ | |
  | |-----------|


28 :名無し物書き@推敲中?:03/09/23 10:07
(´ω`)ニャンポコー(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω(´ω`)ニャニャニャニャニャニャニャニャンポコー

29 :名無し物書き@推敲中?:04/01/05 01:24
/

30 :名無し物書き@推敲中?:04/01/06 11:44
最近ワカメのため息が多くなった。
ずっと同じ部屋で生活していればそのくらいは分かる。
だが、理由は毎日顔を付き合わせていても分かるもんじゃない。
「おにいちゃん」と言いかけた言葉はいつもそこで終わる。
気にはなるが、聞きはしない。
それが俺に出来る唯一の優しさだから。

誰か続きプリーズ。

31 :名無し物書き@推敲中?:04/01/06 21:43
などとカツオは思った。
その頃だった。
波平はようやく、伊佐坂の家を訪れる決意を固めた。隣の家なのに、道のりを気が遠くなるほど長く感じた。
「ああ、ようこそ・・・」
伊佐坂は快く歓迎した。波平は表情を石のように固めたままだった。勧められるままに客間の椅子に座った。ただならぬ気配はもちろん伊佐坂も気付いていた。
「ワカメは、もうそろそろ気付いているかもしれません」
波平は切り出した。伊佐坂は一言、
「そうですか・・・」
と。それ以外に話題も見つけられず、二人は黙って向かい合っていた。やがて、伊佐坂はゆっくり立ち上がって言った。
「ねえ、磯野さん・・・私たちはどうして、こんなに卑怯なんでしょう?」

誰か続きどうぞ。

32 :あげ屋さん ◆P1AWcg9OTs :04/02/06 20:56
(・∀・)age!


33 :名無し物書き@推敲中?:04/02/07 12:23
寮スレage

34 :名無し物書き@推敲中?:04/03/26 11:15
カツオとワカメの近親相姦。

35 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 20:03
誰か最初から書いてください。

36 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 20:22
「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人、か」
青年、磯野タラオはそう呟くと無表情に職安を後にした。これでもう
半年ほどだろうか、この徒労と嘆息ばかりの職安通いは。最早職探し
当初のように一喜一憂することすら無い。彼にはただの日課である。
 タラオは今年二十五歳。前職を人間関係で辞め、失業手当はもう間
もなく打ち切られようとしていた。彼の背中には疲労感が影のように
まとわりつく。

 冒頭、タラオの言葉は古来より、よく聞かれるものである。幼年、
童子達の中で輝かしい程の英才であった者が、年を取るにつれて群衆
に混じる只の一大人になってしまうのは度々耳にすることである。
 誰もがモーツァルトの如くはいかないようだ。

37 :36:04/04/09 20:36
 タラオは帰り道を何をするでもなく歩いた。夕方の街並みには様々
な人々が行き交う。仕事帰りのサラリーマン、二三人連れの学生。仲
睦まじい恋人達。皆が楽しそうに、しっかりとした足取りで歩く。
 タラオはそんな人混みの中で一人、力無い歩み。彼には周りの談笑
や笑顔がひどく鬱陶しいものに感じられた。小さく舌打ち。

 タラオに話しかけるものなど一人もいない。そして彼が話しかける
べき人もこの雑多な群衆の中にだれ一人いない。

 ふと、母子とすれちがった。様子のよい上品な母親と才気に満ち、
いかにも賢そうな子供。子供は学校での今日一日を母に伝えているの
だろう、コロコロと朗らかな笑い声を上げていた。母は柔らかな表情
で子供の述べることを優しく聴いている。

38 :36:04/04/09 20:51
 そんな情景を眺めるタラオに往年の記憶がよぎる。
(――ねえ、タラちゃん今からお出かけなんだけど留守番できる?)
(ハイ、一人でもおるすばんできるです。もし電話かかってきたら、
お名前と用件をきいておくです)
(あ〜ら、タラちゃん偉いわねえ! ……それに比べてカツオときた
ら。ねえ、カツオ)
(姉さんひどいや! 僕でもちゃんとできるよ)
(どうだか?)
 様々な記憶が巡る。それら一つ一つにはみな暖かい笑顔が満ちてい
る。その中心には皆に愛された子供、磯野タラオの姿が。幼児にして
丁寧語を極めたと称され、子供とは思えない気配りができる子と言わ
れた彼自身の在りし日の姿が。
 しかし、今の彼はただの無職の男に過ぎない。恋人も無く、友達す
らいないただの落伍者の男でしかない。
 タラオは溜息をつく。

39 :36:04/04/09 21:00
 夕暮れの街並みの中、幸せそうな母子の情景は見る人の心を温かく
させるだろう。しかし、群衆の中で磯野タラオは一瞬柔らかな記憶を
思い起こさせられた後、今現実の自分自身を尚更自覚させられて、た
だ寂寥感にかられるだけであった。
 彼にとって全ては過去のことなのだ。

 そして、そんな街並みの中のことである。
 昔、親しみ合った波野イクラと再会したのは。この二人の再会が後
に日本中を震撼させる事件の幕開けとなった。

 ……事件の全ては、ここから始まる。

40 :36:04/04/09 21:02
つーことで誰か続きヨロシク。リレーしてくれ。
それと訂正。磯野タラオ→フグタ タラオが正解だった。スマン。

じゃあ、頼んだぞ。

41 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:03
>>4
age??

42 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:15
「もしかして、タラオ君か?」
 磯野タラオはふいに声を掛けられて振り向いた。
 どこかで見たことがある顔の青年が立っている。ブランド物の
 スーツに身を包んだ彼は、よく見ると三年前に行方不明になった
 はずの波野イクラだった。
「イ、イクラ君?」
「覚えててくれたんだぁ。嬉しいなあ」
 波野イクラは相好を崩した。
 

43 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 21:17
↑ やべ、改行ミスった。

44 :名無し物書き@推敲中?:04/04/09 23:16
 タラオはイクラに誘われるまま、路地裏の雑居
ビルに入っていった。
 エレベーターが壊れているので、薄暗くて細い
階段を二人で縦に並んで上がっていく。
「ねえ、いったいどこに行くんだい?」
 タラオはとうとう不安に耐えられなくなって、
前を進むイクラに聞いた。
 イクラは何も答えずに、黙々と階段を上がっていく。


45 :名無し物書き@推敲中?:04/04/16 06:53
続きは?

46 :36:04/04/16 21:22
「タ、タエコさん!?」
タラオは驚愕した。雑居ビルの一室、そこにはあのタエコの姿があった。久
方ぶりに見るタエコ。もう年は三十も後半か。しかし、変わらず美しい。
そして、タラオが驚いたのは――。
 タエコは生まれたままの全身にただ一枚、男物Yシャツを身につけていた。
豊満な胸がシャツをはちきれんばかりにさせている。LLサイズのシャツは股
下の女自身を僅かに覆い、袖からは指先が少し出るばかり。
 さらには。胸元に、小さな突起が二つ。真っ白なシャツの上からもはっき
りと窺えた。
「タラオさん……」
タエコは突然の訪問客に驚き、さらに訪問客の正体に動転した。頬をじんわ
りと赤く染め、指先を胸元、股間に回して我が身、我が姿に恥じ入る。Yシ
ャツ、胸元の生地が胸圧に悲鳴を上げた。

「どうだい、タラオ君。良い眺めじゃないか?」イクラは笑った。

47 :36:04/04/16 21:38
 タラオは訳も分からずタエコを見やり、さらにイクラへと視線を右
往左往させる。その瞳には怖れの色を帯び、そして救いすらも求める
ものに思えた。

「イクラ君、これは」
なんとか口に出来た言葉は震える。冷たい汗が額を流れる。鼓動は高
く天を貫き、一転急降下深海、海溝をどこまでも潜る。膝が笑った。
 タエコは俯いて何も答えようとしない。肝心のイクラも笑みを浮か
べるばかり。その表情には奇妙な無機質感漂う。
 それは言葉にしづらいが強いて言うならば、笑顔のままお気に入り
のぬいぐるみを踏みつけ、引きちぎる子供のようだ。
 意味は有るようで、無い。何故と問われても子供本人にも答えられ
はすまい。憎むが故に首を捻るのではなく、引き裂くために引き裂く
だけのこと。

48 :36:04/04/16 21:44
↓ go!!

49 :罧原堤 ◆5edT8.HnQQ :04/04/17 00:37
タラオは身の危険を感じた。余裕を見せようと胸ポケットからタバコを取り出し、
火をつけながら、部屋を出ようとした。が、イクラが立ちふさがった。
「待てよ。逃げるのか?」
タラオは無言でイクラの横を通り抜けようとした。
イクラがタラオを殴った。イクラはこめかみを狙って拳を繰り出した。殺すつもりだった。タラオの態度にムカついたのだ。
「やめて! イクラさん!」
イクラはタエコをねめつけた。「これは僕とタラオの問題です口出ししないで下さい」イクラが言った。
タエコは黙り込む。
タラオは唇から出た血を袖でぬぐった。タラオはおびえきっている。
「なに不思議そうな眼で見つめてんだよ。なんか言いたいことがあるならはっきり言えよ」
ドドスコドドスコー♪イクラの携帯が鳴った。着メロはイクラの好きなトランスだ。
「はい、波野です。・・・ああ仕事は順調だよ」
イクラはタラオの頭を靴でいじりながら、
「それより、来いよ。・・・・・・ああ。そのビルだ。面白いぜ。変な奴がきてんだよ。あはは。・・・え? それは着てからのお楽しみさ。爆笑だぜ。早く来いよ。ははは。
・・・・・・しつこいなあ、タラオだよタラオ。ほらカツオっていただろ、あいつの甥の。あはははは、な、笑えるだろ? あはははははは、待ってるぜ、ははは」
イクラは半笑いでタラオを見下ろし、「タラオ君おもしろいことしようか? まずはタエコ君の排泄物の匂いを嗅いでもらうよ」
僕の知っているイクラ君は口下手だったのに。なぜこんな饒舌家に変貌を遂げているのか。タラオの頭はパニくっていた。

50 :名無し物書き@推敲中?:04/04/19 19:49
 「イクラ君、楽しそうだね」
 男とも女とも判別できない声だった。しかし、イクラには声の主が解るらしくその目には怯えの色があった。
 「じ…甚六さん。どうしてここが」
 「イクラ君。友達は選んだほうが良いよ。君と朝倉がここに客を引っ張り込んでタイコさんとSEXさせて稼いでいることは知ってるよ。朝倉は僕の忠実な犬だから」
 タラオは甚六を見て言葉を失った。半そでのポロシャツから覗く両腕には隙間が無いほどのタトゥーが施され、顔は覆面に覆われていた。
 「う…嘘です。甚六さんは僕が小学校に入った年に最期の受験に失敗して、自殺したです」焦りのため幼児の時の言葉になりながらタラオは呟いた。
 「タラちゃんか懐かしいなぁ。僕は生きていたんだよ。ほらここを見てごらん」
 甚六は覆面の額に刺繍された『J』の文字を指差した。
 「そっそれは…準レギュラーにだけ許される名前のイニシャル!?」

51 :名無し物書き@推敲中?:04/04/19 20:05
「そう、このイニシャルがあれば僕は甚六として認識される。たとえば…声優が変わってもね。さてと…イクラ!!」
甚六が吠えるとイクラは直立不動になり
 「はい!!先生」と叫んだ。
 「お客さんに自分の趣味を押し付けるなっていつも言ってんだろぅ!コラァ!!」
 「しかし…先生こいつは客じゃぁ…」
 「君はいつから僕に口答えするようになったのかな?君のパパが僕の妹に手を出して、お金、払わないで逃げちゃったよね。いいよ。口答えしても。でもねそれは借金払ってからにしてよ。君のママが稼がないから今…4億円位になってるよ払える?」
 「甚六さん。もう勘弁してください…私。私」
泣きながら懇願するタイコに一瞥をくれた甚六は
 「あのね。お婆さん、僕ロリコンだからあなたに泣かれても気持ち悪いだけなんだ。速くお客さんにサービスしてよ。イクラ君、ママの躾ぐらいちゃんとしてよ。ふぅ。暑いからこれ取るよ」
甚六はだるそうに覆面を取った。甚六の素顔を見て、タラオは息を呑んだ。


52 :名無し物書き@推敲中?:04/04/19 21:56
 「どうだい。タラちゃん、いい顔になっただろう」
顔中に刻まれた無数の傷、それは傷の中に顔のパーツが存在している様だった。表情筋にまで達する傷も多いのか本人は笑っているつもりでも、その顔は不気味としか言い表せなかった。
 「僕は自殺したわけじゃないよ。親爺を殺さなきゃならない理由ができて身を隠したいんだよ。それより、タラちゃん楽しんでよ」
甚六はショートピースに火をつけると、美味そうに煙を吐きながらタラオにそう言った。
 「甚六さん。一つ確認させてください。親爺は…ノリスケは嵌められたんじゃないんですか?だっておかしいですよ、伊佐坂先生の原稿が遅れてそれを待っていた親爺が、ウキエさんを姦っちゃうなんて話がおかしいです。
その後甚六さんが絡んでくるのもおかしいじゃないですか」
 「おいおい変なこと言うなよ。確かに親爺は原稿がやばくなると妹を使って編集の人をたらしこんでたよ。
でも君のパパが妹をレイプしたのは本当だよ。僕がそのことを知ってるのは妹とは連絡を取ってたから。可哀相にウキエは泣いてたよ。『お兄ちゃん。ワタシ死にたい』って。それにお前だってママにこんな商売させて結構いい目見てるんだろ?
今まで儲けた金はいいからタラちゃんにサービスしろよ」
甚六の言うとおり、イクラはこの仕事で一千万近く貯めこんでいた。タイコ以外にも女を抱え、金を稼ぎこの界隈の裏ボス、タラオの祖父磯野波平を倒すことを夢見ていた。その為ならどんな屈辱や苦渋にも耐えると心に誓っていた。
 「すいませんでした、甚六さん。今からやらせます。母さんいつものように」
 「はい」タイコはタラオの前に跪きスラックスのジッパーを下ろした。
 「まっ、待って僕にはリカが。彼女のリカがいるんだ。こんなことできない、やめて、やめて」
タラオが口走った『リカ』という言葉にイクラは唇を歪めこう言った。
 「リカ?あいつは去年からオレのところで働いてるぜ。お前が会社辞めたからワタシが稼がないといけないって言ってたぜ。あいつ稼ぐし締まりも良いしお前には勿体ない女だな」
 



53 :名無し物書き@推敲中?:04/04/22 21:35
つ づ き は ま だ か ?

54 :御待たせしました:04/04/23 05:45
 「どうゆうことですか?リカが働いてる?締りがいい?ま、まさか?」
タラオは完全に混乱していた。だが去年の暮れあたりから、リカの化粧やファッションが派手になっていることが気にはなっていた。
 「どうも、こうもねーよ。オレのところで働くってことは客取ってるってこと。ウリだよ、ウリ。お客さんには粗末なもの提供できないから、オレと朝倉が味見したってことだよ。アイツ初めてイッタって言ってたぜ、ククク」
イクラは気持ちよさそうに語るとタラオのほうを見やり「こんな婆あよりリカのほうがいいか?なんなら呼ぶぜ」
 タラオはその言葉には答えられずにいた。彼の頭の中では日曜日午後6時30分の光景が走馬灯のように浮かんでいた。
 『タラちゃん。イクラちゃん。いっしょに遊びましょう』
 リカの声が聞こえる。タラオとイクラは嬉しそうにその声の方へ走っていく。
 『リカちゃん、待ってくださーい』『バブー』
 『あの頃は楽しかったです』完全に現実逃避の世界に入っていたタラオを、股間に走る快感が現実へと引き戻した。
 「タ、タイコさん!?」タイコはタラオの股間に頭を埋め、その貧弱な男性自身にむしゃぶりついていた。
 「ハハハ、いい眺めだ。タラちゃん気持ち良いかい?」
 「母さん、まだイカせるなよ」
甚六とイクラの目が見守る中でタラオはタイコの口中で果てた。
 
 

55 :常居接人:04/04/23 06:40
 「うわっ、早っ。それにちっちゃっ。これじゃリカも満足できないはずだ」
イクラは下卑た微笑を浮かべてタラオの方を見やった。タラオは効果音とともに自分の身体が小さくなる錯覚に襲われた。
 「タラちゃん若いんだからまだやれるだろ?今度はちゃんと下でイってよ。それともリカちゃんがいい?」
タラオはそれには答えず、再び現実逃避していた。
 『ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃん、カツオ兄ちゃん、ワカメ姉ちゃん。僕は悪い子じゃないです。早くて小さいのは遺伝です。パパは大きいのに、おじいちゃんやカツオ兄ちゃんは小さいです』
 「ちっ、目ぇ覚まさせてやる。…おう。リカ、お客さんだ。場所は朝倉と3Pした場所だよ。うん、元海山商事のビルだ…30分だな分かった。速く来いよ」
イクラは携帯をしまうと現実逃避中のタラオの頭を小突いた。
 「おい、リカが来るぞ。お前らのプライベート見せてもらうぜ、こうなったら金はいらねーよ。愛のあるSEX見せてくれよ」
 『…リカが来る?愛のあるSEX?僕は本当にリカを愛しているのか?…分からない、15の時リカと初めてした時、僕は彼女を愛していた。でも今はどうだ?』
 「おい!いつまでぼーっとしてんだ!!」イクラの怒号はタラオの耳には届かなかった。
 『今の僕はリカを愛していない。僕が好きなのは好きな時にやらせてくれて、お小遣いを呉れるリカが好きなだけだ。…最低だ、人間の屑だ。彼女が来たら一緒に逃げよう。そして許してもらえなくても謝ろう、そして一からやり直そう』
 「タラちゃんは動揺してるみたいだね。タイコさん、もう一度咥えてやってよ」
タイコは甚六の言葉に頷くと再びタラオのそれに舌を這わせた。
 「タラちゃん…気持ちいい?おばさんのフェラチオ気持ちいい?」
タイコは熟女独特のテクニックでタラオを攻め立てるが、タラオのそれは無反応だった。
甚六が「つまんないね」と言いかけたとき、ドアが開いた。



56 :常居接人:04/04/23 22:09
 「お楽しみのところ邪魔するよ」
部屋に入ってきたのはロマンスグレーの男と、唇が異常に腫れ上がった男だった。
 「マスオ、穴子。貴様らどうしてココが判った」
二人はイクラの問いには答えず。マスオはマリファナを吹かし、穴子はリップクリームを一度に3本使い切った。
 「ドン波平ご自慢の暗殺隊か…この傷の恨み晴らさせてもらおうかな」
甚六は呟くとホルスターからトカレフを抜き出しタラオのこめかみに突きつけた。
 「人質が効くとは思えないけどね。一応」
 「もちろん無駄だよ。私たちの任務は君とイクラ君を捕縛すること。タラオは死体で持ち帰ってもいいって言われているから」
マスオは息子の窮地にへらへら笑いながら答えた。
 「嘗めるなジジイ」
イクラは懐からダイナマイトを取り出し、左手にはライターを握った。
 「俺と甚六さんが死んだらやばいんだろ。どけよ道をあけろ。?!」
イクラの左手に激痛が走った。「キャー。イクラ!!」タイコの悲痛な叫び。イクラの左手は手首から穴子のピアノ線で切断された。
 「穴子君。素早いね。甚六君、ピストルくらいで私たちに勝てるかな」マスオはへらへら笑いを止めず手首の関節をほぐし始めた。



57 :名無し物書き@推敲中?:04/04/23 22:20
マスオさん、やばいね。

58 :常居接人:04/04/24 08:40
 「甚六君。その玩具しまわないと手足千切ってダルマにするよ」
マスオの目に妖しい光が宿る。甚六の脳裏に十年前、マスオと闘った時何もできず顔を切刻まれた記憶が甦る。
 『俺がこの男に勝つ方法はあるのか。奴が使う妙な拳法あれさえ封じれば』
マスオに対する恐怖から、口の渇きを覚えながら甚六は自らを奮い立たせた。
 「やってやるよ。十年前の僕じゃない」
甚六がトカレフの銃口を、マスオに向けようとした時だった。
 「鬼。鬼畜。許さない、イクラをこんな目にあわせて。ワタシはあんたたちを許さない」
タイコがイクラの持っていたダイナマイトとライターを手にマスオと穴子を睨みつけた。
 「フゲタクン。ヤバイ、コノオンナ、ホンキダ」
マスオと穴子にできた一瞬のスキ。甚六は見逃さなかった。
 「イクラ、立てるか?逃げるぞ」
甚六はイクラに肩を貸し、窓ガラスを突き破りビルの3階から飛び降りた。
 「…ニガラレタカ。ワレワレモニゲルゾ。ソシテヤツラヲオウ、フグタクンイソゲ」
タイコがダイナマイトに火を点けると同時に、穴子が放心したままのタラオを担ぎ上げ3人は甚六が突き破った窓から飛び降りた。
 「車を用意していたか」
飛び降りた先に甚六たちの姿は無く、イクラのものと思われる血痕がガードレールの辺りで途切れていた。
次の瞬間、衝撃音と共にビルは3階から火を吹いた。
 「フグタクン。イチド、ドンニホウコクシヨウ」
マスオは穴子の提案に頷きBMWの後部座席へタラオを乱暴に投げ入れた。
 「リカを締め上げれば何か解るかもしれないな」
BMWの運転席に乗り込んだマスオは呟いた。


 

59 :常居接人:04/04/25 12:26
 朝日ヶ丘。この平和でほのぼのとしたベッドタウンが、金と暴力が支配する町になって15年の歳月が流れた
きっかけを作ったのは4人の男。花沢不動産社長、三河屋店長、伊佐坂難物。そしてこの3人を裏で操った磯野波平。
 「磯野さん。この町を仕切りませんか?」
波平にそう持ちかけたのは、小説に行き詰まっていた伊佐坂だった。
 「伊佐坂先生。どういうことでしょうか?」
怪訝な顔をする波平の杯に酒を注ぎながら伊佐坂は答えた。
 「私、最近ほのぼの小説が書けなくなりまして。せっくす&ばいおれんすを書いているんですが、これを実行したいと思いまして」
 「面白いとは思いますが。上手くいかないでしょう」
伊佐坂のプライドを傷つけないよう、波平はやんわりと断った。しかし、伊佐坂はそれには気付かず。
 「大丈夫です。すでに花沢さんと三河屋さんは協力を承諾しています。花沢さんは売春街を作り、三河屋さんは裏で麻薬を取り扱う。そして、磯野さんがボスになり私が磯野さんをサポートする。どうです、いいアイデアでしょう」
伊佐坂の眼は完全にイっていた。波平は自問自答する
 『わしは今まで平凡に生きてきた。これからも平凡に生きていこうと思っている。だが、伊佐坂さんの申し出が魅力的に感じるのは何故だ。わしの中の餓狼が疼いている』
波平はハイライトに火をつけ再び考えた。
 『わしの中の餓えた狼。こやつはわしの身を滅ぼすかも知れん。だが、魚介類一家などと陰口を叩かれる生活にも飽きた。今、天国か地獄どちらに行くかは分からないがバスが来た。このバスに乗ってみるか?』
 「伊佐坂さん、分かりました。やりましょう。その話乗りました」
その後、伊佐坂の計画は面白いように当り、異を唱える者たちを処断しながら波平たちは組織を成長させていった。


60 :名無し物書き@推敲中?:04/04/25 19:36
飢狼伝説かYOw
サウスタウンと化すのかこの町はw

61 :常居接人:04/04/25 21:02
 マスオ、穴子そしてデクノボーと化したタラオを乗せBMWは通称「城」と呼ばれる波平の事務所へ向かっていた。
 「タラオ、城に行くのは久しぶりだろう。ドン…いやお祖父ちゃんもお前に会いたがっているぞ」
マスオはタラオに話し掛けるがタラオは呆けたようにあらぬほうを向いていた。
 「フッ。無視するのか、まあいいだろう。お祖父ちゃんの前でもそんな態度でいられるかな。さてと、もう着くぞ」
「城」その呼称は決して大げさなものではなかった。その建物は辺りを睥睨するようにそびえ立っていた。
 「マスオ様、穴子様。ドンがお待ちかねで御座います。謁見の間へどうぞ」
執事の中島に先導され3人は謁見の間へ向かった。謁見の間で待っていた磯野波平からは周りを威圧するような「氣」を発していた。
 「甚六とイクラを取り逃がしたか。まあ良い、暫らく泳がせておけ」
波平の立居振舞や言葉には古の帝王の様な風格があった。
 「申し訳ありません」
 「ドン、コノアトワレラハドノヨウニウゴケバイイノデショウカ」
穴子の問いかけに波平は。
 「貴様らは暫らく待機しておけ。カツオを動かした」
と答えた。穴子は顔色を失ったが、マスオは表情を変えなかった。
 「ドン、ナゼチョウホウタイヲ?」
 「穴子君、控えろ。諜報隊が動いたということは、甚六に繋がる不平分子が居るという事だ」
マスオが穴子を諭すと波平は苦笑した。
 「マスオくん、流石に切れるな。これは君とカツオの後継者争いでもあるのだ。黒幕の首はこのレースに大きな影響を与える。ククク、楽しみだな」
波平はそこで言葉を止め、タラオのほうを見やった。
 「タラちゃん久しぶりだな。お祖父ちゃんだよ」
波平は満面の笑みを浮かべた。だが、その眼は笑っていなかった。



62 :名無し物書き@推敲中?:04/04/25 21:33
怖すぎる。

63 :常居接人:04/04/26 00:31
タラオは相変わらず無反応だった。波平は笑顔のまま続けた。
 「おやおや、ご機嫌斜めかな?タラちゃんもうすぐリカちゃんとママがここに来るよ。そんな顔してると二人に嫌われるよ」
波平の「リカちゃん」という言葉にタラオは我に帰った。
 「?!リカがここに来る?母さんと一緒に?お願いです、彼女にリカに危害を加えないで下さい。お願いします」
母サザエの恐ろしさを熟知しているタラオは波平に懇願した。その眼に涙を湛えて。
 「まったく。女の名を聞いただけで正気に変えるとは。ドン、いや御父さんタラオには躾をやり直す必要がありますな」
マスオが得意のへらへら笑いをしながら波平にいう。波平も笑顔のまま。
 「マスオ君、そういった教育は母親の仕事だろう。ここでサザエを待とうではないか」
サザエが到着するまでの時間は2時間ほどかかった。しかしタラオにとってそれは非常に短く感じられた。
 「父さん。このアマが逃げたり抵抗したりするから遅くなっちゃった。歩け!!コラ!!!」
サザエはリカを引きずるように連れてきた。リカの顔には無数の青あざが浮かんでいた。
 「タラオ…捕まっちゃった。ごめんね、ワタシの所為で君まで捕まって。もう二人でこの町から出て行くこともむりだね」
 「リカ…悪いのは僕だ。僕が会社を辞めたから、あんな辛い仕事を」
 「!!、タラオ、知ってたの?イクラに会ったの?」
物語が昼メロのような展開になりそうになったが。サザエがそれを阻む。
 「なに昼メロやってんだよ。吐けよこのクソアマ、イクラと甚六はどこだよ」
 「知らない、ワタシが知ってるのはイクラのケータイとメルアドくらいよ」
タラオはサザエからリカを庇おうとサザエの前に立ちはだかる。
 「母さん。もう止めて、僕たちは何も知らないんだ、僕たちのことはほっといてくれ」
 「五月蝿い!!あんたみたいなのが私の子供だなんて信じられない。この女が大事なら二人で死ねよ。できないんなら、私が死なせてやるよ」



64 :常居接人:04/04/26 16:31
 サザエの怒号が響いた。タラオに恐怖心は無かった。
 「母さん、僕は最低の人間なんだ。殺されてもいいよ」
 タラオの言葉に反応してサザエは長ドスを構える。
 「待て。サザエ」
 波平の声だった。
 「この二人には聞きたいことがある。投獄せよ」
 タラオとリカは鎖で縛られ地下牢へ連行された。

 「バブー」 「おっ、イクラなんだい。絵本を読んで欲しいのか?」 
 「ハーイ」 「むかし、むかし…」 「本当にイクラはパパが大好きなのね」
タイコとノリスケの笑顔四つの眼が自分を暖かく見守っている。その風景が不意に消えた。「夢か」イクラは呟いた。同時に左手首に痛みを覚えた。
 「目を覚ましたかイクラ」
そこには甚六と白衣を着た女が立っていた。


65 :常居接人:04/04/28 00:26
 「甚六さん…その人は?まっまさかウキエさん!?」
 「久しぶりね。イクラちゃん」
 白衣を着たウキエ。彼女の美しさにイクラは息を呑んだ。それが甚六たちには焦りを感じているように見えたらしく、ウキエは微笑みながら言った。
 「心配しないで、イクラちゃん。あなたのお父さんのことには裏があったの。それにあなたに責任はないわ」
 「説明が必要なようだな」
甚六はポケットからショートピースを取り出し火をつけながら語った。
 「お前の左手はどうにか繋がった。でも元通りになるかは分からん」
イクラはギプスの中に左手の感触を感じ取った。
 「ウキエさんがこれを?」
 「ええ。これでも医師免許は持ってるから。でも、今は…。兄さん、一本頂戴」
甚六はウキエにショートピースを一本差し出すと続けた。
 「それから、お前のオヤジのことだが。あれは俺のオヤジ、難物が一服盛ったのが真相のようだ。強烈な媚薬だ、お前の言うとおりノリスケさんは嵌められたんだ」
 「甚六さん。なんで今まで隠していたんですか」
イクラは語気を荒らげた。甚六の傷だらけの顔が詫びているように見えた。
 「…すまない。お前とタイコさんには本当に申し訳ないことをした。俺には磯野グループを倒す為に金が必要なんだ。だが今日お前と俺たちの目標が同じモノだと分かった。虫のいい話なのは十分承知だ、イクラ俺たちに力を貸してくれ」
イクラは甚六の変化に気付いていた。甚六は心を開いた相手にしか「俺」という単語を使わないことに。
 「しばらく、考えさせてください。心の整理がまだ…」
 「かまわないよイクラ。俺もお前にとっては許せない相手の一人だろう。決心がついたら教えてくれ。その時はお前に殺されても構わない。でもその時は図々しいと思うだろうが、ウキエに力を貸してやってくれ」
甚六の言葉が本心からのモノなのかは分からなかった。しかし、イクラの心にその言葉が響いたことは紛れも無い事実だった。


66 :名無し物書き@推敲中?:04/04/28 03:10
たぶんねぇ、今年の新潮、もう決まってるよ

67 :常居接人:04/04/29 02:08
タラオとリカが地下牢に投獄された頃。カツオは朝倉と会っていた。
 「カツオさん、こんなに貰っていいんすか。すげー、200はあるよ」
カツオは以前から朝倉とはつながっていた。朝倉を使い、イクラにつながる不平分子を芋づる式に捕らる腹だったのだ。
 「まずは、お前の知っていることを話してもらう。アトのことは指示する。それまでは余計な動きはするな」
カツオは朝倉の頭の悪さが嫌いだったが、そんな心情はおくびにも出さなかった。
 「俺の知ってることなんてぜんぜん大したことないっすよ。イクラの商売は甚六のバックアップがあって。それからアイツは甚六に内緒でお袋さんにウリをやらせてたことぐらいっす」
 「大したことあるかないかは俺が決める。お前は俺の質問に答え、指示に従え」
カツオは苛立ちを隠せずに言った。朝倉はカツオの苛立ちを理解できずにいた。
 「すんません。でもホント大したことじゃないっすよ」
朝倉の話す情報を聞きながらカツオは『馬鹿と会話するのは疲れる』と考えながら頭の中で情報を取捨選択していた。
 「分かった。あとは、俺の指示を待て。余計なことをしたら……殺す」
カツオは朝倉に釘をさし次の一手を考えていた。

68 :常居接人:04/05/01 14:33
自宅へ向かう車中でカツオは朝倉から渡された顧客名簿に目を通していた。
 「……面白い名前があるな」
ハンドルを握るのは、中島ほど有名ではないが、カツオの友人橋本だった。
 「磯野。どんな名前があるんだ?」
橋本はカツオの部下、中島は波平の執事であったが。他に人がいないときは昔どおりに接してくれとカツオに言われていた。
 「ふっふっふ。三河屋と三郎が下手な偽名を使ってるんだ。この仕事には今のところ関係ないが…」
 「傑作だな。上手くいけばマスオ派の幹部を追い落とせるな。磯野も花沢と結婚したりして苦労しているもんな」
橋本の言葉にカツオは苦笑しながら答えた。
 「あの親子は昔から俺に目を付けていたからな。花沢の親父が元気なうちは火遊びも我慢しないといけないしな」
アクセルを踏み込みながら橋本が尋ねた。
 「三河屋の方は俺が調べようか?」
カツオは暫らく考えたあと。
 「そうだな。俺は甚六たちの影を追わないといけないからな。橋本、そっちは任せた」
 「了解。ところで磯野……」
二人の会話は昔の友人や共通の知人の話題となり。車は花沢不動産が娘夫婦の為に用意した高級マンションへ向かっていった。

 「……寒い。……暗い。……僕とリカが何をしたんだ?こんなところに閉じ込めるなんて」
「城」の地下にある地下牢。タラオとリカが独房に入れられてどのくらいの時間が経過しただろう。いまだ尋問は始められていない。タラオはこれから始まるであろう恐怖に怯え、またもや現実逃避を始めようとしていた。




69 :名無し物書き@推敲中?:04/05/01 21:42
ここ人少ないね。
あと、もっとエロ描写を所望します。

70 :名無し物書き@推敲中?:04/05/02 02:17
中島ほど有名ではないが、っつーフレーズにワラタw
何気に結構面白いぞ、これw

71 :常居接人:04/05/02 08:12
 「僕は悪い子じゃないです。それなのに、パパもママもお祖父ちゃんも僕に意地悪するです。どうしてですか」
現実逃避を始め、あらぬことを呟いていたタラオ。その目の前に、屈強な男たちを従えたワカメが現れた。
 「タラちゃん。出なさい」
ワカメは優しく語りかける。しかしタラオの耳にその言葉は届かない。男たちがタラオを立たせ、ワカメを先頭にある部屋へと連行していった。
部屋の中では穴子が女に口唇奉仕をさせていた。
 「キサマノコイビトガキタゾ」
穴子は女の髪の毛を掴み、タラオのほうを向かせた。その女、リカはタラオを見やったが。すぐ興味なさそうに視線を外し、再び穴子の男根にむしゃぶりついた。
 「リ、リカ?!何をしてるんだ。やめろ、やめるんだ」
リカを見るとタラオは現実に引き戻され、叫んだ。しかしリカにその叫びは届かず、貪るように穴子のそれをしゃぶり続ける。
 「タラちゃん。残念ね、リカちゃんはあなたより穴子さんの方が好きみたいね」
 「コノオンナ、オマエニハモッタイナイ。オレノ11ニンメノアイジンニシテヤロウ」
ワカメと穴子の言葉、そしてリカの行動がタラオに衝撃をあたえる。タラオはショックでその場に座り込んだ。穴子のモノをのどの奥まで咥え込み舌を這わせるリカに穴子が語りかける。
 「イレテホシイカ?」
穴子の言葉にリカは咥えたまま激しく頷く。
 「ヨシ。タテ、シリヲコッチニムケロ」




72 :名無し物書き@推敲中?:04/05/02 19:33
いい意味で最悪だな。

73 :常居接人:04/05/03 08:19
リカは穴子に向かって臀部を突き出す。穴子はリカのショーツを乱暴にずり下ろすと秘所に指を突っ込んだ。
 「ホウ、モウズブヌレダナ。マチキレナイカ?ホシイカ?」
 「穴子様、もう我慢できません。入れてください、ワタシをメチャクチャにしてください」
懇願するリカの顔はタラオが見たことの無いものだった。そのうっとりとした表情に、タラオは股間を熱くしながら叫んだ。
 「リカ!!お願いだやめてくれ。どうして、僕たちは愛し合ってるんじゃないのか!!」
タラオの叫びにリカは中指を立てた。
 「寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ。あんたに近づいたのは、あんたが波平様の孫だからよ。でもあんた波平様に見放されてるじゃない。ふざけんなこの短小」
リカはそこまで一気に言うと今度は口調を変えて穴子に懇願した。
 「穴子様。早く早く入れてくださいませ」
 「まったく。下品な女ね。穴子さん、どうするの?」
ワカメが見下したように言う。穴子はそれには答えず、一気にリカを貫いた。
 「ああん!!すごい、穴子様。こ、こんなの初めて」
穴子に貫かれリカは歓喜の声をあげる。ワカメは笑い、タラオは絶望の中またもや現実逃避に入った。
 「リカちゃん。僕は悪い子じゃないです。人よりちっちゃいだけです。もう止めてください。僕はどうすればいいですか……」
タラオの現実逃避から10分以上が経過した時、穴子は絶頂に近づいていた。
 「ナカニダスゾ。ウンガヨケレバオレノコヲミゴモル……」
 「穴子様、出してください。ワタシの中に……ああ!!出して!!」
リカの絶叫と共に穴子はリカの体内に放出した。タラオは現実逃避をしながらもオスとしての敗北感にさいなまれた。

74 :常居接人:04/05/04 22:11
穴子とリカの行為が終わった時、タラオの中で何かが弾けた。
 「貴様ら……僕が何をしたんだ。僕の全てを奪わないと気が済まないのか?」
タラオはワカメに飛びつこうとするが。ワカメ親衛隊がそれをあっさりと阻む。
 「…オロカナ、キサマガフグタクンノムスコデ、ドンノマゴトハシンジラレンナ」
穴子はまだ勢いを保つ肉棒を、リカの口中に突っ込みながら呟く。
 「タラちゃん。あなたが一族の面汚しだから私たちが再教育してあげてるのよ。感謝するならともかく、文句を言うなんてどういうつもりなの」
ワカメは子供を諭すような口調でひどいことを言った。
 「オット。ジョウズダナリカ。モウイチドヤルカ」
リカの口中で勢いを取り戻した穴子は好色な笑みを浮かべた。リカは頷き、タラオは再び屈辱にまみれた。

『城』からそう遠くない場所にフグ田家はあった。かつて、平和な時代に磯野家があった場所だ。
 「まったく。タラオはどうしてあんな風になっちゃたのかしら」
ワイルドターキーをラッパ飲みしながらサザエが呟く。ビールを飲んでいたマスオはそれに答える。
 「昔から甘い男になるとは思っていたが。あの甘さは私の予想以上だな」
フグ田夫婦が晩酌をしている部屋に若い男が入ってきた。
 「父さん、母さん。兄さんが捕まったようだね」
 「海老蔵か。まったく、兄弟でこれほど違うとはな」
入ってきた若い男。フグ田海老蔵はタラオの5歳下の弟で、今は磯野家の顧問弁護士になる為、国立大学の法学部に通っていた。
 「僕と兄さんを比べないでくれよ。あの男を兄だなんて思いたくもないよ」
海老蔵は吐き捨てるように言うとちゃぶ台の一角に座った。サザエは一本目のワイルドターキーを飲み干すと海老蔵に言った。
 「海老蔵。あんたワカメの手伝いをする気は無い?」
 「兄さんの再教育だね。……いいよ。明日ワカメ叔母さんのところに行くよ」
マスオにビールを注いでもらいながら海老蔵は眼に妖しい光をたたえて言った。

75 :名無し物書き@推敲中?:04/05/04 22:43
穴子はなんでカタコト?

76 :常居接人:04/05/04 23:43
>>75
穴子はあの唇を見るに、アフリカの血が入っていると判断し、カタコトにした。
この設定は今後のストーリー展開に影響しないので、今回答えさせてもらう。

77 :常居接人:04/05/05 13:02
海老蔵が生まれた日。この日が転落の始まりだった、とタラオは感じていた。磯野家のアイドル、その地位は海老蔵に取って代わられ、今まで許されていた行動も「お兄ちゃんでしょ」の一言で禁止された。
 「皆、海老蔵ばっかり可愛がるです。皆嫌いです」
家族からの愛、それを当たり前のモノとして享受していたタラオにとって、その愛が海老蔵に向けられることは我慢できなかった。
 「僕はいい子です。それなのに皆は僕のこと嫌いになったです。全部海老蔵が悪いです」
タラオが海老蔵に殺意を抱いたのは7歳の時だった。海老蔵を殺そうとその首を絞めた。
 「何をしてるんだ。タラオ、やめろ、やめるんだ」
マスオに止められたタラオは、なおもその首を絞めようとするが、抵抗は無駄だった。
 「何故、こんなことを」
マスオの問いかけにタラオは答えられず、その日初めてマスオに殴られた。そして、この日からタラオの現実逃避が始まった。

 「海老蔵君。久しぶりね」
 「ワカメ叔母さん。ご無沙汰してます」
サザエに依頼された翌日、海老蔵は早朝から『城』に来ていた。昔から兄弟仲の悪かった海老蔵にとって、タラオへの拷問は楽しみで仕方が無かった。
 「叔母さん。馬鹿兄貴は?」
 「地下牢にいるわ。昨日は傑作だったのよ。海老蔵君、今日はもっと面白くなるわよ」
ワカメは笑みを浮かべながら、海老蔵を地下牢へと誘った。

 「もうなにもいらないです。だからここから出してください」
地下牢でタラオは現実逃避を続けながら呟いていた。
 「相変わらず現実逃避か。成長しないな。目ぇ覚ませ、馬鹿兄貴」
海老蔵の声にタラオは反応し現実に引き戻された。
 「え、海老蔵……」
そこまで言うとタラオは絶句した。
 「久しぶりだな。18年前にお前に絞められた首がまだ痛む時があるんだよ」
 「僕のことはほっといてくれ。ワカメ叔母さん、僕をここから出してくれ。もう、リカはあきらめるし、磯野家とも縁を切るからお願いだ」
タラオの言葉にワカメは苦笑し、海老蔵は舌打ちをした。

78 :常居接人:04/05/06 23:16
 「まだ分かんねーのか、てめーは。いいか、てめーは一族の面汚しなんだよ。本来なら殺すところだが、お爺様の寛大な措置で再教育を受けるだけでいいんだよ。寝言こいてんじゃねーよ、このドアホウが」
海老蔵は苛立ちを隠せなかった。だが、内心はタラオに苛烈な拷問ができると鼻歌を歌い、スキップをしたい心境だった。
 「タラちゃん。リカちゃんばっかりSEXするのはずるいよね」
ワカメは満面の笑みをたたえて言った。
 「さっき、海老蔵君にもそのことを言ったらあなたにもSEXさせてあげようって言ってくれたのよ」
ワカメが指を鳴らすとワカメ親衛隊の屈強な男が現れた。
 「彼はハマグリ(仮)っていうんだけど。本格派のホモなの。すごく仕事ができるから、ご褒美をあげなきゃって叔母さん思っていたのよ」
ワカメは慈母のような笑顔で言葉を続ける。海老蔵は笑いを堪えられない様子だった。
 「だからね。ハマグリ(仮)とSEXさせてあげるわ。心配しないで、ハマグリ(仮)は攻め専門だから」
タラオはこれから自分に起こることを想像し、吐き気を催した。ハマグリ(仮)の股間はすでに戦闘態勢に入っていて、今にもはちきれそうだった。
 「兄貴。リカさんと一緒にやろうぜ」
 「海老蔵君!それは酷いわ。……でも、面白いから採用」
ワカメが目配せすると、ハマグリ(仮)はタラオを抱きかかえ前日リカと穴子が結ばれた部屋へワカメと海老蔵を先導する形で向かっていった。


79 :常居接人:04/05/06 23:24
 「サブ、イクラの動向がドンに知られたようだが、わしらは大丈夫だろうか?」
三河屋ビルでは三河屋と三郎が密談をしていた。子供のいない三河屋は三郎を腹心とし、今や三郎に実権を握られかけていた。
 「ドンはカツオを動かしたようです。カツオに知られなければいいのですが……」
立身出世を夢見て裸一貫で上京した三郎にとって、今の生活は野望の途中でしかなかった。一夜の快楽を求め、三河屋と共にイクラの紹介で女を抱いたことを三郎は後悔していた。
 「カツオの動きはできる限り掴みます。…ですが、相手は諜報隊。下手に動くとまずいことになります」
 「マスオさんに頼んで、カツオを殺るか?」
 「それは、まずいです。諜報隊の結束は非常に堅い。下手な動きはこちらの首を絞めます」
三郎はこの窮地を脱する一手を考えあぐねていた。危機感が心を支配する一方で、カツオと自分の知力の闘いが心を躍らせていることに気付いた。
 『この窮地に心を躍らせるとは。……俺は、根っからの軍師。カツオ、決着をつける時が来たな』
三郎は心に焔が立ったことを感じていた。


80 :名無し物書き@推敲中?:04/05/06 23:38
>「海老蔵君!それは酷いわ。……でも、面白いから採用」
おもしろい。

81 :常居接人:04/05/07 22:53
 タラオは今までに無い絶望、屈辱、そして敗北感を感じていた。
 「お尻が痛いです。気持ち悪いです」
ハマグリ(仮)に犯される中、それを笑いながら、穴子のモノを受け入れるリカ。タラオは屈辱の為に現実逃避だけでは精神の均衡を保てなくなっていた。
 「出してください。出してください」
タラオは泣きながら地下牢からの釈放を願った。

 「甚六さん、協力させてもらいます。でも、磯野グループを倒した後はあなたと決着をつけたい」
イクラはついに決断した。磯野グループの打倒、そのために甚六と手を組むことを。
 「すまないな。イクラ、あのグループさえ倒せば俺はお前に喜んで殺されるよ」
甚六が右手を差し出すと、イクラは力強く握り返した。
 「さてと。イクラ、これからお前に合わせたい人がいるんだ。我々の協力者たち、それからお前も良く知ってる人だ」
二人は部屋を出ると、甚六の車に乗り込み、町外れへと向かっていった。
 「甚六さん。協力者ってどんな人たちなんですか」
イクラの問いに甚六は答えた。
 「3人の婆さんだ。正体は俺の口からは言えないが、会えばお前も分かると思う」
甚六の車は、古びたホテルに止まり二人は中へ入っていった。
 「その人たちは地下にいる。行くぞイクラ」
甚六はイクラを先導しながら階段を降りていった。

82 :常居接人:04/05/08 21:00
 地下で待つ3人の老婆は何故かKKKのような覆面を被っていた。左の老婆はスケボーとラグビーボールを両脇に抱えていた。
 「待っていたぞ、甚六。ほう、イクラも一緒か」
真ん中の老婆は青島幸男そっくりの声で語りかけた。
 「ご飯はまだか?」
右の老婆はボケているらしくあらぬことを呟き、その声には生気が感じられなかった。
 「あのー、その右の人大丈夫なんですか?」
イクラの質問に真ん中が答える
 「こいつは、計画の実行に必要なんだよ。あんたは余計な心配しなくていいんだよ。計画っていうのは、『城』を爆破することだよ、あんたらの仕事は爆破が成功してからの話だね」
 「爆破?『城』を爆破?あの厳重な警備の中どうやって?」
イクラは『このバーさんたちボケてんじゃねーか』と思った。
 「波平の暴走を止める為には他に方法は無いのよ」
左の言葉は切羽詰ったものだった。イクラはその正体がなんとなく分かったが、それを口にするのははばかられた。
 「爆弾は今ウキエが作っています。あと2週間位でできると思います」
甚六の言葉を聞き、真ん中は不満そうに言った。
 「もっと早くできないのかえ。年寄りの2週間はあんたら若い衆と違って貴重だからね。それに、こいつはボケてるから2週間後には寝たきりになってるかもしれないよ」
真ん中はあごをしゃくり右の方を向いた。
 「でも、これが精一杯なんです。僕が手伝えるのは材料集めまでで、製作は素人なんで手伝えないんです」
甚六の言い分に真ん中はあざけるように言った。
 「さすがに、何度も大学に落ちるだけあって間抜けだね。まあいいよ、ブツができたら連絡しな」
甚六は嘲笑に耐え「失礼します」とだけ言ってイクラと共にホテルを後にした。イクラは甚六がこの仕打ちに耐えているのか不思議だった。

83 :常居接人:04/05/09 02:57
 「甚六さん、言われ放題でしたね」
アジトへ帰る車中でイクラは甚六に尋ねた。甚六は気にした風もなく答えた。
 「ああ、気になったか?あのババアはそういう性格なんだ。でもイヂワルにかけては天才だ、俺は頭が悪いからあのババアの知恵を借りないと目的を達成できないんだ」
イクラは、賢者長谷川町子がいじわるばあさんに最も感情移入していたことを思い出した。
 「それじゃあ、あの真ん中は…いじわるばあさん?」
イクラの言葉に甚六は頷く。
 「正解だ。でももっと早く気がつくと思っていたんだけどな」
 「あの人いったい幾つなんですか?」
いじわるばあさんの伝説はイクラも知っていた。だが、その多くはイクラが小学生だった頃に聞いたものだった。10年以上前の伝説、その主が存命であることはイクラに少なくない衝撃を与える。
 「少なくとも100は超えてる。でも、俺も正確な年齢は知らね。あのババアは凄いぞ、いまだに脳細胞はフル回転だ、天才だよ」
甚六は興奮した様子で言った。しかしイクラは爆弾テロなどといった単純な手口が成功するのかと一抹の不安を覚えた。

 「タバコが切れたな。買っていくか」
橋本はタバコを買いに、コンビニに車を止めた。その時通り過ぎた車の助手席にイクラの顔が見えた。
 「今のは、イクラ?ヤバイ、早く追わなくては」
橋本はイクラを乗せた車を追った。幸い道は空いていてその車の真後ろに着けることができた。マイナーキャラからの脱却を目指す橋本にとってそれは千載一遇の機会だった。
 「逃がさねえ。へへへ、逃がさねえ」
イクラたちが乗った車を追う橋本の目は尋常なものではなかった。だが、イクラと甚六はすでに橋本の存在に気付いていた。

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