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萌える小説を創作し続けるスレ

1 :名無し物書き@推敲中?:03/07/26 17:49
よくありそうだが、いざ書くとなると結構辛いんです・・・。

162 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/16 21:42
そんなに早くはできないよ。
萌え小説ばかり書いているわけじゃないんだから。


163 :名無し物書き@推敲中?:03/08/16 23:11
同時進行たくさんあるの?

164 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/16 23:17
>>163
萌えともう一つ別のを書いてる。
そっちがメインで萌えはほとんど気分転換用だから、進むのは遅いよ。


165 :名無し物書き@推敲中? :03/08/17 03:45
 僕らは故郷がないから帰る町がない。
 だからお盆になって、ひっそりと静まった団地の公園で、あの子に会えた。
 シーソーと砂場と低い鉄棒と、黙って浴衣を着てたたずんでいる女の子には、むせかえるような蝉時雨と濃い夏の夕日が降っていた。
 中学校に入学して一緒のクラスになった、その子の名前は恵ちゃんという。
 恵ちゃんは勝ち気で人なれた子で、ぱっちりとした目と、真っ黒な髪をもっていた。青白い滑らかな頬には美しい血の色が透いて見えた。
 僕がいる男子の輪のなかに、よく入ってきては、ませた頭で口づけの種類や体のしくみ、抱擁のしかたについて、あでやかな笑顔で知識を披露していた。
 僕は恵ちゃんから、アノとき男女がどうするのかを教えてもらった。
 もちろんそれはお話だけのことで、声を潜めて秘密を囁くと、たちまち小悪魔のような笑みを輝かせては、ついと顔を背けて別の男子へ話しかけていった。
 父親が持って帰る週刊誌には女の人の裸はたくさん載っているけれど、肝心の最後にどうするかについては、いつだって曖昧に隠されていて、盗み読んだ僕の頭のなかは、そこだけぽっかりと空白があいていた。
 鮮やかに疑問を氷解させてくれた恵ちゃんを、僕は女王様を見る従者のような面持ちで眺めていた。一年になったばかり、五月の教室のことだった。
 だから僕はアノとき男と女がどうするのか知っている。そして僕は自分が恵ちゃんを好きだということを知ったのは、梅雨が終わる頃のことだった。僕の片思いはそれからずっと続いている。
 恵ちゃんはつまらなさそうに、塗り下駄の赤い鼻緒を足指で弄んでは、ぱかぱかと動かして独り遊びをしていた。
 植え込みごしに、ためらった息を吐き出して、
「鈴木」
 声をかけた。『恵ちゃん』は、僕が夜になって布団のなかで苦しくなったときにつぶやく、寂しい呼び名だった。


166 :名無し物書き@推敲中? :03/08/17 03:49
 白い影がゆっくりと動く。
「山田くん」
 朝顔の花をあしらった涼しげな浴衣だった。小さくおさげに結わえた髪の房が夕日を浴びてつやつやと光る。
「家、この近くなの?」
 僕は後ろの団地を指差して、
「ここ」
 と答えた。植え込みをぐるりと廻り公園に歩み入った。
 自分が住んでいるところを知ってもらえたことが嬉しくて、そんな自分は恵ちゃんが駅向こうに住んでいることも、名簿を暗記して住所も電話番号もすっかり知っていた。
 近寄ると心臓が知らぬ間に激しく高鳴っていた。
「何してるの」
「知佳を待ってるの」
 恵ちゃんは素っ気なかった。僕がまごまご戸惑っていると助け舟のつもりなのか得意げな顔で、
「お祭り見に行くのよ」
 ぴやぴやと響くソプラノで自慢した。
「どこの? 八幡神社は終ったばかりだから、もしかして、阿波踊り?」
 それは隣の市でやっている、この辺ではわりと有名なお祭りだった。嬉しそうに頷くと僕に向かって両袖をひろげた。
「かわいいでしょ。お母さんに着せてもらったの」
 これが教室なら「別に」とか適当にごまかして、そんなことをしたって意味のない、強がりや格好つけをするのだけれど、
「かわいい」
 思ってもみない声が出た。
 恵ちゃんは、ほんの間だけ、はっとしたような表情を見せたけど、すぐ満面に笑顔を浮かべ、その大きな目で僕をまじまじと見つめる。ほこらし気に何度か頷いたら、黙って、その場で小さな円を描くように回った。


167 :名無し物書き@推敲中? :03/08/17 03:55
「旅行にいってきたんだ。昨日帰ってきたの」
「どこ?」
「キャンプ! テントを張ってカマドつくって星を見た。お父さんに教えてもらって釣りもしたよ。すぐ離しちゃったんだけど、大きくて、キラキラ光ってピチピチ跳ねてね、魚ってすごいの。釣りしたことある?」
「ない。友達と釣り堀に行ったことあるけど、一匹も釣れなかった」
 悔しそうな僕の言葉に恵ちゃんは、まなじりを下げる。
「星もすごかったよ。空のずうっと端っこの方まであってね、頭のうえになるほど増えていって、それがぜんぶ光ってるの。落ちてこないのが不思議なくらい、いっぱい光ってた。
気をつけてると流れ星が見れるんだよ。お母さんは見つけてた。わたしは駄目だったけど。お母さんはたくさん見つけてた。それでね、夜は寝袋に入って眠るの」
 うらやましくなって、同時に悲しくなって、なんで僕は恵ちゃんを、そんなところへ連れてつれていけなかったんだろうと、たたらを踏む。
「怖い話、した?」
 訊ねると、黒目をらんらんと輝かせて恵ちゃんは小さな口を開く。僕の耳もとに唇を近づけて囁いた。
「こんど教えてあげる」
 背筋が粟立つのは怖い話を聞きたいからではなく、耳たぶへかかった恵ちゃんの吐息のせいだ。


168 :名無し物書き@推敲中? :03/08/17 03:59
 僕たちは学校のことや、連絡を取りあった友達のこと、駅前にできた新しいペットショップのことについてしゃべった。
 僕の家は父親が旅行が嫌いで母親はパートで忙しかった。母親は隣町の生まれで、和歌山にあるという父の田舎には、なぜだか生まれて一度も行ったことがなかった。
 恵ちゃんがふくらはぎの辺を、むずがゆそうにさすった。
「さされた?」
「あたし、さされやすいんだ」
 膝を曲げて浴衣のうえからふくらはぎの辺をぽりぽりと掻いている。いつの間にか僕も二の腕の裏側をやられていた。
 二人でぽりぽり掻いていると、悪戯っぽく目を光らせて顔をあげると教えてくれた。
「キャンプでも虫除けスプレー塗ってたんだけど、すごいことになってるよ」
 近くのベンチに並んで座ると、恵ちゃんは浴衣の裾をそっとはだいて見せてくれた。白くつややかなふくらはぎに、こんもりとした麦粒ほどの盛上りが、いくつも出来ていた。
 そのなかの大きめの一つへ恵ちゃんは桜色の爪先で十字に印をつける。はだけた浴衣の陰から幽かにのぞいた女の子の内腿は、しっとりと湿っているように見えた。
 恵ちゃんはぷくぷくとしたふくらみの一つを指で示した。
「これが一番大きい」
 僕は息を殺して肌理の細かい産毛のほとんど生えていない、ふくらはぎをねめまわす。
「こっちの方が大きくない?」
 膝の裏側近くにある赤味をさした斑点を、そっと指で差した。
「ほんとだ」
 そう言って恵ちゃんは膝を外側に返す。合わせた前みごろが大きくひらいて、ふっくらとした腿のつけ根があらわになった。
「かゆいのはどこ?」
 思案顔で恵ちゃんは、いま十文字をつけたところと、
「ここと、ここ、かな」
 それより膝寄りにある、もう一ケ所を柔らかそうな指の腹で押した。
「爪で、ばってんをつけるのは、効く?」
「効く気がする。かゆくなくなるのよ」
「ほんと?」
「やってあげる。見せて」
 恵ちゃんはこちらを向いて、さあ、といった風に両手を差し出すと、甘やかに微笑む。
 驚いた僕が呆然としていると、
「さあ」
 と、せっつく。


169 :名無し物書き@推敲中?:03/08/17 04:03
 顔が赤らんでいくのが自分でも恥ずかしくて、僕はぶっきらぼうに片腕を上げた。恵ちゃんは睫をあげて訊ねてくる。
「どこ?」
「このへん」
 恵ちゃんはずいっと近寄って柔らかい指で腕を掴む。もう片方の指は、僕が適当に差したあたりにゆっくりと触れた。
「ここ?」
 耳まで赤くした僕が頷く。恵ちゃんは白い手で二の腕を優しく包むように持ち直すと、桜色の爪先で縦に、横に、印を刻んだ。
「山田くんは、いつもどうしてるの?」
「唾つけてる」
「ふうん」
 つけたばかりの印をまじまじと見つめていた恵ちゃんは、少し考えると両手で腕を抱くようにして唇を寄せた。
 あっ、と思う間もなく唇が虫さされの傷口に吸いついた。たっぷりの唾液で濡らすと柔らかい舌先がちろちろと傷口のうえを転がる。唇を離すと舌の腹で印を下からゆっくりと舐め上げた。
「これでいい?」
 恵ちゃんは頭がくっつくぐらいの距離から上目遣いに僕を見上げて、にっこりと嬉しそうに微笑んだ。
 ほんのわずかな間の出来事だったけれど、僕には起きたことが現実だとは思えなかった。
 恵ちゃんは、ついと、顔を離すと、はだけたままの足を指して言った。
「山田くんも、やって」
 そして大きく膝を外側にむけて美しいふくらはぎを僕にさらした。


170 :名無し物書き@推敲中? :03/08/17 04:09
夕立までたどり着けませんでした。ってか思いっきり途中です。
もとネタはありますけど、ほぼオリジナルなんで勘弁して下さい。

171 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/17 15:39
ネタを投下したら上げなきゃダメでしょ。

172 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/17 21:17
まだ続き書くの?
まぁいいや、ここまでの感想ね。
中学1年が主人公の一人称小説にしては、
地の文で使われてる言葉とか描写とかが、なんか子供らしくない。
もうちょっと中学1年らしい言葉とか描写を選ぶといいと思う。
あでやかな笑顔、たたらを踏む、とか、中学1年は使わないと思うし。
まだ他にもあれって思う描写が結構あったから、
気をつけたほうがいいよ。
まぁ、余計なお世話だったら聞き流してよ。
萌え要素の方は、問題ないと思う。
中学の頃の女の子の、大人びた雰囲気と子供らしさが入り混じった感じがいいとおもう。
というか、萌えの部分に関しては、自分のやりたいようにやればいい。
ああ、あれって萌えるなという気持ちを前面に出していけば、
他人意見する必要などないと思う。

173 :170:03/08/17 23:32
感想ありがと。
描写については語り方の問題ですね。
1人称で「回想」している「僕」として視点をきちんと定めた
ほうがよかったかも。混ざってた。参考にするよ。
あの書き出しだと、「現在進行」の「僕」として主に語る書き方に見える。

労力的にしんどいので続きは、また今度にします。

174 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/18 15:40
定期上げ。

175 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/08/18 22:01
>>170
うむ、書いてくれてありがとう、親切さん!!保存しといた!!
あれだ、「折からの雨でびしょ濡れ」まで行かなかったのは
ちょっと残念だけどもな!!続きを期待しているぞ!!

ttp://mike-j.hp.infoseek.co.jp/ICS214L.jpg
ttp://mike-j.hp.infoseek.co.jp/ICS209L.jpg

↑今日祭り板でもらったエロURLだが、イマジネーションの足しにでもしてくれ!!

176 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/18 22:09
エロ画像かと思ったら、微妙だね。
まぁ、ここに相応しいけど。

177 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/08/18 22:12
>>176
いや、選んだんだよ!!こういうスレで「もろエロ」もどうかと思って!!
URLの末尾削ればちゃんと(?)エロ画像に行くぞ!!

178 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/08/18 22:16
ttp://mike-j.hp.infoseek.co.jp/
ちなみに18禁な。おこちゃまは>>175

179 :(´・_ゝ・`)ノ:03/08/20 01:24
定期上げ

180 :名無し物書き@推敲中?:03/08/20 07:16
萌えってな

……こ、これは(・∀・)イイ!!

っていう情動を抱かせるものだよな?
その上で物語として成立させている必要があると。
まぁ、物語がきちんと成り立っていなけりゃ萌えも何もないか?
いずれ、ハイレベルにまとめてやる必要があるみたいだな。

創作とは押し並べて難しいもんだな。本当、色々な意味で。

181 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:03
| -`).。oO(ダレモミテナイ…トウカスルナライマノウチ…

 「ふぁ〜ふ」
 まだ一寸ぼんやりしている頭を軽く振って、僕は立ち上がる。そして軽く伸びをする。
 いつの間にやらすっかり寝入っていたようだ。二の腕についてしまった畳の後が一寸じんじんする。かすかに祭囃子の音が聞こえる。そういえば今日は祭だったっけかな。
 八月半ば、一般的に盆と呼ばれる時期に、僕は実家に帰省していた。見渡せば田んぼやら畑やらが広がる田舎で、誰も何にも急かされてはいない。僕の普段住んでいる環境とは大違いだった。
 いつもと違う、ゆったりと流れる時間が心地よく、それ故にか時間が何時の間にか過ぎていく。少し寝転がっていたつもりだったのに、あたりはすっかり薄暗い。
 「そう云えば、今日は祭だったかな」
 毎年、この時期に山の神社で開催される盆踊り。結構出店も多く、この日だけは普段とは違った賑わいがあった。この町に住んでいた頃―学生だった頃は、毎年のように友人と連れ立って行ったものだ。
 ―一寸、行ってみるかな。
 何気なくそう思い、だらけた体に少し活を入れて、僕は立ち上がった。
 実家から神社まではそう遠くない。暫く歩いて林道に入れば、あとは一本道だ。僕は薄い上着を羽織って、ふらりと外に出た。
 蝉の声が聞こえる。祭囃子がそれに重なる。風に揺られてか草葉が掠れる音が、かすかに其れに混じる。普段とは違う―普段のそれとは違うからこその―どことなく幽玄的な空間に、不思議と好感を覚えている自分が居た。
 尤も、ここで暮らしているときは都会に憧れ、こんなところ一秒も居たいとは思っていなかったわけだが。
 少し苦笑した。


182 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:04
2.

 神社に近づくにつれ、少しづつ道の脇に屋台が見られるようになった。それにつられるかのように人の数も増えていた。祭囃子がよりはっきりと聞こえる。蝉の声が子供達のはしゃぐ声と、人が集まったときの喧騒に変わっていった。
 出店というものも祭りならではと、ふらふらと寄り道をしながらの道中となっていた。手にはいつの間にかたこ焼きやら焼きそばやら。何故か赤い風車まで持っていた。全く声が掛かるたびに寄り道をしていては大変だ。
 ……と、ぽつり、と僕の額に何か冷たいものが当たった。
 ぽつり、ぽつ、ぽつ……それは段々と増えていき、仕舞いにはさぁさぁと結構な勢いで降り始めた。
 ―参ったな。
 半ばその場の思いつきで出てきたものだから、雨具の用意など全くしていなかった。天気予報では予想されていたのか、皆どこからか傘を取り出しては歩いていく。子供たちは益々騒がしく駆けて行く。一寸裏切られた気分だ。
 とりあえず、林道を少し外れた木陰に駆け込み一息つく。所詮通り雨、そのうち止むだろうと高をくくり抱えたたこ焼きに箸をつける。少し濡れた服と辺りの湿気が気色悪い。

 ふと、自分の後ろで誰か動いた気がして、そちらに気を向けた。其処に居たのは、年のころ十八、九、丈は僕より一回り小さいくらいの、浴衣姿のお嬢さんだった。ずぶ濡れではないところを見ると、僕と同じように振り出して直ぐ駆け込んできたりしたのだろうか。
 彼女はこちらに気づいていたのか、にこりと微笑んでこんにちわ、と軽く挨拶をしてくれた。
 僕もつられるようにこんちわ、と返す。しかし先客が居たとは、全く気がつかなかった。
 雨音激しくさぁさぁと振り続けている。周りの喧騒は何時の間にか聞こえない。
 「いや、急にヒドイ雨ですね。参りました何も用意していなくて」


183 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:06
3.

 ―その纏め上げた黒髪と微妙に覗いているうなじが素敵ですお嬢さん。
 「そうですね、本当に」
 「折角のお祭だと云うのに、一寸残念ですね」
 ―まぁ尤も今の僕はその透き通るような白い肌と薄桃色の唇、ほっそりとした喉元にどきどきなんですけれどもお嬢さん。
 「えぇ。でもきっと通り雨ですから。上がった後に涼しくなってくれると良いのですけれど」
 「そうですねきっと普段の着物姿も素敵なんでしょうけれども少し濡れた浴衣姿もなかなか素敵ですよお嬢さんところでその浴衣素敵ですね」
 ―そうですね、でも少し蒸しますから、矢張り振られている間は一寸
 ……あ、しまった、反転した。
 お嬢さんはあら、と一寸はにかんで、ありがとうございます、と云ってくれた。うっすら朱に染まった頬がまた素敵ですお嬢さん。そして僕は真っ赤です。耳たぶまできっと。


184 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:08
4.

 「―あ、いやその他意はなくてですね、お祭りですし。いいですよね―和服って。失われた日本の文化というか。あははは。ところでたこやきなんかいかがですか?先刻買ってきたのですが」
 何がどう良いのかよく分からないが、とりあえず僕の中で日本文化は失われてたらしい。彼女はくすくすと笑いながら、頂きます、と爪楊枝に手を伸ばした。
僕も何故か照れながらたこ焼きを一つほおばる。出来立てを貰ってきたのだが、何時の間にか少し冷めてしまっていた。まぁ、猫舌な僕には丁度良いくらいだが。あと食事中のお嬢さんを見つめるのは失礼だぞ自分。
 「―ところで、その風車」
 「え、あぁ、先刻そこで貰ったんです。おまけに、って」
 僕は持っていた赤い風車に、ふーっと息を吹きかけてくるくると回してみた。案外と良く回る。
 「同じものを、前に貰ったことがあるんです。なんだか懐かしくて」
 一寸寂しそうに、彼女は笑った。そのとき僕は何となくだが、彼女は誰かを待っているのだろうということ、その誰かが彼女にとってどういうひとなのだろうということが、分かった気がした。
 雨音だけが響く。さぁさぁと。間が保たない。
 「あー、では今日は此処で待ち合わせですか?」
 ずっと、待たされっぱなしです、と少し困ったような、拗ねたような彼女。
 その、彼と待ち合わせですかと余計なことを聞いてみたら、今度は真っ赤になってうつむいて、やだ、まだそんなんじゃありませんと段々声が小さくなっていく様がとってもキュートですよお嬢さん。


185 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:09
5.

 さて、そうこうしているうちに所詮は通り雨、すっかりあがってしまっていた。先刻までやかましいほどに聞こえていた雨音が嘘のように今は無く、また辺りは喧騒に包まれはじめていた。
 「―雨、止みましたね」
 彼女はまだ真っ赤にうつむいたままだ。こくん、と小さくうなずくのが見えた。
 「―それじゃ、僕はもう行きますね。彼に悪いですし」
 あー耳まで真っ赤ですよお嬢さん。そろそろ湯気が出てきそうですね。
 ふと思って、持っていたたこやきと風車を彼女のほうに差し出す。一寸戸惑っているような彼女。
 「あ、もしよろしければこれ、どうぞ。僕はもう一寸その辺りを回って帰りますので」
 多分、照れてたのだろう。自分でも何をしているのかよく分からないが、兎に角たこやきと風車を彼女に渡してその場を去った。彼女は微笑んでありがとうございます、と云ってくれた。
でも一寸寂しそうに見えたのは、きっと僕の気の所為だろう。そして今思うと随分デリカシーの無いことだったのかもしれない。
 さて結局僕は、出店を幾つか回って岐路についた。辺りはすっかり祭りの喧騒に包まれていた。あのお嬢さんと過ごしていた、雨音だけの時間が嘘のようだった。

186 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:09
6.

 後日談となるが、かねてから「出る」と噂の木の下に、今年はお供え物らしきものがあったとの話が、酒の席で少し話題となった。祭りの後片付けをしていた地元の青年団員が、その木の下に、ちょこん、と置いてあるたこ焼きと赤い風車を見つけたんだそうだ。
 たいして珍しいものではないが、場所が場所だけに、といったところだろうか。
 「で、結局その出るってのは、何が出るんですか」
 親父の晩酌に付き合いながら一寸聞いてみる。妙に懐かしそうな表情をした親父は、赤ら顔で語り始めた。
 「なに、昔な、仲のよい恋人同士が居て、毎年あの木の下で待ち合わせをしていたらしいんだと。だが戦で男のほうが取られてしまい、ある年の祭りは男が来ることができなかった」
 親父が一気に酒を煽る。それで、と俺は空いたグラスに酒を注ぐ。
 「でな、その娘さんのほうは知っていたのか知らなかったのか、その年もその木の下で待っていたそうなんだと。途中で雨が降って祭りが中止になっても、ずっとな。その後、それが元で肺炎を患ってしまっただとかいろいろ話があったが、それは実のところ誰も知らない」
 

187 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:29
7.

 またグラスが空になった。とりあえず注ぐ。
 「それから何年か後、雨の降っていた祭りの夜、その木の下で誰かを待っているような娘さんを見かけたというものがいてな。
それから雨の振る祭りの夜には、誰かがその木の下で、浴衣姿で立っている娘さんを見かけるんだそうだ。しかも話を聞くに、どうも同じ背格好をしているらしい。
年若い、浴衣の似合う白色美人。ありがちだけどな」
 ふーん、と今度は僕が酒を注がれる番だった。まだ待っているのでしょうか、一寸悲しい話ですね、と云い酒を煽る。
 「実を云うとな、昔父さんも逢ったことがあるんだ。その木の下で。大人しい、可愛い娘さんだった」
 母さんに聞かれたらどつかれますよ?内緒にしといてくれ。僕のグラスに、さらに酒が注がれた。
 まぁ、それが噂のそれかどうかは知らないけれどな、と親父は続けた。
 「で、父さんの時も、娘さんに渡した風車とたこ焼きがちょこん、と置いてあったんだ。あのときはやっぱり余計なことだったかと一寸ショックだったな」
 ―あんたもかよ。何か云ったか?いやなんでもないです。
 だから今年も多分、誰かが逢ったんだろう。親父は何故か一寸寂しそうに云っていた。
 
 実家からの帰りの電車の中、僕はうつらうつらとしながら、出会ったお嬢さんのことを考えていた。
 ―まぁ、お盆だし。そういうこともあるか。
 とりあえず、来年もこの時期、帰郷してみようと思った。
 この電車が駅に着いたら、また僕の日常が始まる。
 祭囃子が、聞こえた、気がした。
 
 
 夏と浴衣と彼女の記憶 了

188 :181:03/08/21 04:33
良くまとまってないのか・・・長くなってしまいました・・・
趣旨から外れているかもしれないです・・・すみません・・・
(一応、浴衣と夕立で思い立ったものです)


| -`).。oO(感想とか・・・いただけたら・・・うれしいです・・・

189 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 08:40
萌えよりは綺麗なお話だなぁ。
いや、文体だのの技巧はまた別として、結構いいと思いますよ。
それなりにまとまっていると思いますし。
ってこれじゃ感想になりませんな。失敬。

娘さんの正体の伏線をもう少し会話中とかに織り交ぜるか、
会話の前後に一つ段階を作るかしたほうが良いかも知れません。
イメージはグラデーションというか、流れるようなモノ。流動体。

あと、段落を視覚的に意識するがよろしいと思いますよ。
文を読まずに全体として見て、綺麗に見えるかどうかです。

こんな感想流していただいても一向に構わないのですけれども。

190 :181:03/08/21 12:49
>>189
早速の感想ありがとうございます。
「萌え」とは違うかなぁ・・・と薄々思ったりはしたのですが、
「綺麗」と評価いただけるとは思わなかったので、一寸びっくりです。

> 娘さんの正体の伏線をもう少し会話中とかに織り交ぜるか、
> 会話の前後に一つ段階を作るかしたほうが良いかも知れません。
う〜ん、展開が一寸唐突過ぎたというか、もう少し伏線を用意したほうが
上手く流れたかもしれないですにゃ。

> あと、段落を視覚的に意識するがよろしいと思いますよ。
一文がそのまま書かれてしまって、改行がブラウザ任せなのが
拙いですね。つい、エディタで書いたまま投稿してしまいました。
留意したいと思います。



そして次は、こう、萌え転がる方向を目指して。

191 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 16:25
あげ

192 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/08/23 19:11
Σ ( ̄ロ ̄lll)うお、作品上がってんじゃねえか!!
>>181は書いてくれてありがとな!!
いや、いいね、幽子ちゃん(仮)!!
「透き通るような白い肌と薄桃色の唇、ほっそりとした喉元」とか
「濡れた浴衣姿」の文なんか、萌え描写するとともに、
少女が幽霊である微妙な伏線になっていて感心したよ!!
優麗かつ幽霊!!しゃれが利いてるね!!
>>183のあたりも微笑ましくて好きだぞ!!

例によって細かい批評は避けて、「良かった」ということだけゆうておく!!
また書いてくれよな!!

193 :181:03/08/27 05:08
>>193
感想ありがとうございます。
某プロパイダ規制に掛かってました。くふ。
「透き通るような〜」云々の描写は「こういうひとがいたらなぁ…いるかなぁ…」
とか思って書いていたら何時の間にかこの世のひとでは無くなっていたというのは内緒です<何

しかし技巧というか文章としては
矢張りまだまだ精進必要だな…と云うのは勿論のこと。
細かい単語の用法やら云い回しやらの技術以前に、
もう一寸話を整理するというか、ページ配分のようなものを
考えて作ってみたいと思います。

194 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/09/13 19:46
うむ!!寂れておるな!!良い感じだ!!
俺が何か書ければよいのだろうが、小説はとんと書いた事が
ございませんのですよコノヤロウ。いわんや萌えをや!!!!

というわけで引き続き「萌えのシチュエーション」について
考察していく俺がいるわけだが、あれだな、「風邪とお見舞い」
なんていうのは、「風邪が女」でも「お見舞いが女」でも、
どちらでもおっけーだよな!!リンゴ剥いたり、おかゆ作ったり、
体温計くわえさせたり、おでこくっつけたり、からだ拭いたりしてな!!
「ダメ・・・感染っちゃうよう・・・」とかゆわせたりしてな!!
なにを一人で盛り上がってるんだ、俺!!もうすぐ三十路だ!!!

195 :名無し物書き@推敲中?:03/09/27 03:36
伍長殿のリクエスト受け取りました。
こんな夜中に何ですが、今すぐ文を書き始めます。

196 :195:03/09/27 06:05
駄目です。
実際に書いてみると激難です。
伍長どの、我撃沈しました。

197 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/09/27 19:25
Σ ( ̄ロ ̄lll) あきらめ早ええな?!!3時間で?!!

198 :赤城青紀:03/10/19 00:15
ネタ投下 後で我に返ったら悶え死ぬかも

 昨晩パソコンをやっていて寝オチしたこと。秋でも窓を開けたままで寝たら風邪を引くということ。家族の誰かがそんな俺を運んでくれたこと。寝ている間に風邪はもう回復しかけていること。そのようなことは大体理解できた。
 ただ解せないのは、俺が何故か妹を抱いて寝ているということだった。
 もちろんいやらしい意味ではない。芽衣は制服を着たままだったし、体がかなり冷えている。それが火照った体に気持ちよくて俺は芽衣を抱きしめていたのだろう。
 ともかく何も非難されるようなことは無いと分かったので俺はさっさと芽衣を追い出すことにした。
 とその前に一応感触を確かめておこうと思いつき、ぎゅっと芽衣を抱きしめた。
 体の熱が奪われて気持ちがいい。眠っている芽衣の体は弛緩しきっていてとても抱き心地も良かった。


199 :赤城青紀:03/10/19 00:17
「ほら、め、い、起きろ。起きろってば。芽衣」
しばらく抱き心地を堪能した後、ぐにぐにとぷにぷにのほっぺたをつねってひっぱってやる。三十秒ほどしてようやく芽衣の目が開いた。状況を理解しようとするようにぼおっと俺のほうを見つめてから思い出したように突然ちいさくあくびをしてそれからまぶたを擦った。
「目傷めるぞそれ」
「しょうがないよ。こうでもしないと目が覚めないし」
言いながら芽衣はまぶたから両手を離すと手を突っ張って背伸びをした。それから両目をパッチリと開ける。
「おはよう。おにいちゃん」
にっこりと微笑みながら俺に話しかける。顔がすぐ目の前にあるものだから、つい緊張して目をそらしてしまった。
「ところでなんだって俺の布団に入っているんだ?」

200 :赤城青紀:03/10/19 00:20
疑問に思ったことを聞いただけなのだが、すぐに芽衣は反応して「聞いて聞いて」のポーズをとった。
握った両手を胸の辺りに持ってくるポーズだ。見ようによってはピーカブースタイルに見えなくも無い。
本人は気付いてないかもしれないが、芽衣は何か聞いてほしいことがあるといつもこのポーズをとる。
「今日ね。ほんと外すごく寒かったんだよ。ほんと凍えちゃうぐらい。雪も降るかもしれないよね。
それでかわいそうなあたしは寒さに震えながら帰ってきたんだけど、お兄ちゃんが心配で部屋のぞいたらすごくあったかそうだったからつい」
芽衣はどうやら俺のことを心配してくれていたようだ。それは素直に嬉しいことなのだが。

201 :赤城青紀:03/10/19 00:21
「寒かったのは分かったけど病人に鞭打つようなことするなよ」
またもや芽衣はにこっとわらった。
「でも気持ちよかったんでしょ?」
……あれ?
「えーと」
「どうせならもうちょっとやさしく抱きしめてほしかったな、あたし」
起きていたんですかアナタ。
「うりうり。おにいちゃんむぎゅー」
「うわっ、やめろって。首に手をまわすなってば」
まあでもきもちよかったわけで。
結局俺は翌日も寝過ごすことになったのでした。

202 :名無し物書き@推敲中?:03/10/20 11:58
>>198-201
妹萌え。ものすごいいきおいで。
「聞いて聞いて」のポーズあたりで転げまわってます。
ギュっとしてるあたりで起きるかなぁとか思ってみたりしたのですが
「実は起きていた」というところもかなりいいですね
そして翌日も寝て過ごすわけですね妹付きで (何
ウリウリ オニーチャンムギュー( ・∀・)つ)´Д`*)

> 赤白青紀氏
おつかれさまです。
われにかえって悶え転げてください。
あと、勢いだけの感想で御免なさい。

そして折角なのでage

203 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/10/20 22:50
>>198
(=゚ω゚)ノ うむ、いいぞ!!妹かわゆらしい!!ひとつほしい!!
「ありえないけど憧れる」、見果てぬ妄想、人はそれを「萌え」と呼ぶ!!
ただひとつもったいないと思うのはだな、せっかく良い妄想力を
持っておるのだから、「照れるな」とゆいたいね、俺は!!
これは特にアマチュアにすごく多くて、どうも興ざめだ!!
同人誌などの素人サイトとか見てても「いいわけ」が多い!!
俺はエロ小説などをよく読んだりするわけだが、やっぱり売れてる人とかは
「いや、俺、こうゆうの好きっすから!!ええ、そうですよ、いつも
 こんなコト考えてます!!いけませんか?!!!」みたいな、
自分の性癖をこれでもかとゆわんばかりにぶつけてきている。
こうゆう「妄想力」が問われるジャンルは、いっそ読者の事など考えず
自分の楽しみのためだけにリビドーを全開にする、とかのほうが
読んでいる側は楽しかったりするものなのさ!!
「聞いて聞いて」とか、ええ感じじゃないか!!むしろ誇れ!!
ま、書いてくれてありがとう!!保存しといた!!



204 :赤城青紀:03/10/21 07:04
簡素に感謝。
>>202
なによりageてくれたことに感謝。
一日くらいレスつかなくてちょっと焦ってたです。
次はネタ投下したらageをやっとこうかな。
思う存分萌え転げてください。

>>203
感想というか激励にさんくす。
確かに自分に対しても言い訳してたかも。反省。

205 :名無し物書き@推敲中?:03/11/05 11:14
ほしゅ

206 :名無し物書き@推敲中?:03/11/27 17:02
ほしゅしゅ

207 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :04/01/02 20:03
うむ!!明けまして(=゚ω゚)ノぃょぅ!!
今年もプロになれるとかなれないとか上手いとか下手だとか
端から見たらどんな風に感じるかとか、
そんな事には一切とらわれず、
「ええがな、俺、こんなん好きやねん!!いろいろゆうな!!」
みたいなスタンスで皆さんが萌え道を進みますよおに!!

208 :マジレスおぢさん ◆gdjEowoico :04/01/02 21:36
喪中なので、寒中お見舞い申し上げます。
中層部探検中に、このスレを発見しました。
私の趣味ジャンルとは異なるので、感想は差しひかえます。みなさん、がんばってください。


209 :名無し物書き@推敲中?:04/03/03 22:13
赤城青紀=マジレスおじさん








…だったらやだな…。

210 :名無し物書き@推敲中?:04/03/22 16:34
このスレが流行らないのはある意味板が健全な証しか

211 :守人 ◆c9IAlTLm4s :04/05/08 04:25
初カキコします。

自分も書きたいんですが、パロ系(2次)はだめですか?

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