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萌える小説を創作し続けるスレ

181 :名無し物書き@推敲中?:03/08/21 04:03
| -`).。oO(ダレモミテナイ…トウカスルナライマノウチ…

 「ふぁ〜ふ」
 まだ一寸ぼんやりしている頭を軽く振って、僕は立ち上がる。そして軽く伸びをする。
 いつの間にやらすっかり寝入っていたようだ。二の腕についてしまった畳の後が一寸じんじんする。かすかに祭囃子の音が聞こえる。そういえば今日は祭だったっけかな。
 八月半ば、一般的に盆と呼ばれる時期に、僕は実家に帰省していた。見渡せば田んぼやら畑やらが広がる田舎で、誰も何にも急かされてはいない。僕の普段住んでいる環境とは大違いだった。
 いつもと違う、ゆったりと流れる時間が心地よく、それ故にか時間が何時の間にか過ぎていく。少し寝転がっていたつもりだったのに、あたりはすっかり薄暗い。
 「そう云えば、今日は祭だったかな」
 毎年、この時期に山の神社で開催される盆踊り。結構出店も多く、この日だけは普段とは違った賑わいがあった。この町に住んでいた頃―学生だった頃は、毎年のように友人と連れ立って行ったものだ。
 ―一寸、行ってみるかな。
 何気なくそう思い、だらけた体に少し活を入れて、僕は立ち上がった。
 実家から神社まではそう遠くない。暫く歩いて林道に入れば、あとは一本道だ。僕は薄い上着を羽織って、ふらりと外に出た。
 蝉の声が聞こえる。祭囃子がそれに重なる。風に揺られてか草葉が掠れる音が、かすかに其れに混じる。普段とは違う―普段のそれとは違うからこその―どことなく幽玄的な空間に、不思議と好感を覚えている自分が居た。
 尤も、ここで暮らしているときは都会に憧れ、こんなところ一秒も居たいとは思っていなかったわけだが。
 少し苦笑した。


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