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今日読んだ作品の感想@創作文芸板

1 :1:02/08/10 22:49
作品の読後感想を読み終えた勢いそのままに書き連ねてください。

ちなみにオレが今日読んだのは、ギッシング「ヘンリ・ライクロフトの私記」(岩波文庫)。
静かではあるがしっかりとした思想が根底に流れている手記形式の良作。
読みながらとったメモがノート30ページ分にもなった。
その優れた種々の短編とともに、ギッシングには脱帽。

2 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 22:52
>>1
小説じゃなくてもいいんかい?
1が上げてる本は見たことも聞いたこともないもんで…

3 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 22:54
んじゃあっちと重複するが、
ジェイムズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」。
あれは本当に無理。
力が付いてから原書でチャレンジ、だな……

誰か読んだ人いる?

4 :フィネガン:02/08/10 22:58
ああ、内容も紹介すりゃよかった。
一行目から意味の分かくらん「文字」の断片がズラズラと続く。
引用すると「く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、今も度失せぬ巡り路を媚行し・・・」
ってな感じ。
これがハードカバー二冊分。
死にますって、これ。

5 :1:02/08/10 22:59
>>2
オレが挙げたのは一応手記形式の小説。
ここで触れるのは商業出版された作品のみにしましょう。
投稿サイト等の作品はなしということで。
基本的には小説のみでお願いします。

>>3
原書、はよしたほうがいいのでは?
ユリシーズは読んだの?

6 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 22:59
ダブリン市民は読んだけど普通に面白かった。
だけど、普通。

7 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:02
フィネガンは辛そうだね。


8 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:05
斎田憲 ◆aTYReZMM :02/08/10 22:41
信じられない事がおこった。
僕の右手だけが朝起きると大きくなっていたからだ。
身体は小学生なのに、右手だけカブレラみたいになっていた。
お兄ちゃんに相談したら
「最近テニス教えてやったろ。だからだろ。」
といわれた。
そう、お兄ちゃんは高校に行ってからテニス部に入ったといったので
僕はお兄ちゃんにすこしだけテニスを教えてもらったのだ!
「右うでばっかりつかうから大きくなるんだろ。」
お兄ちゃんが自分の手を見せながら言いました。
やっぱり右手だけが大きかったです。でも、きよ原ぐらいでした。
僕の手はどうみてもカブレラくらいはありそう・・・・・
僕はどうなったんだろう?

つづく

9 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:06
>>5
休みを利用してどっちか読もうと思ったんだが、
選ぶのミスったなあ・・

プルーストに行こうかとも思ったんだが。

10 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:08
プルーストって時間の無駄ジャン。
確かにいい本なのかも知れんが、ここはせっかくの休日を
楽しく過ごすために野坂昭如の「てろてろ」でも読むがよろし!

11 :2:02/08/10 23:11
>>1
了解。
なんかみんな高尚なブンガクばっかりだなあ。
俺はエンタメ系ね。
「アジアの隼」黒木亮
専門的な領域で働いている人がこういう内幕ものを書いたら敵なし。
特にベトナム社会の描写、アジア通貨危機の臨場感が良い。
難は登場人物、組織を絡めすぎというか。整理されてない。

12 :1:02/08/10 23:12
まあ、時間の無駄とは言えないけど、ジョイスにプルーストねえ。

単純に読んで楽しむ作品と、創作の技法を勉強するために読む作品、
それと創作をする上でなんとなく読んでおかないといけないんじゃないかと思わせる作品があるけど、
ジョイスやプルーストは三つめの部類かな、オレにとっては。けっこう苦しかった。

>>11
ごめんね。そちらもお願いします。

13 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:16
昨日読んだのは
J・G・バラードの「クラッシュ」。
昔からSFが好きで読んでたもので、安SFの人だと思いきや、
この期に及んですごい人だったことが発覚。
「テクノロジーに囲まれた都市自体が環境となった現代の人間」を描くとのこと。
自動車事故の衝撃とセックスのエクスタシーが全く同じものとして描かれ、
車ばっかり走ってるが、結果としてエロ小説という訳の分からない代物。
分類としてはサイバーパンク……にはいるのかな?
前半は違和感があったが倒錯的世界に没入してしまえば
異様な官能世界があなたを待ってます。


14 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:20
おれは技法のために読んでるよ>ジョイス
変かな?

15 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:21
>>12
俺も三番目……
筒井が「フィネガン」読んで、
「小説って何をしてもいいんだ」って気づいたとか言うのを読んで、
それで気になって手を出してみたわけだが。

エンタメ系で言うと、最近読んでたのでは
パラニュークの「サバイバー」が大傑作かな、と。
あそこまでどきどきしながら、背筋に絡みつくねっとりとした脂汗と、
読み終わったあとの「おもしろ疲れ」を堪能できたのは久々だったわ。
義務感で読むことの多くなってきたここんとこに、
本を読む楽しさを思い出させてくれたのがこれだったわ。

16 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:23
吉田修一「パークライフ」読んだ。
糞だと思ったが、不思議なことにその月の文学界で一番苦しまずに読めたのが
「パークライフ」だった。
不思議だ。素晴らしい才能のなせる技なのかもしれない。

17 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:27
>>16
糞、と何故思うの?読む前から?

18 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:37
いやね。文学版で糞糞言われてたから糞なんだろうと思って読み始めたんです。


19 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:39
クロニクル(予言する鳥)を読んだ。
結構楽しかった。


20 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:41
なんだ?ロッテワールドってのは??
ガムがパレードしたりすんのか?(ワラ

21 :都知事:02/08/10 23:41
http://www.mxtv.co.jp/televider/contents/img/sintaro2.html
最近の若いもんはなっとらん!

22 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:42
>>21
ワロタ

23 :名無し物書き@推敲中?:02/08/10 23:49
>>20-22
施設に帰れ

24 :1:02/08/11 13:42
ラテンアメリカ作家・ドノーソの「三つのブルジョワ物語」(集英社文庫)を読了。

当初は投げ出しそうになったが、作者の手法を理解してからはスムーズに面白く
読み進めることができた。
現代的なテーマを扱う斬新な手法(新しいんだと思う……)と、視点の切り替えを勉強。

25 :名無し物書き@推敲中?:02/08/11 13:55
>1
ここは小説しか書いたらいかんのかな。もう少し
読書の幅を広げたタイトルの方がええんちゃう?
昨日は岩波を読んで、今日はノンフィクションを
読んだけど、書きにくいやん。

26 :1:02/08/11 14:06
岩波って岩波新書? ノンフィクションって実録っぽいやつなのかな?
そういうのを創作に結びつけるってことも当然あるね、取材とか。

ふーむ。じゃあ商業出版作品全般にしましょう。よろしくおねがいします。

27 : :02/08/11 16:49
フランスで「失われた時を求めて」の漫画が出版されたようだね。
(ニューズウィークより)
英語版もでるとか。それ読もうかな。

「覚りと空」竹村牧男(講談社現代新書)、を読んだ。
仏教哲学って面白い。ソウカのことがあって、仏教って敬遠してたけど。
存在というものを、主体としてみないで、条件間の作用の重合現象として
とらえる。
これが「空」ってことなんだ、というのが感想です。

28 :55号:02/08/12 07:20
トマス・A・バス『「ヒト」の再発見 独創する科学者11人が語る』三田出版会 1995

科学の先端にいる人たちが、どういう思想を持って研究しているのかが
垣間見れて興味深く読んだ。彼らのバックグラウンドが見えたので、
専門的な著作へ挑戦する足がかりになりそう。

HIVの発見者のリュック・モンタニエがエイズの起源の仮説を述べるところが
面白かった。HIV-I型とHIV-II型があって、HIV-I型はアメリカで、HIV-II型
はアフリカで流行。HIV-I型とHIV-II型は非常に異なる遺伝的・生化学的特質
を持っており、分岐は少なくとも40年以上前。HIV-I型に似たウィルスは
サルからは発見されていない。らしい。最新の研究を調べてみる気になった。

29 :55号:02/08/12 10:48
町沢静夫『ボーダーラインの心の病理』創元社 1990

ボーダーライン(境界性人格障害)の核は自己同一性障害であり
一時期はやった「17歳」による犯罪、および引きこもりは全て
ここに行き着くのではないかという印象があって読んだ。
ボーダーラインの特徴の一つとして上げられる、他者評価の動きが
激しく怒りをコントロールできないという一面は、ステレオタイプ
であり、実際は鬱や神経症と複合的な形を取って現れたり、家庭環境
によっていくつかの類型に分けられることを知った。
ボーダーラインの発生は都心部に多いため、より都会的な現代社会の
構造が原因ではないかという意見に同意する。
また、実存に対する不安は、書いてて興味のある小説のテーマの
一つなので、しばらくこのテーマで一本書けないか検討することにした。

30 :1:02/08/12 20:15
>>28
自分も科学関係の研究業務に従事してるけど、
やっぱり第一線級で活躍する人は自分なりの思想と判断基準を持ってるし、
御飯どきだろうと、酒の席だろうと研究テーマのことばかり考えてる。

彼らに言わせれば、いかに時間をかけて懸命にそのことを考えるか、が
結果に繋がるとのこと。ある程度の素地やひらめきは当然必要としても、
結果と考えた時間はおおよそ比例するらしい。
創作に関してもそうなんじゃないかと個人的には思う。
あまり関係のないレスで申し訳ないが。

31 :名無し物書き@推敲中?:02/08/12 20:17
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

32 :55号:02/08/13 13:30
佐野眞一『だれが「本」を殺すのか』プレジデント社 2001

図書館で偶然目に付いた。欲しい思ってた本だけどお金がないので、
ちょうどいいので借りて読んだ。

書店、流通、版元、地方出版、編集者、図書館、書評、電子出版のそれぞれ
の人のインタビュー。再販制度と報奨金制度、大型店の過当競争は大体知ってた
けど、生の経営者の声が聞けたのがおもしろかった。俺は冒頭に出てきた海文堂と
いう本屋が結構好きなのだが、経営者が本が好きでたまらんというオヤジだった
のがうれしかった。
それから、著者が時々、読書人の代表としての顔をしてみせるところが時々ある
のが鼻に付いた。直接言うところはなかったけど、著者が殺されると比喩した
「本」は暗に、人文・社会学系の一般にいわれる堅い本であるような印象を受けた。
また、このような良書を求める著者のような読書人と違い、消費財としての本を
求める読者像は思いもつかないような感じを受けた。本に関わる人々の中で、
両極端に居る「著者」と「読者」に対する意見はエピローグに塵ほど書かれてる
けど、この辺も少し突っ込んで欲しかった。残尿感あり・・・

33 :55号:02/08/13 13:40
>>30
前の職場でマッドサイエンティストみたいな人おったよ。俺は文系だから
専門的な話は全然しなかったけど、なんちゅーのか、長島茂男みたい
なんだよね。全然人の話を聞かないっちゅーか。あれは、頭の中で研究の
ことばかり考えていたからなのだなw

34 :名無し物書き@推敲中?:02/08/14 00:39
安部公房「他人の顔」読了。
期待してなかっただけに、面白さに発狂しそうになった。
事故で顔をなくした男が人間にとっての「顔」の意味を探る話。
その中で「仮面」によって自分の妻を誘惑し、
不貞を犯す様を(自分で)見定めよう、ってのが大きな筋なのだが・・
何度も驚かされた。これには。正直。
男の女に対する内面を鋭く描き出してるように思う。
ただ単に俺に似てただけなのかもしれないけど。

35 :55号:02/08/14 07:47
立山学『JRの光と影』岩波書店 1989

郵政民営化を控えて、国鉄の事例を知っておこうと斜め読み。

適当に読み飛ばすつもりが、なかなかスキャンダラスな内容で
頭が痛い・・・。国鉄再建監理委員会が試算した、国鉄の固定
資産の総額を当時の時価で計算すれば、評価の差益で累積債務
を消していけたとか。つまり国鉄は破産していなかったとか。
国鉄用地売却も地方のゴミ物件は売ったが、都心部は一件も
競売にかけられていないとか。
あとは民営化に伴う人員整理で国労組合員に差別があったとか。

36 :ロマの家馬車 ◆Ask/Xia2 :02/08/14 20:12
フォークナー「熊(他三篇)」岩波文庫

著者にこのようなおだやかな語り口を使用した作品があるとは、正直意外だった。
加島祥造の訳も大きいのだろう。
他の重厚な作品とは一線を画すユーモラスで牧歌的な通過儀礼の物語。

しかしながら登場人物の根底にはフォークナーが生涯対峙したものが流れている。
とりわけ、収録中の「熊狩」で、白人のひどいいたずらにたいして二十年後に
面倒な仕返しをする黒人の動機が、「侮辱されたから仇をうつ」のではなく、
「お気に入りのセルロイドのカラー(襟首)を燃やされて、口惜しい。高かったのに」
というのが非常に印象に残った。

37 :55号:02/08/15 21:25
安部謹也『中世を旅する人々 −ヨーロッパ庶民生活点描−』平凡社 1978

中世ヨーロッパの生活に少し興味があるので読んだ。

街道・橋の発展についての社会学的考察、旅籠・居酒屋の役割。
農民の生活と、当時の社会で蔑視されていた職業についての歴史的考察。
当時の階級社会と、権利について。共同浴場、粉引き・水車小屋、パン屋、
羊飼い、肉屋。それから遍歴職人についての記述と、民話の紹介。
ジプシーの歴史は、彼らが文献に登場した15世紀の記録からナチスの
迫害までの歴史が、当時の文献をちょこちょこ引用して描かれ、なおかつ
ミステリーな部分は最後まで明かされず、なかなか面白く読んだ。

38 :ロマの家馬車 ◆Ask/Xia2 :02/08/15 22:11
>>37
面白そうなのでオレも読んでみようっと。

しかしあまりにもオレは知らなさすぎるな、
家馬車に乗って未ださすらい続ける彼らのこと、
家馬車を降りて定住するに至った彼らのこと、
そして彼らのルーツ。
ハンドル負けしてる……

39 :名無し物書き@推敲中?:02/08/16 00:30
プルウストを読み始める。

40 :55号:02/08/16 08:45
森省二『死による別れの癒し方』丸善 1997

ターミナルケアと患者の実存に興味があるので読んだ。

作者が立ち会った臨床事例をテーマ分けして記述。覗き見趣味的で
正直自分でもあまりいい趣味だとは思わないが、将来かならず同じ
場面を体験しなければならないと思うと参考になる部分が多い。
死に対する世論の変化、子供の死生観と子供の死を取り巻く家族のケア。
告知の現状(家族告知、本人告知)と問題点。告知後のケア。
老人の死。告知後のセラピー事例多数。
かなり読みやすかったが、物足りなさもあり。

41 :55号:02/08/16 08:57
>>38
ジプシーの章はかなり俺のツボにはまったけど、20ページくらいだよw。
詳しく書かれていたわけじゃないけど、歴史研究の文献を読んでいく
下地つくりには良い具合にまとまっていたと思う。あと著者の守備範囲から
地域的にドイツ寄りの記述が多い。
それから、文中にヤン・ヨアーズ『ジプシー』という本から、ジプシーの
人生観が引用されている部分があるのだけど、そこが一番すごかった。
この本は読んでみたいのだけど、どうやら絶版らしい。

42 :ロマの家馬車 ◆Ask/Xia2 :02/08/16 20:54
ふとしたきっかけで思い出した過去に引きずられ、熱心に読みふけった
当時を懐かしみながら中上健次の著作をぱらぱらとめくる。

いまでも一番好きな彼の作品が「枯木灘」や「千年の愉楽」を押しのけて、
「岬」収録中の「黄金比の朝」であることを認識する。
「死んだ者、生きている者に声は届くだろうか」という著者の問いかけは、
未だ機能性を保ち続けるこの国で、細々とながら頑強なものとして響くのではないだろうか。

>>41
大きい図書館になら『ジプシー』という本もあるかもしれませんな。
休暇が取れたら探してみるです。

43 :55号:02/08/17 16:36
リチャード・マクドナルド『ハンニバル・レクター博士の記憶の宮殿』関修訳 夏目書房 2001

図書館で偶然目に付いて新聞の書評に載ってたのを思い出したので読んでみた。

内容はそのままハンニバル・レクターの『磯野家の謎』。著者が専門の知的
職業であることから切り口は結構おもしろい。カニバリズムと性欲、
FBI犯罪心理捜査、中世の拷問器具、リトアニアの歴史、カッポーニ家の歴史、
神と悪魔、ニーチェの「力への意思」、ジェンダー、エディプスコンプレックスと
エレクトラ・コンプレックス、ラカン、プロファイリング、性的異常、
フェルメール、ルネサンス、クラシック音楽、食とワイン。
一つ一つのテーマは面白いのだけど、正直、適当に書き散らしたという
印象で、詰めの甘さが目に付いた。まあ、そういう本なんだけど。

44 :55号:02/08/18 00:28
塩野七生『レパントの海戦』新潮社 1987

ヴェネツィア三部作で読み忘れてたので読んだ。

一つの戦闘に収斂していく編年体形式の書き方が好き。無駄が無い。
ヴェネツィアが世界史の中心から外れてゆく最後の時代の対トルコの
権益を確保するための戦闘。ローマ教皇に働きかけ、キリスト教連合軍
を編成し、レパント沖の戦闘で初めてトルコを破る。
ロマンスが無いわけではないが、やっぱり政争と戦闘に関わる男たちの
姿がとても生き生きとしているのが読んでてわくわくする。

45 :55号:02/08/19 21:04
岡田哲『ラーメンの誕生』筑摩書房 2002

ラーメンだけでなく、日本のめん文化の発達と中国の
食文化の比較がなかなか興味深かった。ラーメンが
大衆の間に広まっていたのは、戦後からなのだが、
そこに至るまでのそば・うどんのようなめん文化が基礎
となっていたということなど、なかなか面白い。

46 :名無し物書き@推敲中?:02/08/20 23:50
彼女に読めといわれたので読んだライ麦畑でつかまえたが
全然面白くなかった。

47 :名無し物書き@推敲中?:02/08/21 02:00
はと麦のほうがいいな

48 :55号:02/08/21 23:46
松平誠『ヤミ市 幻のガイドブック』筑摩書房 1995

闇市というのは資料もほとんど残っておらず、調査もされていないので
数少ない証言や記事などで当時を推測するしかないのだが、偶然、こう
いう本を見つけたのでとても興味深く読んだ。

闇市の歴史、闇市のあやしい食い物屋、闇市とテキ屋とヤクザと華僑、
闇市建築の変化、闇市の売春宿、呑み屋、区画設計、カストリとバクダン。
正直、食い物の記述が激しく面白かった。

49 :55号:02/08/22 19:09
林望『往生の物語』集英社 2000

平家物語を登場人物ごとにまとめて、登場から死までを追う。
平家は結構好きなので読んだ。

平家物語だけでなく、同時代の他の文献も引いてきて登場人物像を
見せてくれるのがなかなか面白かった。ただ、口語訳があまりに
ひどいので要らないと思った。また、評論口調な部分もくどくて
鼻についた。原文はなかなか名場面を引用していて良かった。

50 :55号:02/08/23 21:38
鯖田豊之『肉食の思想』中央公論社 1966

すこし気になるところがあって読み返す。

フィクションとしての「自由と平等」。自己主張と個人主義と自由。
多数決と民主主義。少数派が反対意見を述べる自由。

51 :名無し物書き@推敲中?:02/08/23 22:29
アンタ読書家ですなぁ。
おいら書き始めると、完成するまで一冊も読めなくなるよ。

52 :名無し物書き@推敲中?:02/08/23 23:10
55号は小説読まないのか?
読んでるけど敢えて書かないだけ?

53 :名無し物書き@推敲中?:02/08/23 23:46
宮部みゆき「レベル7」
面白いのは最初だけ。半ばから手抜き突貫作業に入ってる。
この絶望的にリアリティの無い人物造詣と倫理観はどうにかしてほしい。

54 :55号:02/08/25 02:14
田中仁彦『黒マリアの謎』岩波書店 1993

フランスの黒マリアの歴史的成立について興味があったので読む。

黒マリアはケルトの地母神が聖母マリアと習合したものであることは知ってい
たのだが、欧州で最初に黒マリア研究の端緒を開いた研究者達が、「光は東から」
(十字軍、東ローマの滅亡による文化の西欧への流入)というルネサンス成立の
大流から逃れられていなかったらしい。黒マリアの多くはケルトの地母神との
習合であると著者が結論付けるまでの過程が歴史的史料を多く引用していて
なかなか迫力があった。その中でも数少ない例外としてエジプトから持ち帰られた
イシス像が黒マリアとして祀られた史料があったりしてなかなかミステリーだった。

55 :55号:02/08/25 02:29
>>52
ん?読んだ小説も書いてるよ。塩野七生は好きな作家の一人。

56 :ロマの家馬車 ◆Ask/Xia2 :02/08/25 03:12
読んでるんだけど、感想書くのって難しいな。
カッコつけようとしてるからだろうな。

57 :55号:02/08/26 05:57
高村薫『マークスの山』早川書房 1993

以前、映画になったときに非常に評判が良かったのを思い出したので読んだ。

アルプス。正直なところ、ミステリーを読むのに俺は向いていないのかも
しれないと思った。警察がそんなに都合よく捜査で見落としたり、ミスし
たりするものかと白けた。ネタばらしになるから内容は書くつもりは無い
けど、プロットも中途半端な印象。ラストシーンは細々とつないでいった
山にまつわる文学的な風景の結晶が現出するが、無難にまとめたなという印象。
細かい出来事を大量に積み上げた文章のボリュームの迫力はすごいと思った。
取材は綿密にしたのだろうと関心。すごい、とても真似できないとは思ったが、
面白いとは思わなかった。読んだ事を後悔。

58 :名無し物書き@推敲中?:02/08/27 00:19
55号は普通にすごいな。
それだけ読んでると作品書いてるときもつぎつぎアイデアが浮かぶだろ。
なにより目がたしかだろうからいいものが書けるだろうな。

59 :55号:02/08/28 04:46
西田幾太郎『善の研究』岩波書店 1950

西田哲学に興味があったので読んだ。

西洋哲学の主客二元論を解体し、純粋経験によって精神と自然を、主観と客観を
合一し、究極的には一つの体系として統一さるべきものとするところが、かなり
すごい。正直びびった。
ただ、宗教を論じるところで、当然予想できることだが究極的に統一されたもの
として神が登場し、個人は神から分化したものであるとか、キリスト教の神は
このようなものであるとか、まあ、その辺までは許せるがオカルト入っている所
がでてきたりして、正直投げそうになった。
それから、世界(神の属性)の中にある悪は、よく善を知るために必要なもので
あるとする説明口調がかなり反発を覚えた。悪の存在を善の目的にしているので
はないかと思った。そんな神ならいらないと思った。俺は悪かもしれない。
要再読。

60 :55号:02/08/28 22:40
『漱石日記』平岡敏夫・編 岩波書店 1990

文人の日記を読むのは結構好きなので読んだ。
ページの都合上残ってる記録の半分くらい省略してるのが残念。

漱石もW・ジェームズの哲学を読んでいたようなのだが、同時代で
かなり流行した思想なのだろうか。おそらく、ユングも同一の思想
の元に集合的無意識を唱えたのだろうが、いまいち思想のグループ
が見えてこない。。勉強不足。
明治と大正の移り目に、天皇について少し書いているところがある
のだが、結構天皇を見る眼が冷めているのが安心した。また、伊豆で
療養中の日記は『仰臥漫録』に通じるところがあって面白かった。
もうダメ、明日死ぬかもしれないという日があるのだが、漱石は持ち
なおして生き延びる、その日を境に、鷹揚な雰囲気が漂い始めるあたり
絶望的な子規と違ってて面白い。
また、下女に対する不平不満というのは知ってたけど、夫人に対する
不平不満がかなり極まった時期の日記が何とも・・・。しかも途中で
日記が終わっててかなり気になった。編集をうらむ。

61 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 03:25
このスレいいね。まじ55号氏すげー。

62 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 03:31
「善の研究」。古本屋で50円で買ってきて手つけてないやw
読むかな。でもめんどいから読まないかも。

63 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 15:59
ttp://www.bigcosmic.com/board/f/board.cgi?id=yrrelay&id=yrrelay
↑はどうでしょうか?
まだまだ書き始めたばかりなんですけどね。


64 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 19:48
サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞
したという「イントゥルーダー」(高橋、、、氏)
読んだんですけど、ぜんぜんおもしろくなくて、
半分くらいでやめてしまいました。

なんでおもしろくなかったんだろう。
全然感情移入できなくて。
一般の人とズレてるのかな、私の感覚。

65 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 21:47
今日じゃなくて昨日読んだんだけど、恩田睦『ネバーランド』集英社
なんかまあ、いわゆるジュヴナイルもので、冬休みの学園寮に残った
男子高校生四人の切ない系話。トラウマとか家庭の事情とかちょっとした
ホラーとかぎくしゃくした人間関係がうち解けていく過程とか、そういうのが
実にさわやかかつ心地よく書かれている。

こーゆーのはありがちといえばありがちな話なんで
読む価値ねーと思う人も多いかもしれんが、自分はこういうのが
大好きだったりするんで、かなり楽しめた。自分恩田ファンだし。

>>53
私も宮部みゆきの倫理観にゃ辟易やなあ。あの偏狭さはなんとかならんか。
ストーリーテリングは抜群にうまい人なんだが。
宮部みゆきは善玉悪玉きっちり分けないとだめなんだろな。
時代小説とか抜群にうまいし。まあ作品を重ねるごとにすこしずつだがあの
硬直した倫理観にもあそびがでてきてるような気はするが。

>>64
賞を取った作品だろうがなんだろうが、あなたがつまらんと思ったのなら
あなたにとっては駄作だってことでいいんじゃねーの。
小説なんて嫌々読むモンじゃねーし。つうかその作品については自分はよんでねーから
なんにもいえんのだけどさ。

66 :名無し物書き@推敲中?:02/08/29 22:20
>>65

ありがとサン!

実は先日から書き始めた長編をサンミス大賞に応募しようと
思ってたのです。ホラーとミステリーの間みたいなの。
それで、過去の受賞作を読んでおこうと思って最初に
読んだのがイントウルーダーだったんですよ。

読者賞、大賞のダブル受賞作が私にはおもしろくなかったってことは
言いかえれば私の書いているモンが一般向けではないってことかな。

日本ホラー大賞受賞作の「黒い家」を読んだ時は、逆に、こんな
すごいのが受賞するんじゃ、この賞は無理だよ! って思ったんですけどね。

67 :名無し物書き@推敲中?:02/08/30 00:14
鈴木清剛 「ロックンロールミシン」(新潮文庫)を読む。
若い作家の作品を読みたかった、貧乏なので安めの文庫を、
この秋映画が公開される等の理由で購入。

会社勤めに疑問を持った若者が、
高校時代の同級生によるインディーズブランド旗揚に何となく巻き込まれていく…。
そんなストーリーを主人公賢司の一人称で綴られた作品。

軽めの文体なのですぐに読破してしまいコストパフォーマンスが悪かった。
読後感として、もっと深く書いてほしいかった。
なんか料理出されたはいいもの、
「この料理見せるけれど、食わせないよ。香りは嗅がせるから味は自分で判断して」
と、言われたような気がして、どうも肩透かしをくらった気分。
「三島賞受賞」なんて惹句が書かれていて、チョビッと期待したんだが…。
今どきの若い奴等の風潮(冷めた人間関係・夢を追いかけること・仕事への行き詰まり)
が書かれているのが受けたのかな。
所々印象に残る場面もあったから映画(行定勲監督)に期待。


68 :55号:02/08/30 05:44
大野晋『日本語練習帳』岩波書店 1999

文章読本は好きなので読む。

日本語の単語の微妙なニュアンスの違いを言語化できているとことが
さすがに学者という印象。だが、普通の国語力を持っていたら直感で
わかりそうな事ばかり解説してたので、読んでもふーんと思うだけ
だった。外国人が日本語を学習するときには有効なのではないかと思った。
単語の語源や歴史的成立過程などを解説してあるところは面白かった。

69 :名無し物書き@推敲中?:02/09/07 04:03
良スレ保守.

70 :名無し物書き@推敲中?:02/09/11 15:58
保守アゲ

71 :55号:02/09/14 21:18
マイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』村上春樹・訳 文藝春秋 1996

ちょっとずつ読むつもりが一気に読んでしまった・・・。
ゲイリー・ギルモア事件、ユタ州、モルモン教、家族、破滅に至る運命の分岐点。
ゲイリーギルモアとは連続殺人を犯し、死刑判決に対して上告せず銃殺刑を望み
当時(1977)過去10年にわたって死刑が停止されていたアメリカで議論を巻き起
こした。著者は彼の弟で、彼が犯罪に至った原因、”何か”を探して家族の歴史
を紐解いていくのだが、過去100年に渡る家族の歴史のエピソードを丁寧に積んで
著者と一緒に探索する手法は新鮮だった。母親からの伝聞であると断りつつ、
伝説的なまたホラー的な要素が散りばめられていることも引き込まれた。複雑に
絡んだ長大なエピソードが絡み合って多面的な”何か”という意味が立ち上がっ
て来る感じがかなり迫力があった。

72 :名無し物書き@推敲中?:02/09/16 16:07
おかえりい。

73 :名無し物書き@推敲中?:02/09/16 16:39
>>心臓を貫かれて
読み方が俺と違うね。面白い。
心理学や精神医療関係の本を普段から読んでると、よくある悲劇で終ってしまった。
内容を分析してもそりゃそう言うこともあるもんだ、で何にも印象に残らなかった。
わかったつもり、理解したつもり、分析できるつもり、
自分一人で納得するのは危険な読み方かもしれないとふと思ったよ。


74 :名無し物書き@推敲中?:02/09/24 03:58
スレ保守.

75 :名無し物書き@推敲中?:02/09/27 07:54
最近漏れは、このスレだけが楽しみで生きてるようなものなんだが。
近頃動きがなくて寂しい。とか愚痴ってみる。

まあ自分が書けばいいんだが、最近は本読む暇もあまりないから。
スレ違いスマソ.

76 :名無し物書き@推敲中?:02/09/30 04:33
「カラーマゾフの兄弟」
             F谷 *男
 僕は、この夏休みに、ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟という小説を読みました。この本を選んだきっかけは、僕にも兄弟がいて、題名に共感したからでした。
 長男の靖男は酷い男で、毎日働きもせず、競馬やパチンコに明け暮れ、女の人からお金を取り上げて生きていました。(その女の人は亜希子という名前で、靖男の幼なじみ兼、母親役です。)
 亜希子さんは、自分がいなければダメになってしまう靖男の弱さを、どうしても放って置けなかったのだと思います。それで、あんなダメ人間の靖男と、いつまでも一緒
に居たのだと思います。
 しかし内職までして捻出したお金も、靖男は際限なく遣ってしまい、生活は一向に楽になりません。
 「このままでは聡史(もう子供がいました)に飲ませるミルクも買えない!」
 亜希子はある日決心します。
 苦しい家計を支えるため、街を救うヒーローとなる事にしたのです!
(しかしその頃既に、盛岡市には5人組のヒーローがいた事を、世間に疎い亜希子はまだ知りませんでした…。)
 亜希子は僅かに残っていた全財産、2千円(それほど家計は追い詰められていたのです)を手に、ヒーローに必須の変身アイテムを買うため、マツモトキヨシに走りました。
 「さり気なく日常生活に溶け込んでいるものでなければダメよ!」
 亜希子はすっかりその気でした。
 そして、小一時間悩んだ挙句、亜希子が手にしたもの、それは、
「サンテ・アルフリー新目薬」でした。

77 :名無し物書き@推敲中?:02/09/30 04:39
コレだ!コレしかない…!
 確信に満ちて亜希子はレジに向かいました。
 順番が来ます。
 店員は言いました。
 「一点で2100円になります。」
 しかし財布の中を見て亜希子は愕然とします──
 消費税分が足りない…
 下を向いたまま硬直してしまい、その場に異様な雰囲気が漂いました。どれくらいでしょうか、10秒、15秒…。しばらくして「やっぱいいです…」とだけ言い、その場を去りました。
 …去るかに見えました。
 しかし亜希子はどうしてもあの目薬を諦める事ができません。またさっきの場所に戻ると、慣れた手つきで箱を掴み取り、素早くポケットに押し込んだのです。
 後ろ髪を引かれるようなスリルを味わいながら、亜希子は売り場を後にしました。売り場から遠ざかれば遠ざかるほど、その足取りは速くなり、まさに逃げるように、普段通らない道を辿って家に帰りました。
 そして帰るや否や、飼っていた猫(名前はありません)に言いました。
 「じゃあ次、変身ポーズ考えようぜ!」
 腹を空かして亜希子の帰りを待っていた猫でしたが、いつになくテンションの高い彼女に押され、つい「お、おぅ…!」と言ってしまいました。
 まさか猫が喋るとは思っていなかった亜希子は、一瞬で青ざめた顔になり、盗んだ目薬を入れた紙袋をその場に落としてしまいました。
 聡史は母親の恐怖を敏感に察知し、大声で泣き始めました。その泣き声で我に返った亜希子は、一言猫に謝ると、「一緒に変身ポーズ考えようよ!ね?」と、優しく言ったのです。
治ってくれ治ってくれって願ったのは最初の3日くらいで、あとはずっと看病辛いなぁと、そればかり思っていたまではよかったが、食事に煙草の灰を混ぜ込んで寿命を縮めようと画策したり、
誰も快方して貰いたいなんて思ってる人いないわよとそれとなく聞かせる段になるととてもきもちわるかったです。
看病もたいへんなんだなーとおもいました。

78 :名無し物書き@推敲中?:02/10/15 19:31


79 :名無し物書き@推敲中?:02/10/25 20:28
今更ながら、ガルシア・マルケスの百年の孤独を読了。
物書きとして、半端でなく素晴らしいと感じました。
基本的に意味不明に近いエピソードが幾層にも重ねられているのですが、
読み手によってどのようにでも解釈できる幅と深さを兼ね備えている。
しかも、想像力豊かな挿話は飽きさせることがない。
最近の表面をなぞっただけの小説や、妙に説教がましい小説に較べると
実に刺激的でした。春樹のエピソードの積み重ね方に少し近いかも、と感じました。
重層的な構造は書くには難しいですが、読んでて面白いです。

80 :名無し物書き@推敲中?:02/11/16 17:57
小説じゃないのですが、マンガの世界の歴史を読みました。
小中学生の副教材みたいなものです。
思ったことは、マンガはやっぱり読みやすくて良い。
物事を理解する、理解させるためには絵の力は絶大だと感じました。
ま、それでも小説は書き続けるのですが。

81 :名無し物書き@推敲中?:02/12/05 16:10
塩野七生・ローマ人の物語・勝者の混迷
マリウス、スッラ、ポンペイウス辺りの共和制後期のお話し。
この人の書く物語は、作者にとって魅力的な登場人物がいるかいないかで
出来が違ってくる。前巻のハンニバル、後のカエサルなどと較べるとあまり面白くない。
個人的には有能で洒脱なルキウスに惹かれました。
それともう一つ、歴史を物語調で読めるのは面白いが、
どうしてここまで文章が下手くそなのか。今まで読んだ作家の中で一番下手。
日本語がおかしいと疑問を持ってしまうこともしばしばある。

82 :名無し物書き@推敲中?:02/12/05 20:54
篠田節子・イビス
しっぽがあげていたので、古本屋で買った。読んだ。
……なんちゅーか無理がある。幻覚の認識と現実の負傷が噛み合っていない。
この二つがセットで記述されるたびに、はぁと溜息が出てしまった。
その他、一章が強引な展開とキャラクター紹介で萎える。初めの十ページで投げ出したくなった。
中盤とラストは秀逸。ただし、出だしと村に迷い込んだ後半は酷いかもしれない。
思ったことは、書けないレベルじゃないな、と言うこと。
さて執筆頑張りますか。

83 :名無し物書き@推敲中?:02/12/06 18:24
篠田節子・カノン
昨日のイビスに続いて、古本屋で買った奴。序盤は良し。中年になった自分からみた
若かりし頃の想い出、郷愁、哀切などを良く描けている。イビスの歪な人物造形に
較べたら非常に上手くなっていると思った。
んが、全体の構成に難あり。何故、死んだ友人の演奏を初めに恐れたのか、その部分が
ちとおかしい。また、ラスト二章の御都合主義的展開も頂けない。
ある種エンターテイメントに徹しているわけで、悪くはないが、安易な結末だと思った。
中年女性がメインターゲットなんだろうなと想像、彼女等のお好みを描いている面あり。
1〜3章までは手放しで秀逸といえる。その後は落ちていく。

84 :名無し物書き@推敲中?:02/12/07 15:37
ホラー三連発ってことで。
鈴木光司・仄暗い水の底から
正直あまり文章上手くないです。篠田節子の方が上手かったな。
短編集と言うこともあるのですが、ヒネリの効かせたコネタ集といったところか。
ありきたりの要素にちょっとしたヒネリをくわえて一丁上がり、てな感じが多いです。
ただし、演出はそれなりでした。如何に読ませるように書くか、その辺は参考になりました。
一般社会の様々な職業の側面を描いていますが、知らない職業の知識を得る面白さ
はありますね。そんなとこですかね。

85 :名無し物書き@推敲中?:02/12/08 10:38
長谷川真理子・オスの戦略メスの戦略
東大教授夫妻の片割れ。この人の書いた本は大体読んでいるのだが、これは読んでいなかった。
縦書きの一般向けと言うことで、あまり突っ込んだ内容ではない。
題名通りの内容で、性とは何か、性淘汰の基本的概念、繁殖戦略などのダイジェスト。
大学時代を思い出して懐かしかった。人類に関する考察は面白い。
男親の子への投資、配偶者防衛と、文明の発達による富の蓄積、分配問題の関連性は興味を引いた。


86 :名無し物書き@推敲中?:02/12/09 12:54
遠藤周作・父親
遠藤周作の本は大概読んでいるのだが、ここ数年離れていた。
読んでいない長編(父親)があったのでぱらっと読んだが、ライトノベルのような軽さだった。
437ページだが、一時間半で読めてしまったぞ。
昔は好きだったが、そろそろ彼の著作からは卒業の時期らしい。
下手な文章、キリスト教の入った古く独特の倫理観、中年のおじさまに合わせた話作り。
もういいや、って感じ。学ぶところがあったとすれば、戦中派の価値観だろうか。
死んだ仲間と生き残った自分、その微妙な罪悪感と自己を律する姿勢。
この辺りは悪くない。が、全体的に見れば長いだけでした。

87 :名無し物書き@推敲中?:02/12/09 21:28
山田正紀・螺旋(スパイラル)
間違いなく断言する。ここ数年読んだ中で一番の駄作だと。
並大抵の駄作ではない。いってよしクラスと言おう。
無意味に長い(700頁)、登場人物が馬鹿すぎる、文章下手、展開が恣意的すぎる。
ミステリーとしての反則技も使っている。文句を言い出せば切りがない。これでミステリーとは良く言ったものだ。
こんなプロがいることをよろこんでいいのか、哀しむべきか。
下らないと思いつつも修行のつもりで最後まで読んだ。時間の無駄でした。
こんな物を出版しているようでは、本などこの世から消えてしまえとさえ思ってしまう。


88 :名無し物書き@推敲中?:02/12/09 23:03
ねえ、ageてもいい?

89 :名無し物書き@推敲中?:02/12/10 01:36
できればsageで。日付が変わったけど本日三冊目。
野口正成・小島賢一・エイズカウンセリング
臨床現場でのHIV感染者への実録カウンセリング集。
前半はフロイトやエリクソン辺りの簡単なまとめ。
後半がカウンセリング集。エイズ独特の心理があるかと思えば、そうでもない。
普通でした。しかしカウンセラーと職業は何ともねぇ……ある種傲慢なところがありますな。
1993年発行なので、資料が古い。一番面白かったのが、今現在と較べると推定感染者数が
かなり低いこと。着実に日本で根をおろしてますな。

90 :名無し物書き@推敲中?:02/12/10 20:53
クラムちん? ねえ、クラムちんでしょ?
これだけの読書量誇る人が名無しでいられるはずがない。

91 :名無し物書き@推敲中?:02/12/10 21:44
クラムじゃないよ。名無しだよ。多分クラム氏とは読書傾向が違うと思う。
本自体はそれほど読んでいない。最近バイトが休みのことが多いので読書量が一時的に増えてるだけ。
若きウェルテルの悩み・ゲーテ
言わずとしれたゲーテの処女作。しかも翻訳は旧漢字旧仮名使い、1926年板。
非常に読みにくかった。旧漢字がこれほど読みにくいとは……
久々に漢和辞典と睨めっこしながら読んだ。
が、話自体は面白かった。若き恋の悩みは永遠のテーマですな。
1774年に書いた物を2002年に読む。約230年の開きか、そう考えると凄い話だ。
ところで今の高校生くらいの人が、ゲーテやシェイクスピアの良さがわかるのかとふと疑念が……
今更インテリな匂いの物語は流行らんわな。

92 :名無し物書き@推敲中?:02/12/10 22:07
名無しちんか。
コテ名乗りなよ。
つか下がりっぱなしだと勿体ないのだが。

93 :名無し物書き@推敲中?:02/12/12 23:22
コテを名乗ることにメリットが? 
勿体ないも何も基本的に自己満足なので……
スタンダール・赤と黒
面白いのだが、フランス革命〜王政復古に至る基本的な歴史の流れと社会情勢を知らないと
楽しめないかもしれない。また当時のパリ風俗の描写が多いのだが、現代日本人の感覚に
合わないところが結構ある。貴族の恋愛とはなんと面倒でもどかしいのか。
 主人公の人物造形が、自分の趣味に非常に合っていた。
 猫のような孤高を保つ自尊心、硬質だが脆い感情、女性に対する初さ、そして野心、
ジュリヤン最高。上巻の後半、修道院での生活と下巻の前半、パリのサロンやマチルダとの駆け引き辺りは
退屈だったが、マチルダの妊娠以後は非常に面白かった。
 風俗や階級問題の描写などは今の日本人にしてみれば助長かもしれないが、
ただの小説としてもそれなりに楽しめる。

94 :名無し物書き@推敲中?:02/12/13 00:29
赤と黒ってわりかしスタンダードっぽいイメージを抱いてるから、
上に述べられてるような作品の後だといささか驚きを感じるな。

赤と黒やパルムの僧院といったスタンダール作品は
年齢によって読み方が変わってくると思うよ。
俺も二年に一度くらいは読むようにしてるが、その都度感じ方が違う。
当然と言えば当然かもしれないが。

95 :94:02/12/13 00:32
ちなみに同じようなことは池澤夏樹も言ってる。
ただの受け売り。共感する部分があったから書いただけ。

96 :名無し物書き@推敲中?:02/12/13 17:52
読んでいない古典作品は山ほどあります。
それに古本屋に置いてないことが多いしね。文豪系は。
梨木香歩・からくりからくさ
日本人形や染め物、織物に対する知識が皆無なので、でてくる単語に戸惑った。
おそらく作者は縦糸横糸、色々張り巡らしたつもりなのでしょうが、
紡ぎ織り上がった布は狭く小さい。作中で「結界」に守られた家とあるが、その通りだ。
江戸時代やクルドまで時空的に伸びていくが、そこで語られる内容は全て「家」の延長に過ぎない。
守られ限られた空間での一種のファンタジー、俺の好みではない。
ついでに叙述トリックというか、情報の小出しが気に食わない。
キツイ言い方になるが、一気に謎を解決できるのにしない登場人物の行動があほらしい。
ところで紀久と与希子の人物の書き分けができていないと思うのは俺だけか。


97 :名無し物書き@推敲中?:02/12/17 02:14
読んでいなかった古典、しかも再び旧漢字旧仮名だったり……さすがに今度は辞書無しで読めた。
光あるうち光の中をすすめ・トルストイ
で、キリスト教礼讃な物語なのだが……原始キリスト教と言うのがみそですな。
もっともどちらにせよ、一神教もキリストも縁遠い一介の日本人からしたら何言ってんだ、ってな感じ。
神や原罪を前提にしたロジックはうんざりです。
ただ、極端に典型的な信者の人物造形は、似たような極端なキャラクターの創造には役立つかも。
んで、原始キリスト教の共同生活と原始共産主義(ポルポトの目指した政策)の共同生活の違いとはなんぞや?
やっぱり神の愛で片づいてしまうのだらうか?

98 :名無しさん:03/01/04 02:47
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
Λ_Λ  | 君さぁ こんなスレッド立てるから          |
( ´∀`)< 厨房って言われちゃうんだよ             |
( ΛΛ つ >―――――――――――――――――――‐<
 ( ゚Д゚) < おまえのことを必要としてる奴なんて         |
 /つつ  | いないんだからさっさと回線切って首吊れ     |
       \____________________/

(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)

(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)

(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)


99 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:05
カフカの『変身』(新潮文庫)

変身したグレーゴル・ザムザが死んで、家族が開放される(変身)
お話。訳者が多数存在するらしいが、新潮の高橋義孝約本も
支持する人はいるようだ。
しかし読みにくい。漢字と読点もっと使えって感じ。。。

で読後感だが、最後の家族の描写に中途半端な感じが残る。
最後のシーンをどう捉えるのか? はぁ? って感じで終わった。
降りかかる陰鬱な出来事(運命)なんて終わってみれば取るに
足らないものだってことかもしれないし、グレーゴル(=人間、
作者)なんて、死んでしまえばあっという間に忘れ去られるもの
だって読み方もできる。
女中のみがグレーゴルの人としての存在、人格を認めていた
けど、さっさと死体を片付けたりしてあっけなく舞台から降りてるし。
この女中ってすごく重要だと思うんだけどなぁ。
どうも手抜きくさい気もするぞ w

と、非常に不完全燃焼。

まぁ、グレーゴルの鬱屈した環境とか心情ってのは痛いほど
分かったし、それが書きたかったのも分かるんだが、
これがいわゆるカフカか w

カポーティの洗練された鬱屈の方がいいな。
(訳者の違いかも知れんが、、、関係ないか)

参考:文学板カフカスレ
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1007376212/

100 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:09
>>99
オイオイ・・・何も分かってねえよ、コイツ。
新年早々笑わせてもらいました。
ほんと凄い。

101 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:14
>>100
分かってる方教えてちょんまげ!

102 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:19
55号は読み方が違うと指摘されたあと、恐くなって逃げたのですか?

103 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:21
>>102
教えてよ早く!

104 :102:03/01/04 17:25
何を>103

105 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:27
>>104
あれ、100じゃないの?
ちがったらスマソ
100の御講釈を待っているんですが、、、

106 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:29
>>105
釣られている最中なんですか。
残念ながら私は100ではないので講釈はできません。
失礼します。

107 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:30
>>102
どーしてそう読めるの?

108 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:31
>>107
過去ログを読もう

109 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:34
>>106
すみません。
釣られてる最中です。

つーか、>100早く教えれ!

110 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:34
>>107
読んだも何もリアルタイムで読んでいたのだが・・

111 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:37
冬厨のせいで糞スレと成り下がってしまう予感。

112 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:48
最初から糞スレですが何か?  

113 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 17:51
ちぇっ、100は逃げたか、、、
遊んでもらおうと思ったのにつまらん。。。

114 :102:03/01/04 22:50
100は俺ですた。

115 :名無し物書き@推敲中?:03/01/04 23:57
>>114
ぬぬ?
せっかく遊んでもらおうと思ったのに、、、
もういいや。んじゃー

116 :山崎渉:03/01/06 15:57
(^^) 

117 :山崎渉:03/01/19 03:59
(^^)

118 :名無し物書き@推敲中?:03/01/30 09:57
「涙の日」

長編だけど、一気に読めた。
主人公が自殺に至るまでの心情の変化が
細かすぎるところはあるけどオススメできる。

119 :名無し物書き@推敲中?:03/01/30 15:31
35歳。
去年まで金無し君だったけど、白血病解析プロジェクトとUD Agentで
二年で350万個のたんぱく質を解析した。一度やってみなよ。
初回にかぎらず、1ドルも払わずとも(お金も儲からないけどね)誰でも参加できる。。
BGで計算するだけ計算してプレイはできないけど、いつでも止めれるし、ルーレットって赤か黒に
思い切って賭けてしまえば50パーセントで二倍になる(0や00が出るとダメだけどね)。
金なきゃヤフオクやビッダで稼げばいいだけ。暇つぶしになる。
もしかしたらプレステ2とか当たるらしんいでマジでお勧め。
http://p-q.hp.infoseek.co.jp/

120 :名無し物書き@推敲中?:03/03/11 21:54
『てのひらの闇』藤原伊織 文春文庫
なにげなく読んだ『ダックスフントのワープ』がかなり好きだったので
購入して読んでみた。以下感想。……。
屈託の多い後ろ向きな偏屈中年オヤジの主人公がなぜかしら
周囲から高く評価されていて、武術に通じていて女にもモテモテで…という
ありえるはずのない設定と展開で読んでいて辟易した。しかもそんな主人公が
命がけでたいした知り合いでもない会長の自殺原因を探ろうとするのが非常に不可解。
とまあつっこみどころ満載なんだけど、特に魅力のある(いろいろと考えたくなる)
小説じゃないからつっこむ気にもならずに最後まで惰性で読んだ。

なんというか、主人公のようにこれだけ環境に恵まれていればどんな人間でもある程度は
自然と明るくなって人生を楽しく肯定的に捉えられるようになると思うのだけど、
主人公は昔話と若者への愚痴や妬みしか口にしないし。そんな主人公に惹かれていく
女共ってのがまた理解不能だし。

この作品の根底には失われてしまった自分の人生に対する悲哀とまだまだ若くて
可能性のある若者達への妬みの感情が流れているのだけど、そんなオーラを身に纏って
いる主人公(または作品)のどこが魅力的なんだと思いつつ、まあ自分も似たような人間なので
そうゆうオサーンのファンタジーとしては読めないこともないなと思った。

121 :へたれ簡素人:03/04/01 22:30
上の方がアレなんでどうしようもい。
またりも閑散だし。と思ったら地下にこんなスレが。早速活用しようと思った。
今日読んだのは清水義範『国語入試問題必勝法』

いやー、わろたわろた。特に最後の「人間の風景」がたまらん。
物書き(志望)が素人同然の作品を読むという構図は投稿サイトでもよくあることだけに
題材にイヤな親近感がある。自分の作品が文化遺産だと言わんばかりの勢いの人、いるもんなあ。
構成として上手いと思ったのがキーマンの元新聞記者の存在。
前三人で凡人、無知、官僚と振ってそれらに全部新聞記者をからめつつ文化人に対するイヤミで落とす。
とみせかけてさらにメタな視点から落とす。いい構成だなあ。

爆発的な笑いを誘ったのは表題作のオチ。
「例の方法」っていう似たような国語問題の参考書があったけど、多分清水の方が早い。
実際役に立ったし、こういうのネタから出た誠って言うのかね。

猿蟹も上手いなあ。
緩急の付け方がうまい。パロディって一本調子になりやすいんじゃないかと思うけど。

結構毒があるのにあまり毒気にあてられないのは何でなんだろうなあ。


122 :晒してます:03/04/03 13:22
アリにあの文章をリライトして投稿したよ。
http://ana.vis.ne.jp/ali/antho.cgi?action=article&key=20030331000005

拳士呂、それにラリー、
自分がうまく説明できなかったこと、 できれば読んで考えてみてほしい。

123 :名無し物書き@推敲中?:03/04/03 13:29
mjが好きそうなスレなのにmjがいなくて残念だ。

124 :1:03/04/03 20:42
いろいろあった。

125 :へたれ簡素人:03/04/03 21:25
>>124
そこと猿蟹の栗のくだりで爆笑しました。

昨日今日で藤原伊織「テロリストのパラソル」読みますた。
なんというか、エンタメのお手本みたいな小説で。
冒頭の公園で日差しの描写で「降り注いでいた」を三回も同じページの中で使っていたので
こいつ大丈夫かと思ったが、いつの間にか気にならなくなった。細かく見なければ文章も結構大丈夫。
エンタメは読みやすければ何でもいいのがいいよねえ。
主人公をはじめとするキャラ造形は上手い。謎あり友情ありアクションあり(ほんとにちょっと)お色気あり
伏線もきっちり張ってあり会話も洒脱、良質なエンタメに必要な要素は全部揃ってる。
ただなあ、黒幕は当然あの人ってのは最初から分かってたけどさ。無理ありすぎだよ…。
偶然自分に惚れた女が有力者の娘とかあの人と偶然街中で再会するとか、そこから仲良くなるとか
有り得ないとしかいえない。最後だけなので気にしないでおこうとすればできなくもないけど。
割とエンタメ書く上で参考になることが多かったし、良い時間つぶしにもなりました。
けどそれ以上のものではなかったです。全然京極のほうがすごいと思った。

次はもう少し頭のよさそうな本を読もうと思います。

126 :1:03/04/03 21:35
東大卒のアル中バーテンダーだっけ?
もう忘れたなあ。


127 :へたれ簡素人:03/04/03 21:42
>>126
そうです。
ただの小汚いアル中からだんだん元プロボクサーとかカコイイ過去が明かされて行って
キャラ自体もピリっとしていく造形は上手いですよね。
情けない状態と緊迫した状態でのキャラのギャップで魅せる手は結構定石だけど、この人はうまくやってると思います。


128 :1:03/04/03 21:46
あれ、デビュー作だもんなあ。
それで乱歩賞と直木賞か。しかも電通。はぁ。

ただ、小説としてはウマいけど(技術的にも)、筋は大したことないから
テレビドラマ化したときは全然面白くなかったよ。

129 :へたれ簡素人:03/04/03 21:52
過去話が結構浅かったかなあ。
あの程度であっさりドロップアウトしといて全共闘語られても……という感じで。
あんまり深すぎてもエンタメとして楽しめなくなっちゃう可能性もあるので仕方ないかな、とは思いました。
ドラマは見てないけど、再放送しても見たいとは思わなさそう。

130 :へたれ簡素人:03/04/05 23:37
なんかこのスレあると読書にも気合入って良いなあ。
賢そうなもの読むとかいいつつ今日は大塚英志「キャラクター小説の作り方」
小説じゃないけど…。

とりあえずラノベ教本と見せかけて角川への皮肉と「あ、これは難しいかな?頑張れる?読める?」みたいな
読者を気遣ってるんだかバカにしてるんだか分からないフォロー満載。
教える仕事してた経験上と好意的に解釈していいのかな?したくないなあ。
ある種の読者層を考えればこれも皮肉にしか読めない。
しかし中身はある。どの章の内容も小説書いたり簡素書いたりしてるうちに行き当たる疑問
ばかり。それだけ実践的な内容だということだ。このへんはさすが大塚。
ただ入門書だけに内容の大部分は基本的な心得で占められている。
上級者には基本の再確認と抜けてた部分を補完する意味くらいしかないかなあ。
私は再確認半分発見半分、てとこでした。また再読してきます。

131 :へたれ簡素人:03/04/08 22:58
今日読んだのは乙一の「天帝妖狐」。乙一初体験。
これも十代の頃に書いたんだよなあ。すごいなあ。女の子なら分かるけど、男の十代なんて
タダのアホだからなあ。作者の年齢なんか、関係ないといえばないんだけど。

まず最初のタバコの話。
あえてハイテクを廃した設定でこのストーリを組み立てるとは。
ネタ自体はオーソドックスながらキャラクタ作りのうまさとミステリ的お約束の
使い方が見事。そんなに凄い作品でもないけど、センスが光るなあ。

表題作。
これは……どうかなあ。構成とか上手いし、雰囲気も出てる。最初の方の狐狗狸さん
のシーンは怖い。前フリは結構カンペキなんだけど、なんかあっさり感があるんだよなあ。
こういう不幸話はもうちっとねっちり書いて欲しい。それもこの人の作風ではない気がするけど。
正直こういう感じの作品なら(以下都合により略

132 :120:03/04/13 03:59
>>125 自分もテロパラ読んだ。なんか後半のドタバタご都合主義が
自分には合わなかったし、あまり面白いとも思えなかった。
つーか自分にはハードボイルドっていうジャンル自体が合わないの
かもな。。もう藤原伊織もハードボイルド小説も自分は読まないだろう。

133 :へたれ簡素人:03/04/13 12:34
>>132
キャラクター自体は結構魅力的だったと思います。特にヤクザの浅井が好きでした。
確かに後半は前半に比べるとトーンダウンていうか、惰性で読んじゃいますね。
ハードボイルド云々はチャンドラーのマーロウシリーズとか未読なので何ともいえないですが。

現在乙一の「暗いところで待ち合わせ」をちょっとずつ読んでます。
天帝妖狐はそこそこだったけど「暗いところ〜」はかなり面白いです。
失踪HOLIDAY面白いのかな……。読みたいけどスニーカー文庫買うの恥ずかしい。

134 :へたれ簡素人:03/04/13 21:14
「暗いところで待ち合わせ」良かったー。
もともとのアイデアが良いし、料理の仕方が絶妙。
仕掛けは陳腐なのだが、時制の配置というか、情報の出し方でうまく料理してる。
ミステリ要素があっさりめだがそれを不満に感じないのは、やはりこの二人の微妙な関係の部分が
やたらと面白いからというのは言うまでもない。
ラストも良い。というかこれ以外落としようがないような気がするが、ヘンに奇を衒わないのが良かった。
傑作というよりはこじんまりした佳品だけども、上手さが光る。
タバコの話は結構あっさりというかラノベっぽい文体だったのでそういうものかと思ってたが、この人は描写も上手い……

135 :山崎渉:03/04/17 13:25
(^^)

136 :山崎渉:03/04/20 01:58
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

137 :120:03/04/21 21:48
『葦と百合』 奥泉光 集英社文庫
読んだのはしばらく前だけど、あまりに凄すぎたので書き込み。
なんというか、この小説を表現するのに適切な言葉が見つからないが、
とにかく凄かった。前半部まででこれだけ戦慄を感じたのは
ドストエフスキーの『悪霊』以来だ。

ジャンルとしては幻想的で衒学的な推理小説ということになるのだろうか。
…という形容だと、どうも京極堂とかを連想してしまうがそんな怪奇蘊蓄小説
ではまったくない。作者は哲学や社会学を学んだ人間らしく、学究の徒らしい
認識がベースになった会話は同じような認識を持つ人間として読んでいて
とても心地よい。

推理小説としては、これほど不思議な小説もない。が、
小説の構造はこの作品の魅力のひとつであり、これについて
語るのは未読者の興を削ぐのみの野暮な行為なので語るのは控えておく。

奥泉光スレにあった言葉だが、この作品は、「書くべきことは何もない」
「謎などそもそも存在しない」という認識をベースに、
「小説を書くために書かれた」小説だと感じる。技巧を凝らした、
装飾の多くてとても神秘的で、良質な会話の流れる、中身のない小説。
私的にはここ一年読んだ中で最も凄い小説だった。奥泉光まんせーー!

138 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/02 20:41
遠藤周作の、「ただいま浪人」

 彼のすごさを知ったのは「沈黙」で、それから頑張って読んでいるのですが、
京極さんなみにぶ厚いこの文庫本を読んでみて感動しますた。
なんつか、いろんな人物が出てきて、悪い奴なんて一人もいないのに誰かが不幸に
なったりするんですよ。で、準主人公みたいな人がたくさん登場するんですけど、それ
ぞれがなんというか、一つの小説の枠に収まっていない。読んでいて思わず、
「みんな生きてんのかよぉ」
と叫びたくなった。
 ともすれば読んでいる途中で、「甘っちょろいこと言ってんじゃねえ」と言って放りだして
しまいそうになる本だが、読んでるうちに作者は甘っちょろいことなんて承知で書いてる、
ってことが分かってくるんです。作中人物が震えれば俺も震える、作中人物が泣けば
俺も泣きそうになってしまう。そんな小説でした。

139 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/07 21:31
えーっと、「なんて素敵なジャパネスク」っての知ってます?
ちょっとしばらく38〜39度ぐらいの熱で生死を彷徨ってたんですが、暇なんで
姉の部屋で軽ーくよめる本はないかなーと思って探してたら、これが全10巻揃ってたんです。

いやー、漫画よりも楽に読める。熱あるのに読んでて疲れないし、面白いから退屈しないし。
今度皆さんも、病気になったときに備えて古本屋で買ってきてみてはいかがでしょう。

高橋源一郎が褒めるだけのことはあるなーと思いますた。

140 :モンターニュ ◆qNVJf9gkMU :03/05/13 23:30
夏目漱石「三四郎」

今さら読んだのかよ、と言われそうですね。それどころか、俺はこの本、
柔道の話だと思ってましたよ。(姿三四郎と混ざってた)

なんか読んだら東大に行きたくなりますた。科目的にも実力的にも無理ではありますが。

141 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/18 14:48
 忘れないために、少し前に読んだものを。
ケストナー「ファービアン」

 あるモラリストの物語と副題されたこの話はめちゃくちゃだ。
女達はやたらと脱ぐし、機会あらば男と寝ようとしている。新聞記者は嘘の記事を
でっちあげる。主人公のファービアンはそういった世界を愛しているようでもあるし、
憎んでいるようでもある。
 モラルとは何か? というよりは、「人間」はモラルというものを与えられるだけの資格を
もっているのか? パンドラの箱を開けてしまった人類に(それが何であるにせよ)可能性
はあるのか? ケストナーはそういうことを必死で考えたんかなあと思って、
俺はしばらく彼の世界にひたっておりました。

142 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/18 14:52
そして昨日読み終えたもの。
遠藤周作「女」

 なんというか、愛という言葉は便利すぎて使うのがためらわれるわけですが、
あえて使うと、こんなに作者の人間への愛が染み出してる作品を読むのは「戦争と平和」
以来です。

 ジャンルとしては歴史小説なのだけれど、歴史小説と言い切れない部分がある。
「人間小説」なんて風に呼ぶこともできるかもしれません。

143 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/18 15:02
さらに、たった今読み終えたもの。
テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」

 今は社会人となった姉が昔使っていた部屋の本棚を見ていて、あまりに題名が
カッコいいので読み始めてしまいました。

 きゃあー。と、吹っ飛びました。
 ちょっと凄すぎて何も書けないけれど、これは実際に劇場で見てみたいなあ。
活字を追っているだけで舞台の迫力に押されるほどでした。

 ちなみに、ザ・ハイロウズの「ハスキー〜欲望という名の戦車〜」という曲はこいつから
来てるってのもやっと分かりました。

144 :名無し物書き@推敲中?:03/05/18 19:50
>>143
テネシー・ウィリアムズは村上春樹が面白いこと書いてたな。
大学の講師が授業で一年間ずっとテネシー・ウィリアムズをテクストに
けなし続けてくれたおかげで、すっかり自分も嫌いになってしまったとか。

145 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/20 13:26
>>144 (w。なんかそういうことってあるかもしれないですね。確かに。
しかしテネシー・ウィリアムズの一体どこをけなすんだろう?

 というか、このスレ読んでる人いたんですね。俺以外で。

146 :1:03/05/20 20:09
すまんのお。
俺が不甲斐ないばかりに。

147 :山崎渉:03/05/22 02:51
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―

148 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/05/23 15:44
>>1>>146 いえいえ(w
これからも利用させて頂きます。

149 :山崎渉:03/05/28 11:01
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉

150 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/06/11 23:25
ツルゲーネフ「はつ恋」

 なんかふにゃあ〜って感じで普通に読める話ですけど、よく考えたらとんでもない
ストーリーですね。
 ウラジミールは何故かこの小説で最後まで生きていて、けど思い出の中にたくさんの
人が死んでいる。ジナイーダへの恋はそのまま彼の一部になり、彼を作っているし、
その父も同様に彼の一部になっている。彼の「はつ恋」は通過点ではなく終着点であって、
彼はいつでもやはりジナイーダのもとへ帰ってくるのかも知れない。

 とまあ、こんな感じで。

151 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/06/12 18:59
宮本 輝「泥の川」

 風邪をひいて学校を休んだわけですが、寝ているのに飽きたので読みました。
短い話ですしね。これで宮本輝の「蛍川」「道頓堀川」「泥の川」と川三つを全て読んだわけだ。

 この人の話って、変なインテリが出てこないんですよね。村上春樹みたいに
クラシックやボブ・ディランをすごーく良いレコードプレイヤーで聞いて、服にゆっくりと
アイロンをかけたりする主人公もいいけど、たまにこういう、「庶民」というか、
社会における「多数派の人々」が出てくる小説を読むとホッとする部分はあります。
 まだ8歳の信雄が出てくるのだけれど、やけに大人びていたりしないし、
他の少年と特に違う感性を持つわけでもない。その信雄が、娼婦を母に持つ喜一と
知り合うことによって不思議な経験をする。けれど、その不思議な経験はまたいつしか
信雄を通り過ぎて行く。つまり、もの凄い大事件は起こらないんですよね。
 10年も足ったら、信雄はどの程度この夏のことを覚えているのだろう?
多分喜一のことやその姉、銀子のこと、川のことなどはぼんやりとしか思い出せないに
違いない。けど、「お化け鯉」のことや、「無数の青い焔」のことは、何かあるたびに
信雄の脳裏をよぎるんじゃないかなと思います。
 何と言うか、あくまで日常が意識されつつ、微かに折り目をつけた小説でした。

152 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/06/29 20:19
ブレイブ・ストーリーを読んだわけです。宮部みゆきの。

俺はこの板で数少ないファンタジー擁護派ですからね。
ファンタジー嫌いは読めない。けどファンタジー好きは絶対読むべき。ファンタジー嫌いは
「上」だけ買って「第一章」だけ読むべし。一章はファンタジーの要素があまりなくて、
びっくりするぐらい文章が上手い部分がありますから。

つか、「下」を読み終えて、人格にダメージくらう(いい意味で)くらい凄い作品でした……。

153 :1:03/06/30 20:49
泥の河、昔読んだけど、三部作の中じゃ一番好きだったなあ。
内容忘れたけど。

そろそろスラヴォイ・ジジェクあたりを読み始めようと思います。
でも、ここに感想なんぞ書けんだろうなあw

154 :1:03/07/07 23:33
ジジェクはおもろい、それはおいといて、と。

「季節の記憶」保坂和志 中公文庫 を読了。
自分がダイナミックな物語を綴る作風だから、
こういう静かでほんわかした雰囲気と、
それでいて鋭い視点で物事を見据えるような
本作にある意味憧れを感じた。
大人の視点だな、と。これからも何度か読むことになるだろうな。

しかし、谷崎賞作品、あまり読んではいないけど、
これまでの中では個人的には外れがまったくない。
大江・万延元年のフットボール、池澤・マシアス・ギリの失脚、
春樹・世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、
津島・火の国、丸谷・たった一人の反乱、そのへん。

次は埴谷雄高「闇のなかの黒い馬」に挑戦かねえ。

155 :山崎 渉:03/07/12 12:12

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

156 :名無し物書き@推敲中?:03/07/12 14:13
保坂和志? mjか?

157 :名無し物書き@推敲中?:03/07/12 14:44
ageで下らんことを書くな。


158 :写真集だよんhttp://www.sexpixbox.com/pleasant/sexy/index.html:03/07/12 15:45
写真集だよん
http://www.sexpixbox.com/pleasant/sexy/index.html

159 :山崎 渉:03/07/15 11:44

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

160 :名無し物書き@推敲中?:03/07/23 04:44
>>152をみて、ブレイブ・ストーリーを図書館で借りて読もうと思ったんだが、「予約件数  378 件」だって!
こりゃ当分読めんわい。

161 :名無し物書き@推敲中?:03/07/23 04:47
あげておこう

162 :名無し物書き@推敲中?:03/07/23 10:20
長野まゆみの超少年を読みました。
8〇1まがいの本が、県立の進学校の図書室にあると思いませんでした。
びびりました。
でも世界観的には好き。

163 :山崎 渉:03/08/02 01:11
(^^)

164 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/08/13 23:08
>>160
うわあー。しかしそれって、「予約件数377件」という状況を見たうえで
「予約します」って言った人がいるってことですよね。
その人が凄いなあと思う。

165 :名無し物書き@推敲中?:03/08/13 23:46
「ご一緒にポテトもいかがですか?」って言われて「いらないです」って言えない奴の人数→378

166 :1:03/08/15 01:37
宮部みゆきはいくつか読んだけど、
面白いと思ったのはなかったなあ。
暇潰し程度にはなったけど、どれも浅かった。
まとまった量を読んだのが五年くらい前だから、
今読むとまた違うかもしれないけれど。

167 :山崎 渉:03/08/15 12:49
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

168 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :03/08/18 21:17
あげますよ。今日は。

  川上健一「雨鱒の川」
 いや、やばいってこれは。俺はいっつも本を読み終えた後は、一番最後のページの余白に
感想を書き付けておくんですけど、何を書いてもこの小説を壊してしまうような気がして、
書けなかった。
 もう、本読んでこんな泣いたのは初めてです。「戦争と平和」より泣いた。
だって、もう途中からしゃくりあげてましたもん。なんか鼻水とかも垂れてきて、とんでもない
顔で読んでました。好みは分かれそうですが、創作文芸板の視点で見ても描写力
とかはすごいので、まだ読まれてない人はぜひ。

>>165 ワラ
>>166
俺はブレイブ・ストーリーの他には「レベル7」しか読んでないですけど、
あれは確かに暇つぶしでした。けどブレイブ・ストーリーは凄かったですよ。
もともと連載だっただけに、ストーリーに未消化な部分はありますが。

169 :千恵子:03/08/18 21:54
http://life.fam.cx/a012/

170 :名無し物書き@推敲中?:03/08/19 07:42
渋谷一夜物語(シブヤンナイト)山田正記著 集英社
レンタルで読みました。短編小説がいくつもあって読みやすかった。指輪、ホームドラマ、死体は逆流するなどが面白かった。
大昔にアフロディーテを読んで以来。
山田正記氏の本でおすすめは何があります?


171 :名無し物書き@推敲中?:03/08/19 07:47
訂正・・・「記」ではなく、「紀」

172 :ルゥ ◆1twshhDf4c :03/08/20 23:20
>>131
乙一作品はいいですよ。
ぜひ読んでもらいたいのは、デビュー作の「夏と花火と私の死体」と
最新作の「ZOO」。
最近短編というとどうも骨のないものも多いですが、彼のは光っています。
「君にしか聞こえない」もほんのり切なくて、好きです。
思わず恋をしたくなるw
ホラーから、ミステリか少し切なくて涙がこぼれそうになる作品から、
スプラッターなものから、コメディまで何でもござれで、しかも、作品の
甲乙にむらが余りありません。
ただし、本格ミステリ大賞を取った「GOTH]は私の中では、トリックなどの面で、
首を傾げましたが。(本格は好きで、よく読むので)

>>152
「ブレイブ・ストーリー」は私が宮部みゆきの作品の中で、唯一面白いと思ったものです。
なんというか、宮部みゆきの作品はどうも読後感が良くないんです。
うまくいえないんですけど、読んでてしっくりこないというか。
それに、読んでも作品の内容を忘れてしまうのが速い。
まあ、嫌いではないけど、好きでもないといったところでしょうか。
(好きな作家の作品や、面白いと思ったもの、逆に大嫌いな村山由佳の作品なんかは
鮮明に覚えてるんですけどねw)
この作品に関していうと、さすがミステリ作家というか。
冒険小説なのに、影で主人公の推理がちらついたり、
話の展開が、事件の真相を明かすようなつくりになっている所がいくつもありますね。

173 :ルゥ ◆1twshhDf4c :03/08/20 23:31
では、今から今日読んだ本をw(2レスになってしまいました。すみません)
吉田兼好「徒然草」
再読です。もちろん、現代語版をかねたもので読んでいますよ。
歴史的な作品を読むのは好きです。違った時代の今とは違う思想に触れられて。
彼のを呼んでいて、ついつい矛盾で笑ってしまうのは、
作中、吉田兼好はその道の専門家以外、そのことについてあれやこれやと語るのは
良くない行為だと書いてありますが、彼自身していることが、まさに
自分の専門外のことについて、あれやこれやと優劣をつけているのだから。
あと、「今(当時)は下品でよくない。昔が懐かしい」
ということを端的に書いていますが、今の世の中を見て、
吉田兼好はどう思うんだろう(これは物事の価値観を書いた「枕草子」なんかを読んでても思うんですけど)
と皮肉な気分になってきますね。
他にも、恋愛間の違いや(彼は通婚を押しています。毎日女房の顔を見ても飽きるだろうとw)
老人はさっさと引退するようにといった感想など、
外国のものを読む以上に、違う世界に触れているようで、おもしろいです。
機会があれば、皆様もぜひどうぞ。

村上龍「69」
予備校の先生に薦められて。
今高3なんですけど、高校のうちに読んでおけと。
ただし、女の子には下ネタが多いから……、ともいわれたんですけど、
気になって早速読んで見ました。
とにかく楽しいものでした。
あんな思い切った高校生活を私も遅れたらいいんですけど。
文章は少し軽かったけど、読みやすく、一気に読んでしまいました。

加納朋子「コッペリア」
加納さんってこんな作風だったっけと思いましたが。
(いつもの作品に比べて随分毒々しいというか)
乙一や殊能さんの「ハサミ男」なんかと同じようなことをしていました。



174 :文谷良介:03/09/01 00:01
↑ルゥさんいろいろ読んでるなあ……

 安部公房「砂の女」

ちょっと戦慄するぐらい人間の本質を突いてる作品です。
果たして人間の幸福って何なんだろう? 穴の外はそんなに良いものだろうか?
少なくともここには「砂」があり、焼酎があり、目的があり、寝床を共にする妻もいる。
どちらが幸福だったろうか?

……というまあテーマ的なもの以外のところにしても、
凄く手に汗握るような場面があって退屈しない。こういう文学ってものは、
やっぱ凄まじい地力の上に成り立つもんなんだなあ。

175 :名無し物書き@推敲中?:03/09/13 15:20
良スレの予感

176 :名無し物書き@推敲中?:03/09/13 16:22
……旧事諮問録と日本海軍の爆弾読みましたっつったら
やっぱりポアですか?漏れは。

177 :名無し物書き@推敲中?:03/09/13 17:16
このスレって、マンセー意見ばっかで期待はずれだな。
俺も読書カード付けてたけど、読んだ本の半分はボロクソに批判してたな。
もっとそういうのを見てみたい。

178 :文谷 良介:03/09/13 19:16
>>177
面白く無かった奴は書いてません。
「これは忘れまい」と思ったのだけここに書くようにしてますです。
こんどそのボロクソ批判を書き込んでみては?

179 :文谷 良介:03/09/13 19:32
 重松 清「ナイフ」

 いやあ、情けない。本当情けない。死ぬほど情けないんですよ。この主人公。
 息子の様子がおかしくて心配する妻に、ほっとけとしか言えない。息子を叱ることもできない。
妻が息子に暴力をふるわれても何もしない。あげくのはてには日常のストレスから
部下へセクハラしちゃったりする。
 そんな彼もついに心のよりどころを見つける。けどそれは彼自信の力で得たものじゃ
ないんですよね。ネタバレ過ぎるからこれ以上は言わないけど。
 それでね、そんな情けない父親が、怒るわけですよ。とうとう息子と向き合うようにも
なるわけですよ。そういう「駄目な奴が、駄目なりに頑張る」っていうのが、
響いてくるんですよね。短い話ですので、みなさん是非一度。

 まったく関係ないけど、河合隼雄の「子供と学校」て本に書いてあったことを思い出した。
インヒビターとやらがどうとかこうとか……っていう、なかなか面白い内容だったなあ。

180 :文谷 良介:03/10/09 20:58
 平岩 弓枝「花のながれ」

 いやあ、こういう小説を書きたいなあ。いつか。
 主人公は組紐屋の長女の藤代。彼女がねえ、凄く格好良い人なんですよ。
やっぱり伝統ある店の娘だから、ちょっと喫茶店に出るにも羽織を着ていくんです。
それがまた美しく着こなすんですよ。もちろん、自分でも組紐を組みますしね。

 そういう彼女なんですが、やっぱりそういう家となると伝統は重いし、
親戚の方々も何かとうるさい。それで本人が作中で言うように「流されるように」
生きてきたんですよね。簡単に言ってしまうと、そんな彼女が自分の力で道を
切り開いていくまで、みたいな良くあるパターンな話なんですけど、他とは違う。
なんと言うか、引き込む力の強さが違う。ぜんぜん違うんですよ。
 俺が好きな作品(というより、優れた文学は皆そうなのかもしれないけど)では、
その中でいろんな人が「生きて」るんですよ。本当に。ただ便宜的にそこに居るのでは
ないんです。犯人の手がかりを聞き出すためのオテツダイサンとか、そういうの
とは違って、みんな生きてるんですよね。だから俺は登場人物の誰も憎めないので、
仕方なくただひたすら応援してしまう。いろんな人をね。
 ただまあ一部、ちょっと作りこまれてないなあ、と思った人物もいたのが残念なところ。
とはいえ、いい作品でしたよ。

181 :文谷 良介:03/10/22 23:01
保守も兼ねて、読んだものの題名だけ。
フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」
村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」
遠藤周作「スキャンダル」

ああー、体調悪いなあ。

182 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/11/09 01:32
 最近、暇にまかせて小説以外の本も読んでいるのですが、面白いものもたまにありますね。
二つほど書いておこう。

  赤瀬川 原平 「目利きのヒミツ」
 題名は凄く軽いくせにけっこう書いてあることは重いんです。
そして「大事なことは寄り道しながらじゃないと書けない」って言いながらそこかしこに話題が飛んで
行くのが面白いんですよ。飽きないですねー。
 「頭」と「感覚」についてなかなか独特のとらえ方をしている人で、そういう考え方もアリだな、と
感心させられました。

  内田 樹 「ためらいの倫理学」
 なかなか微妙な本です。最初と最後だけ読むべき本ですけども、
「知性というものは、その人が自分の知性をどれだけ疑うことができるかによって計られる」
というこの人の考え方はまさに俺が日ごろから思ってることだったんで、気持ちよかったですね。
 他にも「審問の語法」とか独特の概念が出てきて、なかなか面白い。たまにはこういうのも
息抜きにはいいですね。

183 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/11/20 00:59
うん、こうまで誰もいないスレというのもすばらしい。

184 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/11/23 22:46
 ジョン・アーヴィング「第四の手」

 俺はときどき、「もう本なんか読みたくねーYO!」状態に陥ることがありまして、このごろしばらく
それで本から遠ざかっていたのですが、この小説で読書家復帰を果たしました。おめでとう、俺。
 しかしこの小説自体あまり出来のいいものでもなかったです。アーヴィングさんの小説は
「熊を放つ」が大好きなのでこれも楽しみにしてたんですが、これは下手なヴォネガットみたいに
なっちゃってます。アーヴィングは確かにヴォネガットのもとで小説を勉強していたことがあった
のですが、「熊」の時はそうでもなかったのになあ。
 ずーっと、クラウセン夫人の意図が理解できないのですが、最後まで読んでもやっぱりよくわからない。
オットーが死ぬ前の行動は一体なんだったんだ? あと、ゼイジャック博士というキャラクターは
主人公以上に作りこまれていてすごく良かったんだけど、結局物語に深く関ってこなかった。
優秀な医者なら、ゼイジャックじゃなくて他の誰でも良かったんじゃないか?
 同じように、この小説には面白いキャラクターがいっぱいでてくる。生き生きとしている。
けどそれが小説全体に生きてない。思うに、この小説はまだ未完成なんですよね。プロットとして
もうちょっと練るべきだったと思うなあ。意味のないエピソード(というか伏線)が多すぎる。

うん。今日の感想は>>177さんも気に入ってくれることだろう。

185 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/11/24 22:56
 しかし最近の祭りはレベルが上がりましたね。
ラリーさんも参加してるし……。

 まあああいう作風ですから嫌いだという人が多いのも当然ですが、俺は上手いと思います。
創文板では実力はずば抜けていると。で、今回の「ジミーの半ズボン」も
(随所に手抜きは見えるけど)めっちゃかっこいい小説(エッセイ?)でした。
 読みながら泣きそうになったのはたぶん俺だけではないはずだw

186 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/02 23:23
 遠藤 周作「楽天大将」

 いやもう、やっぱりあれですね。この人のを読むと、裏切られるということがない。
まずね、目次を開くでしょ? そしたら最初の章の名前が、「変な出だし」ってなってるんですよ。
もちろん最後の章は、「変な完結」なんです。それを見て、俺はユーモア小説なんかな、と思って、
音楽なぞかけながら軽い気持ちで読みはじめたわけなんです。
 するとなにやら勝手が違う。「変な出だし」の語り手であったアカガキ君が本編ではさっぱり出てこない。
おかしいな、と思ってるうちに物語はどんどん進んでゆく。どんどんシリアスに、どんどん
読者を引き込んで。それで、ラストシーンを読んで、感動に鼻をつまらせている頃、「変な完結」
がやって来るんです。そうしてまた、アカガキ君が変な口調で喋りだすわけです。

 そしたらねえ、その瞬間に今までの物語がグワァッと迫ってきて、どうしようもない感情に包まれるんです。
もう本当に、あれは映画や、漫画や、演劇じゃあできない。小説にしかできない演出です。
きっと遠藤さんは明確にそういう効果を狙ったわけじゃないんですよね。おそらく感覚的に、こういう
プロローグとエピローグをつけよう、と思ったのでしょう。そういうのがきっと、世間一般では「才能」と
呼ばれるんでしょうなあ。

187 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/03 22:23
 井上 靖「あすなろ物語」

 この間井上さんの作品では「こんどは俺の番だ」を読んで、その読後感があんまり良かった
んで、古本屋で探してきたのがこれです。文庫の装丁がきれいだったから、という理由で買った
んですが、間違ってなかったようです。
 自伝的な小説、ということで、多くの部分が筆者の人生とリンクしているようです。
主人公は鮎太。この鮎太がまあ、幼少期から、いろんな人に出会い、いろんな事件に会うわけなんですが、
それらがみんな「通り過ぎて」いっちゃうんですね。鮎太の人生を。
凄く詩的な事件はたくさんあるのだけれど、結局深く関ることなく去っていっちゃうんです。
大きく鮎太の人生を変えることもなく。
 でね、読み終わった時、俺は鮎太が会ってきたいろいろな人を、懐かしく思い出している俺に気づいた
んです。主要登場人物に女が何人も出てくるんですが、まるで本当の片思いの相手だったみたいに、
あんなことがあったなあ、なんて。巻末の「解説」みたいな所で「筆者の人間に対する愛がウンヌン」
と書いてありましたが、その通りだと思いますね。
 ただ、ごくごく個人的には「こんどは俺の番だ」に軍配が上がります。
あれのラストシーンは、たまらなく気持ちよかったもの。

188 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/03 22:42
 しかしあれですね。俺は高校3年生で、正真正銘の受験生なわけですが。
きょうという日になって、やっとこさ次のことに気づきました。それは、
  「受験勉強なんて、あほらしくてやってらんない」
 ということです。
 今朝学校で「あすなろ物語」を読んでいて、何の脈絡もなく突然この考えが浮かび上がったんです。
そしたら急に、楽になりました。そうか、受験勉強なんて、あほらしくてやってらんないんだ、と。
 もちろん、そんなことは中学生のころから頭では分かってました。受験勉強なんてものが面白い
わけがありません。しかし、けさようやくそれを「実感」したんです。

 受験勉強なんて、あほらしくてやってらんない!!

 嬉しくて、俺は何度も頭の中でこの言葉を繰り返しましたよ。ええ。ただ、これを実感したから、
勉強をやめようというわけではないんです。志望校についても、ある程度野望がありますのでね。
ただ、こんなあほらしいことに時間をかけるわけにはいかないぞ、という風に俺は考えました。
 もう、勉強は学校でだけやります。役に立ちそうもない授業はもうさっぱり聞かずに、ひたすら
自習する。そして、平日に家では勉強しない。夜中まで本を読んで、小説を書いて寝る!

 そう考えると俄然やる気が出てきて、もの凄い勢いで授業を聞いたりとかしてました。
そうして家に帰ってきている今、たっぷり本を読み、小説も3枚ほど書いて、とても満足です。
なんでこんな簡単なことに、今まで気づかなかったんだろうなあ。

189 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/03 22:48
うーん。誰もいないからこそ忌憚なく書けるという部分はあるなあ。なんて楽しいスレだ。

しかし今気づいたのだが、今までの俺のレスの冒頭部分。
「いやあ」とか「いや」とか「しかし」とかで始まるのが多すぎる。
普通に喋ってるように書き込んでるだけなんですが、あれですよね。掲示板に書き込んだり、
メール打ったりしてて初めて自分の口癖に気づくという。そういう事ってありません?
と誰もいないスレで呼びかけてみるテスト。

190 :文谷 良介:03/12/04 16:58
 上の方にもあったけど、乙一の「暗いところで待ち合わせ」を読んできました。

 なんか、>>134と同じような感想です。
随所随所に作者の人間観察が光っていて、楽しめました。
この人のデビューが、17歳かあ。俺はもうすぐ18になってしまいます。

191 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/05 21:32
昨日mjさんが吉行淳之介を読めと言っていたので、古本屋で探して来ました。
薦められたやつはなかったんですけどね。

  吉行淳之介「夕暮まで」
 感想を書くのは非常に難しいのだけど、最初に思ったのは描写の淡さ。
淡く、かつ色彩豊かな感じがする。文章も流れるようで、俺が書く文章を思い出して少し恥ずかしくなりました。
 肉体だけの(しかも不完全な)繋がりが、この二人においては全然不思議じゃないんですよね。
そこが俺にとっての不思議であったりする。しかしそういう非現実的な現実はもうあまた読んできた
のだから、もう少しどこか折り目が欲しいと思いました。
 あと個人的に、祐子さんのキャラが好きだったり。

192 :mj ◆nVp4ztX6Bg :03/12/06 00:19
こんなスレ知らなかった。
>191
吉行は淡さが持ち味。
「夕暮〜」は特に淡いけどね。w
引退間近のピッチャーが老練なテクで完封するが如く。w
ところで淡さとは無駄を省くとか読者に委ねる、とかに意図もあると
おれは思ってます。
おれなんか無駄だらけなのに「淡さ」は意識してるんよ。w

なんか読んだらここに書き込みます。

193 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/06 15:09
>>192
隔離スレへようこそw
まあゆっくりしてって下さいな。

194 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/06 19:00
 夏目 漱石「それから」

 三四郎読了後すぐに買ってきておいたんですが、つい長い間うっちゃってて、きょうやっと読みました。
三四郎のときは、なんで俺はこの中にいないんだろう、って思ったんです。こういう風に
世の中にかかわりたい、っていう。俺と三四郎の歳が近いからでしょうね。

 で、「それから」の場合は、とにかくまどろっこしい主人公を後ろからフォークや何やで突っつきたくなる。
趣味人で悠々として、「仕事は純粋に仕事のためでなくっちゃ不可ない」みたいなことを言ってね。
けどなんとか最後には、三千代さんに言うんですよね「僕の存在には君が必要だ」って。

こんなのはまさに現代の恋愛ドラマじゃないですか。100年先に漱石がやってたとは知らなかった。

 読みながらすごく思ったのは、100年も前にこんなのを書いた人がいるのに、今さら何を書けるのかな、
ということでした。最近の新しい小説がどんどん奇抜な方向に向かっていくのも分かるような気がします。
しかし結局は、先人の踏み固めた王道を歩むしかないんでしょうなあ。
 とはいえまあ、読まなければ、どこにどういう道があるかも分からないわけで。密林を開拓している
つもりで舗装道路を歩んでちゃあカッコ悪いから、俺は今日も明日も本を読むわけです。
と、まとめておこう。

 そういえば。終始我を表さない代助の兄誠吾が、ラストシーンのところで激昂して大声を出すところは
印象的だったなあ。

195 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/12 12:26
 北村薫「スキップ」

 ルゥさんに薦められたので読んでみたんですが、めちゃめちゃいいですねえ。
二十五年の時を吹っ飛ばされてしまった主人公が、また生きていくんですよと。凄いよなあ。
 中身は、80%が学園モノ。と言っていいと思う。じっさい、ここだけを抜き出しても
それなりに面白い小説にはなったと思うんです。しかし、しかし!! 教壇に立っている、40過ぎの
桜木先生は、つい数週間前まで17歳だったのです。それが吹っ飛んできて、もの凄い勢いで予習をして
教壇に立つわけです。
 まったく知らない生徒や先生たちの情報を必死に身につけて、まったく知らない世界で手探りで
生きていく。俺はその主人公が学校へ行くたびにもの凄くドキドキして「失敗するなよー。うまくやれよー」
と思って、ページをめくるのも怖かったです。それでも、彼女は何とかまた人間関係を構築していって、
生徒たちに好かれるいい先生として毎日を送っていくわけです。
 25年前に帰りたい。けど、「いま」は生きなきゃいけない。それでどういう道を選ぶのか、っていう小説です。
まだの人はぜひどうぞ。

 エピローグとか、本当にかっこ良すぎてやばいです。

196 :さかな ◆Hy3vBYZ1hw :03/12/21 21:18
  北 杜夫「船乗りクプクプの冒険」

 やっぱりねえ、よく晴れた日の日曜日の午前には、ドストエフスキーよりこれですよねえ。
面白いもの。こういうのが書けるのが偉いんだよね。たぶん。
 じっさい、こういうのが小説なんだよなあ。娯楽として、芸術として生まれた小説としての。
面白いのが小説だよね。主張ばかりの小説は、小説じゃなくて主張だから。
いや、ドストエフスキーが面白くないというわけじゃなくて。ただ、読者を楽しませることに力点を
置いた小説っていうものを、もうちょっと見直してもいいんじゃないかなとふと思ったわけです。

 変なトラベルミステリー読むよりよっぽど面白いよね。

197 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/26 22:34
今日は、「ぱられる」とかいう、くだらんコテコテ王道の何のひねりもないラブコメ漫画を
古本屋で買ってきて、ふらふらと読んでおったのです。

俺はときどきからだの中に、「萌え」が足りなくなるときがあるんですよね。
ビタミンCが足りないとか、そんな感じで。
まあ今日はその「萌え」をある程度補充できました。その点ではこの漫画も捨てたもんじゃないですねw

198 :1:03/12/26 23:40
変なトラベル・ミステリー、あれはあれで面白いんだよ。
予定調和的な面白さだな、水戸黄門みたいにさ。
保守的なのかねえ、あれを楽しむのは。

199 :さかな ◆Hy3vBYZ1hw :03/12/27 14:54
20日ぶりの客人だ。と思ったら1の人ですか。すっかり俺の住処にさせて頂いてます。

面白いんですか? トラベルミステリー。
しかし、読む気がしないんですよ。何と言うか、「前に進む気がまったくないんじゃないか」
って思っちゃうんですよね。予定調和的な面白さっていうものの存在は認めるんですが……。
あれを書いてて満足できるのかな、という。

まあ、>>197のなんかはまさに「まったく前に進む気のない」マンガなんですけどね。
絵がついていればそれでも読めるw

200 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/28 19:53
山本文緒「ブルーもしくはブルー」

 この間古本屋でマンガを漁った際、マンガだけレジに持っていくのが何となく恥ずかしかったんで、
一番上に積んであったのを適当に取ったのがこいつです。
 山本文緒は「チェリーブラッサム」ってやつを読んだっきりだったんですが、これは面白いですね。
途中まで読んで、やっぱやめようかな、と思ったけど、まあ最後まで読んでよかったですよ。
 なんか、安易に結末がまとまってないからいいんです。全てが終わった後で、蒼子は何にも
前に進んでないんですよね。むしろ状況は後退している。ただ一つ変わったことといったら、それは
彼女が「逃げ場はない」ってことを知った、ということだけ。これから彼女が第二の人生を歩みだして
楽しく生きていけるかというと大いに首をひねらざるを得ないのですが、やっぱりそれは知らなくちゃ
いけないことだったんだと思います。知って死ぬのと、知らずに死ぬのは違う、ってね。

201 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/28 19:54
遠藤周作「王妃マリー・アントワネット」

 アントワネットのことは、この本を読もうという人なら誰でも知っているでしょう。彼女が最後に
どういう末路を辿ったかというのも、承知しているでしょう。それだのに、アントワネットの周囲の人たちは
幾度も彼女を救い出そうとする。しかもその、命がけの救出を手伝う者の中には、アントワネットと
まったく関係のなかった人も混じっているんです。むしろ、王政打倒に一役買っているような人まで、
大した報酬も見込めないのに、ただ、そのスリルに憧れて必死に救出計画を練るんです。
そして俺は、そういった人々に強く共感を覚えたわけなんです。
 その救出劇はどうなったか? もちろんすべて失敗したことを、これを読む人全てが知っています。
けれど、読者は(少なくとも俺は)、手に汗握って彼女の逃亡を見守るんですよ。そして失敗したときには、
がっくりと肩を落とす。アントワネットが嘆くたびにやるせなさを感じるのだけれど、フランスの民衆も、
貴族も、誰も恨むことができない。誰かを悪役にすることができない。みんな頑張ってその日を生きて
いるだけなのに、アントワネットは日々一歩ずつ断頭台へと向かっていくんです。
 何故だ? 何故? 直接の原因はそこに一つも見られない。それは少しトルストイが戦争と平和
で示そうとしていたことに似ている。もう何十年何百年前からの人々一人ひとりの動き、そういうものが
しだいに加速していて、アントワネットがフランスに渡ったとき、もうそれは止まらないところまで
来ていたんじゃないか、と思わせられる。「あのときもう少し急いでいれば、もう少し早い馬車に
乗っていればアントワネットは逃げられたのに!」と思っても、それは仕方ないことなのだ。きっと。
きっともっとずっと前からそれは避けられないことになっていたのだ。
 上の方で俺は、「大きな信条もなくアントワネットをひたむきに救おうとした人に憧れる」と書きました。
俺がそういう人たちに憧れるのはきっと、その、「ずっと前から避けられないようになっていたこと」
にあくまで抗おうとしたのが、彼ら(彼女ら)だったからなのだろうと思います。

202 :文谷 良介 ◆qNVJf9gkMU :03/12/30 00:23
遠藤周作「一・二・三」

 遠藤周作の浪人モノその二。
 受験生が浪人モノなんか読むな、それ以前に本ばっか読んでないで勉強しろと言われそうですが、
まあ、読んでよかったなという。やっぱり凄い作品です。
 なんというか、読み手のせいか、それとも作品のもつ普遍性のせいか、読後に感じたことが
>>200,>>201と共通している。それは、「いろいろあったけど、前に進めるわけじゃないのよね」という。
心動かされる出来事はあっても、そう簡単に運命は、ましてや社会は変わらないと。そういうものです。
 これはね、東大に落ちた二人組が、「学歴なんか関係あるかあ」と冒険をする、というまあ、
お決まりのヤツなんですが。なかなか中身が濃くってねえ。自分を皇族だと思い込んでいる
聡明な精神病者がその二人に加わってね。戦争とかも関わってくるんですが。それが、
すごく爽やかに書かれている。登場人物がみんな、ふつうの人だからなんですね。特別に
賢かったり、勇気があったり強かったりしないんです。
 たとえ将来でびゅーできたとしても、遠藤周作ぐらいの作家には俺はなれないんだろうな、
と思うと、やっぱり寂しくなります。

203 :ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :03/12/30 22:50
遠藤周作はいいねえ。
「人間」を描く、などと言えば陳腐な言い回しになるが、
それ以外の表現が見当たらないほど登場人物にリアルに血が通っている。
「経験」を積み、かつ「他人の気持ち」が分かる人間でないと、
あれだけのものは書けないと思うさ!!

204 :マジレスおぢさん ◆gdjEowoico :04/01/02 14:37
今日は、最下層のカキコをたくさん読んだので、頭が痛くなりました。
でも、500番まではがんばってみます。
こんな場所をsageで使っている人もいるのですね。

205 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :04/01/22 23:24
保守。
まったく本を読む気にならんので、村上春樹のエッセイなんかを読み返したりという
非生産的なことをしています。

206 :名無し物書き@推敲中?:04/01/26 18:21
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207 :120:04/02/14 17:35
このスレまだあったのか…

208 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :04/03/06 22:42
このスレまだあったのか……。

  カート・ヴォネガット「デッドアイ・ディック」
 ヴォネガットのものはだいたい読んだんですが、なぜかこのデッドアイ・ディックと
ホーカス・ポーカスだけ読むのを忘れていたので、受験終了の暇にまかせて読んでみました。
 何と言うか、「一行の重み」を知っている人ですよね。ヴォネガットも、訳者の朝倉久志も。
 ただ、結構ヴォネガットの小説ってみんな似通ってますよね。どれもすばらしい小説では
あるのだけど。だから「デッドアイ・ディック」について感想しようとしてもヴォネガット全体に
対する感想になってしまう。そこらへん、ヴォネガットファンだけに残念な気もします。
ユトリロの絵みたいな感じですね。

209 :名無し物書き@推敲中?:04/03/15 02:41
エラリークイーンの「開いたトランプ」。
見せ場には膝を叩いた。
やはり小説は、読み捨ての娯楽であるべきだ、と思う。

210 :先生 ◆WVpx8Xud8w :04/03/24 11:00
む、懐かしいスレが。移転のドサクサで消えておるかと思った。久々に書くか。

金城一紀「GO」
 なんじゃあこりゃあ!である。
日本を舞台とした異文化の話ということで、カルチャーショックを期待していたのだが。
いや、実際冒頭のオヤジとハワイ旅行のくだりは素晴らしいのである。
例えば、大体の日本人は在日朝鮮人から在日韓国人に国籍が変わる、というのがどういう意味を持っておるのか
理屈の上で理解できたとしても、感覚として非常に掴みにくい。
先生も全然分からんのだが、そういう彼らにとって常識なことを理解するのに、物語という媒体ほど適したものもあるまい。
ということで、これは面白いな、と読み進めようとしたのだが……

どうもこれは恋愛小説らしく、主人公の生活の描写もそこそこにヒロインらしき女の子が登場する。
まあそれはいいのである。これは恋愛小説であり、何とか主義と言ったものは一切関わってこないと主人公も明言しておる。
それはいいのだ。

しかしだな、こんな女がいてたまるかッ!!!!!!!!!!!
このあまりにブッdだ不思議ちゃんぷりはなんですか。誰にそんなに媚びておられるんですか。
どうもこの部分に限らず村上春樹を意識した部分が見え隠れするのだが、そういえばノルウェイのみどりも不思議ちゃんだった。
が、あっちはもっと抑制が効いておった。みどりは普通と不思議ちゃんの微妙なバランスが魅力だったのである。
こっちはもうね、あきらかに不思議で魅力的なキャラクターを作ろうとして、やりすぎである。
セリフ一つでおなか一杯の膨満感ですよ。これ以上読み進めるに耐えなかったので、先手、48ページで投了である。

211 :先生 ◆WVpx8Xud8w :04/03/25 17:57
とかいいつつ移動時間を利用して「GO」読了である。

作者の経験に基づいて語られる学校の部分など、実に素晴らしい。父親とのボクシングの特訓のくだりや、正一や元秀とのエピソードなど
まさに血の通ったエピソードとはこういうのであるな、と思う。そりゃ直木賞も獲るわ。
転じて、ヒロインである桜井関係のエピソードはあまりにもペラペラというかお粗末な。
初登場からあまりの作り物臭さに辟易としておったが、最後までそのまんまである。村上春樹ヒロインの粗製コピーか。
最初のデートの、「混んでるだけが取り柄のまずいイタ飯屋」あたりのセリフは笑ったが。
作り物臭い、といえば父親のあまりにお茶目さんな部分もそうなのだが、父親は根っこのところで確固としたリアリティに裏付けられた
行動原理があり、思想があり、歴史がある。土台さえしっかりしたキャラなら、こういうあざといエンタメ小説的な味付けをしても
薄っぺらい、作り物臭いキャラクターにはならんのだな、と実感した。
しかしこの作者、経験を元にしたネタのストックを使い果たした後どうなるのか、多少不安であるな。

印象に残った点としては、物語やセリフの端々に知的コンプレックスが見え隠れすることであろうか。
とにかく俺はケンカに強いだけじゃなくて本も読んでて知識もあってカッコイイ音楽も聴いてて映画もメチャメチャ見てて
という自意識が過剰とも取れるほどに強調されている。
自分に酔っておるなあ、という見方も出来るが、先生はそうは感じなかった。
これはタフでなくては生き残れない、という自覚の副産物として知的コンプレックスではないかと。
そう考えるとリアリティのあるキャラ造形である。嫌味の無い知的コンプレックスというのも珍しいな、と思いながら読んでおった。

212 :吾輩は名無しである:04/03/26 12:59
ahya

213 :文谷良介 ◆qNVJf9gkMU :04/04/14 18:43
保守。題名だけ。
「小林一茶」井上ひさし
「ふくすけ」松尾スズキ

214 :ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/04/23 22:35
保守。

松田瓊子「紫苑の園/香澄」途中まで。
スティーブン・キング「神々のワードプロセッサ」再読。途中まで。高校の時以来。久々。
ポーリーヌ・レアージュ「O嬢の物語」序文の途中。
宮部みゆき「返事はいらない」再読。途中まで。
大江健三郎「死者の驕り」再読。途中まで。二十歳頃以来かな。


宮部みゆきは読むのに時間がかからない。素晴らしいことだと思う。
変な意味ではなく。

215 :ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/05/01 19:37
保守。
椎名誠「胃袋を買いに」のうち一編、「箱の中」再読。
怖い。

ちなみに、文庫化してすぐに、世にも奇妙な物語かなんかで
ドラマ化してしまい、なんだか大事なものを取られてしまった
ような、寂しい気分になった事を覚えている。

216 :ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/05/03 00:51
保守。

柳美里「家族シネマ」内のうち一編、「潮合い」再読。
一種の緊張感に満ちている。凡庸なテーマであり
エピソードもありがちなものだが、文章にいちいち
感性を感じるので、最後まで一気に読める。
でもこれ、復讐だよねえ、きっと。

217 :F・モンタニ ◆qNVJf9gkMU :04/05/09 20:34
  井上靖「夏草冬濤」

 井上さんお得意の、自伝的小説。あすなろ物語なんかとは違って、中学時代のことだけを
抜き出してますね。
 読み終わってみて思うのは、こういうのって小説になるんだな、ということですね。
大きな事件は起こらず、ただ一人の中学生が、対した成長もなく、変化もなく、育っていくと。
時々変わりそうなことはあり、主人公の友人も変わっていくのだけれど、本人はやっぱり
そんなに変わったもんじゃない。ただ、「知って」いくだけなんですね。これこれこういうものがあることを
知った。こういう者があることを知った。などなど。
 それを延々と文庫本2冊にわたって書き、最終的に何の結論もなく終わる。
ま、結論なんてあるわけがないのですよね。人生の一部を切り取って、そのまま書いたといった
小説ですから。ただこの小説を小説ならしめているのは、作者の感性のみ。
 へぇ、こういうのって小説になるんだな。物書き志望としては大変参考になるところです。

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